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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

わたしはけっきょくだめだった

作者: ウソハチ

まずはじめに、私の体力不足であらすじに書いた展開まで書ききれなかったこと、文字間違いが多発していることをお許しください。でも、ほんとうに、ほんとうに見てほしいんです。どうかお願いします。

 時々、非常に空が青く見える時がある。

隣の芝生が青く見えるとはよく言ったものだけれど。あれだけ高校生活が辛かったのに、いざ卒業してみると、あの頃の生活が羨ましく思えてきてしまう。あれから私は派遣社員、配達の仕事を転々としたが、どの仕事も体も弱く自主性のない私には、はっきり言って合わないところだった。俺が悪いんじゃない、あの環境が悪かったのだと、そうとでも考えたくなってしまう己が憎い。今でも家の窓から高校生が見える度に、あぁ、あの頃勉強しとけばよかったなぁと、思い返してしまう時がある。はっきりいってあまり良くない高校で、校則も厳しく、ろくなことすらできない環境で、周りと話せず勉強もせず、先輩にいびられて毎日を過ごしていた、それでも勉強はできたはずなのに。やればよかったなぁ、あぁやればよかったなぁとパジャマ姿で窓の向こう、高校生を見つめる。時刻は七時半を超えたあたり、下の長さが足りなかったカーテンから、朝の光が見えていたもので、彼は起きたのだ。窓の反対の扉には、母からの手紙が下から差し込まれている。何かがおかしい。この男は仕事をしているはずだ、どんな仕事であれ、仕事をしているはずなのだ。しかし、こんな時間になろうとも、焦ったりしない。そのパジャマには何日も洗っていないらしく、視覚で確認できるほどの悪臭の予感が漂っている。それに仕事をしているはずなのに、母から手紙が添えられているのもおかしい。下から入れられたのだからこの男、扉に鍵を掛けたとも推測できる、なぜなのか。

この男、無職になってしまっていた。

曲がりくねりなんとか進もうとしていた人間としての道筋を今ここで、断ち切ってしまったのだ。これほどどうしようもなく、恐ろしいことが今までにあろうことか。しかし、今はそんなことに驚く時間は設けられていない。もう仕事を辞めて半年も経っている。もうなったことに驚くのは辞めて、大人しくそれを受け入れるしかない。しかしそう割り切れないのはこの男も変わらない。しかし今はだらけていたいらしい、高校生が通っていったのを見たあと、すぐ後ろにあった布団の上にのしかかってだらだらとする。嫌、この男もこの男で考えているのかもしれない。それが身にならないのだから仕方がない。この布団、これもまずい。唾液がほのかについていて、尚且つそれがまた中途半端に日に当たるものだから、すぐわかる悪臭だ。こんなところにいたら男、こうもなろう。悪いことは言わないから、今すぐにでも環境を変えてほしい、先程環境をねだる自分に対して蔑んでいたが、そんな自慰行為している暇はない。とっとと環境を変えるのだ。この声が男に届くのなら、どれほどよかったであろうか。彼はまた、妄想を始めた。高校でもし勉強していたら、どんないいとこに行ったんだろうと。ここまで来ると哀しい妄想だ。その内高校生であることすら面倒になったのか、異世界に行ったらと妄想に妄想を膨らませ始めた。この頃流行りの異世界転生だ。魔法のある社会。魔法で全て決まる、そんな社会。転生したら勿論すぐに這い上がって、ぶいぶいいわせるに違いないと、過剰に興奮するのはその男。しかし魔法のある世界の様式までは想像できなかったのか、建物の見た目が西洋などではなく、結局日本っぽいところがこの男らしい。不妄想にふけて布団に沈み込むうち、空が暗くなっていくことに男、気付く。カーテンからあれだけ朝日が入って来ていたのに、真っ暗なのだ。月明かりも紫がかった夜空でも何もない、本当に暗い空。それに気付いている間に、今度は布団以外全てのものが部屋から消えたことに気がつく。なくなったところには底の見えない黒色が広がっている。男はその内、自体があまり心地の良いものではないことに気付く。布団が沼のようになっていることにも。そこに引きずりこまれていることにも。しかし、動けない。仕事を辞めて体重が増えたから、それもある。しかし、激しい全身の疲労感。それだけだが、どうにも動けない。どうも動けないらしいのだ。動くのは左手だけ、最後に目にうつったのは、とびらにあったははのてがみ、しっかりむきあっていなかった、ははのてがみ。なぜかそれだけのこっていた。せめてこれにすがりつきたいたすかりたい。ははにはなにもしてやらなかったくせに、このおとこはむがむちゅうですがりつく。しかしそれはただの紙、時間の過ぎた、ただの紙。左手が触れたとき、埃が舞ったのを見てしまった。そういえば母からの連絡がない、扉の前の食事もない、もしかして。仕事を辞めて二月程経ったあの日、母は... 男の目に涙が走る。それは母の死に勘づいたからではない、すがりつけなかった悲しみ、これを自分でなんとかしなくてはいけないという悲しみ。男は決してクズではない。一定の倫理は持ち合わせているそのはずだ。しかし男は、前を見失っていた。長いこと見失っていた。半年は社会人にしてみれば、短い月日なのかもしれない。しかしこの男は、中途半端に幼かった、子どもだったのだ。手紙を手にしたまま、男はぐいぐい引きずり込まれていく...




 暗闇を抜け落ちていくと、一面野原の中にいた。周りを見ると、ちらちらと似たような、おどおどした人達をまばらに見かけた。ふと手元が気になって、両手をパーに広げてみる。すると何故か、ほんの少し小さくなっていることがわかる。年相応の上にもう少し太って膨れた腹も収まっているし、肌の血流も良くなっている。懐かしい高校時代、少なくとも今よりか輝いていた、高校一年生、あの時にそっくりだ。今度はもう少し遠くが見てみたくなって、遠くを見渡す。すると遠くに大きめの街があるのを見かけた。よく見ると、あの街、日本に似て...やった!!異世界にこれたんだ!転生したんだ!都合よく考えた。そうやっすい喜びに包まれていると、その街のほうからかなり近くまで何か向かっていた事に気付く。よく見えてくると、それが車にそっくりだということに気付く。後ろには動物でも乗せるのかな、大きめの荷台が引っ張られているけど、そんなことはどうでもいい。車はすぐ前に来た。出てきたのは、スーツをうまく着こなせていない中年くらいの相応の女性、いかにも公務員といった感じの風防だ。胸元にもそれらしき名札がついている。車から降りた彼女は降りるなり、

「あぁ、今回もやっぱりきちゃったんだ」

とつぶやいた。何度かあったとでも言いたいのかと言う間にまた女性はつぶやく。

「はい、それじゃあ整列してこの荷台に乗ってね。」

その荷台に?馬じゃないんだから、勿論嫌に決まっている。それにあの女性の出す妙に嫌らしくて恐ろしくて、心の奥ぞこでここの人たちを見下しているあの感じ、あの感じがどうもいけ好かなくて、正直怖かったのだろう。男はその場から逃げ出そうとした。先駆者もいた。同じことを考えたのだろう。すると突然、先駆者の動きが止まった。どうしたことなのだ。早く逃げろよ、自分は止まっておきながら男は内心思った。するとさっと注に舞ったかと思いきや空中に静止して、締め付けられているような痛々しい声をだした。そして勢いよく荷台へ放り込まれる。先駆者は頭から荷台にぶつかって、明らかに人の曲げ方ではない関節の曲がり方をしていた。女性は言う。

「むやみに抵抗すれば、こうはなるけどこれでいいの、あなたたち。生きたいんでしょう?」

男は悟った。この女には敵いようがないことを。そして素直に従った。荷台へ行く途中、やはりその場からの離脱を図るものもいたのだが、女の目が開いたかと思うと金縛りにあって、今度はもっと見せしめか女の前に火玉がでてきて、止まった者へ勢いよく進んでいった。そして砕け散った。先駆者よりか、もっと恐ろしい死そのものだった。先駆者だけでなく二番目までそうなったものだから、まだ離脱が頭にあった者たちも、完全に目星が尽きたらしい。魔法。そうだろうなと、並ぶ途中、男は思った。前には大人しく従った人たちが順に荷台に乗るのが見えた。男の前に十人ほど、後ろに八人ほど。先に行った者たちはみんな気味悪がって先駆者には近づかず、奇妙な友情か知り合いでもないのにまとまって情報を交換している。その風景を女はノミを見るような目で見ていた。このどうしようもない空気は、高校時代のあの頃に似ていた。こんなことなら異世界になんて着きたくなかった。妄想しなければよかったと。男は思い悩んだ。


中途半端な終わりになってしまい、本当に申し訳ございません。もう体が限界なんです。勢いで書いたばかりに体のあちこちが苦しくなってしまって。でも、必ず最後まで書き上げます。それをお約束します。だから。これを見つけてくださり、そしてこれを読んで頂き、ほんとうに、ほんとうににありがとうございました。

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