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47 封印解除…その前にちょっとイチャイチャ

  昨日まで悩んでいたことが嘘の様に、私の心は晴れ渡っていました。

 セオドア様に私がどれ程大切に思われていたのか、そして私自身も既にセオドア様を愛し始めていたのかを感じることが出来たからです。

 彼を愛していたからこそ、【お飾りの婚約者】と言われることが辛く感じられたし、彼に真実の理解者が出来た時に捨てられるかもしれない等と不安になっていたのでしょう。

 私は自分の気持ちにも、セオドア様の気持ちにも気が付けない愚か者でした。

 そんな私にセオドア様は優しく口づけて下さいました。ああ、思い出すだけで顔が火照ります。


 あの後、セオドア様に部屋まで送っていただきました。

 でも、セオドア様と手を放す時には寂しくて仕方ありませんでした。

 明日の朝にはまた会えるというのに、彼と繋いだ手のぬくもりを手放すことが寂しくていられません。

 私の様子に気づいたセオドア様が「アメリア…嬉しいけれど、手を放してくれないとこのまま私の部屋まで連れて帰ってしまうよ?」と冗談交じりに仰られたので、やっと私は諦めることが出来たのですが。

「あれ?放してしまうの?フフ…残念だな」ともう一度口づけされてお帰りになる姿をつい見つめてしまいました。

 明日になればまた会える…。早くお顔を見たいような…でも会ったら恥ずかしいようなもどかしい気持ちでいっぱいです。

 世の中の恋人たちはこんな自分でも持て余す感情をどうやって抑えているのでしょうか?ぜひお話を伺って参考にしたいものです。


 翌朝、そんな風にソワソワと身支度を終える頃に部屋の扉がノックされました。


「アメリア、おはよう。今日はごきげんいかがかな?」


 お道化たような口調でセオドア様がいらっしゃいました。…ああ、その笑顔が今まで見たことも無いほど輝いて見えます。目の錯覚でしょうか?

 もしかして、これが愛する人だけに見えるという特殊なキラキラ効果なのでしょうか?ああ、セオドア様が眩しい…。


「フフフ…アメリア、今日も可愛いね」


 そう言いながら、セオドア様は私の唇をかすめる様な優しいキスを落とされました‼


「っ⁈ もう‼セオドア様…みんなが…見ていますから…」


 恥ずかしさに俯きながら、オロオロする私を見つめるとセオドア様はご自分の口に手を当てながら上を向かれるとポツリと漏らされました。


「っ…⁈もう、私のアメリアが…可愛すぎて死ぬ…」


 そのまま私の耳元に唇を寄せ私に囁きました。


「アメリアが可愛すぎるから、私も我慢が出来なくなってしまったよ。…だからもう一度口づけしてもいいかい…?」


「ダ、ダメです‼…みんなが見ている前でなんてそんな恥ずかしいこと…‼」


 私が狼狽えるのがそんなに楽しいのでしょうか?

 慌てて、上目遣いで拒否すると「じゃあ、二人っきりの時なら良いんだよね?」と微笑まれました。

 …もう‼本当に腹黒の王子様です…。

 そんな聞き方をされたら…頷かないわけにはいかないではないですか…。


 そんな私たちを精霊たちは「若いな~…いや~お熱いねぇ」とか「そう言うのは二人っきりの時にやってくれないかしら…目のやり場に困るわ」などと冷やかしていました。


 もう!そういうことは、セオドア様に言ってください‼


 私たちのことは一先ず置いておいて、精霊たちは順調に魔法陣の制作を進めていきました。


 今夜はいよいよ新月の晩がやってきます。ついに封印解除のための準備が整いました。

 封印を解除するということは、大きな力が動くという事です。安全の保障はありません。

 そのため、危険が伴う可能性が高いからとの理由で、オリバレス王妃様とリアム様は王宮の奥深くに退避して頂くことになりました。


 リアム様は『アメリアが行くなら僕も一緒にいたい』とごねられましたが、魔力暴走が収まってまだ日も浅いことや、王族が分散しすぎることで王宮警備隊の負担が大きくなることをお話しすると、渋々諦めて下さいました。


「アメリアが危険になったら、セオドアお兄様を盾にして逃げるんだよ?お兄様が死んでも、僕がアメリアをお嫁さんにしてあげるから心配いらないよ。お兄様を絶対に盾にするんだよ―!」などど、可愛らしい冗談を飛ばしてくれたので私も自然とほほ笑むことが出来たと思います。

 自分でも気づかないうちに緊張していた私を和ませてくれるなんて本当に心の優しいリアム王子様です。

 そうセオドア様に伝えたところ「うん、あいつには絶対、心を許しちゃいけないよ?リアムの見た目は天使だけれど心は悪魔だからね…」と言っていましたが、どういう意味なのでしょうか…?


 国王様、精霊達、そしてセオドア様と一緒に王宮の墓地へと向かいました。

 上手くいくのだろうかという不安ばかりが膨らんで、緊張感に震えているとセオドア様がそっと指を絡めて手を握って下さいます。

 その手に伝わる体温の暖かさは私の心の中にあった不安の塊をゆっくりと溶かしてくれました。

 愛する人が傍にいて、いつでも一緒に泣いたり笑ったりできる…。

 それがどれ程尊く、大切なことなのかを知り、私は500年前から封印されたままの精霊の気持ちをやっと理解することができた気がします。

 大切なお兄さんと別離の道を選んでも、それでも諦められなかった恋。

 愛する人と傍にいられる幸せを、今度は英雄によって引き裂かれ、こんなに長い年月閉じ込められた彼女は今、どれ程の悲しみに捕らわれているのか…考えるだけで涙が零れそうになりました。


「早く…精霊を解放してあげたいです…」


 私の気持ちがセオドア様にも伝わったのでしょう。握る手に力が籠められました。


「きっと、助けてみせるさ。どちらの精霊も…ライオスのことも…」


 セオドア様の呟きは私の胸の深い所に響きました。

 そうです、不幸にも英雄に愛する人を奪われ、500年もの間苦しみ続けているライオスのもまた、救われるべき人物なのです。


「きっと…上手くいきますわ…」


 今の私にできることは、成功を信じて祈る事だけでした…。


一応、ヒロインが過去の精霊の想いを感じるための必要イチャイチャのつもりでしたが、書いていてキツイなと…(笑)コメント等いただけたら励みになりますので、感想、評価もよろしくお願いします。

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