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着信履歴
仕事帰り、疲れて家に戻るとスマホの着信履歴に知らない番号が残っていた。市外局番は俺の住んでいる地域と同じ。イタズラか勧誘だろうと思い無視した。
翌日も同じ時間、同じ番号から着信があった。やはり無視。三日目、四日目も同じ。毎日決まって夜の21時ちょうどにかかってくる。
気味が悪くなって、五日目にとうとう出てみた。だが受話器の向こうは無言。かすかに息遣いだけが聞こえる。腹が立って「誰ですか?」と強く言うと、ようやく声が返ってきた。
「……もうすぐ着きます」
その瞬間、背筋が冷たくなった。慌てて通話を切ったが、それ以来その番号からは一切着信が来なくなった。
数週間後、何気なくスマホの通話アプリを整理していたとき、気づいてしまった。その“知らない番号”の発信元
――最後の四桁は、俺の部屋番号と同じ数字だった。




