俺は男に興味のない女を好きになる!
“俺は男に興味のない女を好きになる!”
男に興味がないと言っても女に興味がある訳じゃない。
ただ一人で居る時間が好きな女なのだろう。
好きな男性と一緒に居たいと思わない女。
俺はそんな女を好きになった。
俺は必死に彼女にアピールをしたし、振り向いてもらう為に
彼女が好きそうな物もあげた。
それでも彼女は俺に興味すらないみたいだ!
『あ、あのさ、何処か行きたいところってないの?』
『なんでそんな事を訊くの?』
『俺が先に質問してるんだけど。』
『行きたいところなんてないわ!』
『今度の休み、どっかに行かない?』
『嫌よ! 私は休みの日はする事があるから。』
『俺も一緒にやりたい!』
『ダメよ! 一人でする事だから。』
『“それって何?”』
『なんで答えなくちゃいけないの!』
『だって、気になるじゃん!』
『気になんないわよ! 別に貴方が何処で何をしてても私は気になんないわ!』
『・・・そ、その言い方、』
『傷ついたなら謝るけど! でも私に付き纏わないで!』
『俺はそういうつもりで言ってないんだけどな、』
『とにかく、私をほっておいて!』
『・・・・・・』
・・・彼女に何を言っても俺の事を少しも見てくれない!
俺は気が遠くなった。
どんなに俺が彼女の事が好きでも、彼女は俺にこの先も振り向いてくれない。
そう思うと? 俺は彼女を好きになった事を少し後悔する。
それでもやっぱり俺は彼女が好きだ!
簡単に諦めきれない!
彼女の考え方も性格も俺は好きなんだ!
“この先、俺は彼女と本当に付き合えるのだろうか?”
*
でも? そんな彼女が俺と二人で会いたいと言ってくれた。
俺は今までにないぐらいオシャレをして彼女に会いに行く。
『な、何? その服?』
『えぇ!? デートじゃないの?』
『“違うわよ!”』
『じゃあ、何処に行くの?』
『親戚の叔父さんと会う事になって、“友達のフリでいいの”
協力してくれない?』
『女友達を連れて行けばいいじゃん!』
『叔父さんは、“私に男っ気がないから男友達が見たいのよ!”』
『・・・面倒くさいね。』
『そうでしょ!』
『あぁ! 叔父さんーコッチこっち! 来たわよ!』
『なんか緊張するな。』
『おーう! 久しぶりだな~元気だったか? あぁ! 君がユリの彼氏か?』
『はぁ!? 違うわよ!』
『ユリさんの友達の森田陸です。』
『陸クンか、ユリの事頼むよ。』
『はい!』
『じゃあー取り合えず、うまい飯でも食べ行くか?』
『私、焼き肉がいい!』
『相変わらず、ユリは肉好きなんだな~!』
『陸クンは何が食べたいんだ?』
『僕も焼肉でいいです。』
『そうか、じゃあー焼肉を食べに行くぞ!』
『わーい!』
『・・・・・・』
叔父さんは俺にだけにそっとこう言った。
『ユリの嬉しそうな顔いいだろう!』
『はい。』
俺は叔父さんとは気が合うと思った。
叔父さんは凄く彼女を大事に想っている人なのだろう。
わざわざ彼女に会うために田舎から会いに来たのだから!
『最近、何か楽しかった事はなんだった?』
『ゆうくんがね、私の目を見て“好きって言ってくれたの!”』
『えぇ!?』
『陸クン、アニメのキャラクターだよ!』
『あぁ~そういう事か。』
『アニメのキャラクターでもいいでしょ! 私が好きな彼なんだから!』
『・・・・・・』
『人間の男に興味はないのか?』
『“ない!”』
『一言かよ、』
『陸クンは、いい男じゃないか!』
『ただの友達でしょ!』
『・・・・・・』
『ユリ! 少しは現実を見ろ!』
『もうやめましょう。』
『・・・陸クン、』
『そうよ! もうこの話はやめましょう!』
『・・・・・・』
叔父さんは全部、分かっていてそう言ってくれたんだと思った。
俺の気持ちを知って何気にそう言ってくれた事......。
でも、彼女には伝わらなかった。
それも俺は嬉しかった!
やっと俺の事を理解してくれる人が現れたんだと思ったからだ!
俺はこれからも彼女の事を諦めない!
例え、俺の気持ちが彼女に伝わらなくてもそれでも俺は諦めない!
彼女への好きな気持ちは、他の女性に気持ちが変わることはないからだ。
俺は彼女をどんな事があっても諦めない!
最後までお読みいただきありがとうございます。