表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/19

12話 大喧嘩

「え?」


 信じられないといった目でミイは私の事を見つめた。

 私の部屋で、ミイとテーブルの前にペタンと座って私たちは話していた。


「反対って言ったの。は・ん・た・い! 私はこの恋は応援できないよ」

「なん・・で?」

「だってリコ君普通の男の子じゃん。私はさ、ミイにはもっとおしゃれとかして、自信持ってもらってさ。それで顔もよくて性格もよくて頼りがいもあって、そんな人と付き合って欲しいんだ」


「何を言ってるの?」

 ミイの目が不可思議なものを見る色に変わる。

「夢があるの。いつか私たち二人とも、お互いに結婚するじゃん? 素敵な旦那さまと家族で海外旅行とか行ってさ、子どももいるの。きっと楽しいよ! 行き先はヨーロッパ系がいいな。ああ楽しみ。とっても」


 そして私は言う。

「だからリコ君じゃなあ・・・ちょっと役不足」


 ミイの表情が変わったが、私は話をやめない。

「そーだなあ。生徒会長のカトウさんみたいな人がいいと思う。どう? いいと思わない? ミイならあのレベルいけるって」


 ミイの肩は震え顔がうつむいていた。その表情は思いつめているように、暗い。

 私はその様子を見ても、夢見がちな表情を浮かべてしゃべり続けていた。

「私も早く素敵な人見つけなきゃって今回の事で思ったんだ。私たちってそっち方面ぜんぜんだったもんね。くだらない男はいくらでも来るくせにさ、これだってのがなかったのよね」


 ミイの手が強く、強く握られている。

「私はそんな感じだけどさ、ミイはそもそも、みんなからちゃんと認められてないからねえ。だからってリコ君はないわー。ぜんぜんミイには釣り合わないよ。見てたら普通の子だってわかるじゃん。だってさ・・・」


その時だった。

「勝手な事言わないで!!!」

 ミイが唐突に叫んだ。


「リコ君はいい子だよ。私はリコ君のいい所をたくさん知ってるもの。ユーコなんて最近までリコ君? 誰? とか言ってたじゃない。何にもわかってない。わかるはずない。リコ君の悪口言わないで」

そして、

「もうユーコと話したくない。金輪際話しかけないで」

 そう言ってミイは部屋を飛び出して行く。


「ミイ・・・??」

 私はそれを呆然と見守ることしかできずにいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ