7話 また下駄箱に・・・
僕は登校する。
「おいおいおい・・・」
下駄箱を開け、そこにあった物に思わず声を上げる。
手に取ると一昨日の光景が再現される。
まったく同じ封筒がそこにあった。
とりあえずそれを鞄にしまうと、一昨日のようにトイレへと向かう。
何だっていうんだ?
2人目からのラブレター? いや、おそらく同一人物からのものだろう。封筒も同じだし。それでも購入した店が同じなら違う人物という事もあり得るが、まあおそらくは同一人物ということなのだろう。
一昨日と同じトイレの個室のドアを開け入る。
心臓が鼓動を早める。それは一昨日よりも早かった。
封筒を鞄から取り出すと、小さくあっ! と声を上げる。シールが違う。前回はピンクのハートのシールだったものが、花びらをあしらったものに変わっていた。
小さな変化だったが、そこに何か意味を感じる。
僕はその封筒を開く。
『リコ君謝らせて。本当にごめんなさい。
まさか私の出した一通の手紙で、あんなにみんなの噂になるなんて思いもしなかったの。
当然だよね。リコ君は人気があるもの。
私なんかが抜け駆けして想いを伝えようなんて、みんながざわついて当たり前だよ。
あと、私が名乗らなかったのもいけなかったのかもしれない。
でも、この手紙でもそれだけはどうしても許して。
ただただ反省しているっていう、それだけを伝えたくて。
ごめんなさい。
これからみんなの視線が厳しくなるかもしれない。好奇の目で見られるかもしれない。それは全て私が引き起こしたもの。いくら謝ってもたりないね。
ごめんなさい。
ああ、ごめんばっかり書いてる、私。
でもどうすればいいのかわからなくて。
本当はちゃんと顔を見て謝らないといけないのに、またこんな手紙なんて、まどろっこしいものを送ることしか思いつかない。
私ダメだね。
ってこんなこと書かれても困っちゃうよね。
ごめん。
また書いてる私。
もうペンを置きます。何を書いてもぐるぐる同じことになりそうだから。
どうか楽しい学園生活を取り戻せますように。
ごめんなさい』