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43 封印解放の手立て

「これで全ての四大精霊が揃ったことになるのかな」


 セオドア様が全員の姿を見つめながら言います。


【火の精霊フェニックスのフェイ】、【風の精霊シルフィードのルーフィー】、【土の精霊グノーシスのグース】、そして【水の精霊ウンディーネのティア】四大精霊が一堂に会する姿はとても美しく神々しい…はずでした。


「フェイ、この食べ物はなんだ?すげー美味いな」

「そうだろう?これはスコーンと言ってな、ジャムとか蜂蜜を付けて食べると更に美味くなるんだ」

「ハーブティ美味しいわ~お代わりいただけません?」

「まぁ、エステルったら、私には内緒でこんな素敵なお菓子を食べていたのね?」


 …誰が言っているかはあえて触れませんが、誰も彼も精霊というのは食いしん坊なのでしょうか?すっかりティータイムを楽しんでいます。


「…これから色々な打ち合わせもあることだし、少しは緊張をほぐした方がいいからね。皆さんも一度落ち着いてお茶にしませんか?」


 セオドア様が優しく微笑んでくださるとそんな気もします。

 ピリピリしていた分も、少しはゆっくり休息を取ることも今の私達には必要な時間かもしれません。私はセオドア様の言葉に頷くと彼の隣に腰かけました。


「王宮のお菓子はどれも一流のお菓子職人が作ったものだから美味しいと思うよ」


 たしかにどれも美味しそうです。私も、見ていたらお腹が空いてきました。これではフェイたちのことを笑えませんね。手を伸ばそうとした瞬間、私の手はセオドア様に拘束…もとい握られました。

 これではお菓子が食べられませんが…不服気にセオドア様を見ると一瞬、彼から黒い微笑みが見えた気がしました。


「…ってことで、このクッキーはおススメ! アメリアあーんして?」


 はぁ? …いきなり何を言っているんですかこの王子様は。


 狼狽える私にセオドア様はなおもクッキーを持って迫ってきます。


「ほら、口を開けて?…美味しいから、早くアメリアにも食べてみて欲しいな」


 ニッコリと笑う無邪気な笑顔…いえ、この笑顔に騙されてはいけません。こんな両親も同席している場で『あーん』させるなど本性は腹黒いに決まっています。

 …私を悶え死させる気でしょうか?

 じりじりと迫って来るセオドア様に私が覚悟を決めた瞬間、フェイがクッキーにかぶりつきました。


「本当だ!これ美味いな‼セオドアもっと食べさせてくれー」フェイは目を輝かせます。


「ああ…うん…美味しいでしょ?…あっちにあるから勝手に食べて良いよ」


 フェイ!ああ、さすがは空気を読まない精霊です!セオドア様は戦意喪失されたご様子。…おかげで助かりました。

 セオドア様が気持ちを持ち直す前にお茶会は切り上げたいと思います。


「それで、ティアが言っていた話に戻るけれど…」


 私たちは彼女が言っていた【穢れ】を祓うには四大精霊の力だけでは不十分だという話を詳しく聞くことにしました。

 それによると、100年前に封印された精霊は、その当時のオールヴァンス国王が諸国との戦争で荒れた大地に力を取り戻す目的で精霊の力をこの地に封じ込めた…。

 そのため、四大精霊の力を持ってすれば封印を解放する事は可能だろうということでした。


「…でも、500年前の精霊を封じた事件には人の恋慕が色濃く纏わりついている。だから私達四大精霊の力だけでは【英雄】の執着を断ち切ることは難しいのよ…」ティアは呟きました。


 500年経っても色あせることの無い愛情と憎しみ、そして執着とはどれ程強い想いなのでしょうか。私には想像すら出来ません。


「それではライオスを捕らえて事情を聞くまでは、これ以上私たちに出来ることは無いのかな?

」セオドア様の言葉にティアは首を横に振りました。


「確かに私たちの力だけでは英雄の執着や呪いを解くことは難しいわ。でも、100年前の精霊を封印から解き放てば穢れは薄まる…そうしたら、アメリアの【ホワイトコア】を通じて精霊王様を呼びだすことも可能だと思うの」


ええっ⁈私の【ホワイトコア】ってそんなことまで出来るのですか?


「アメリアの【ホワイトコア】に強く根付いた【世界樹】は今や大樹へと育ったわ。

これで【穢れ】も世界にあふれる生命の魔力も私達精霊の力とすることが出来る…そうすれば、精霊王様をこちらの世界に顕現させることも不可能じゃないわ」


 生き生きとティアが私たちに説明してくれますが、本当にそんなことが可能なのでしょうか?

 私の心配を他所に精霊たちは「なるほどね…」と頷きあいました。


「確かにそれならば、出来るかもしれないな…よし、やってみよう」


 私の意思は置いてきぼりでどうやら方針が決まってしまったみたいです。

 どう頑張ったら良いのか、相変わらず分かりませんが、ひと先ずは100年前に封じられた精霊の封印を解くことになりました。


「方針が決まったなら、もう一度ティータイムにしようか?そうだ、先ほどとは違うお菓子を作ってもらおうね…フフフ」


 セオドア様の提案に四大精霊は「賛成-‼今度はケーキというのも食べてみたい」と大ハシャギです。

 …ああ、もう立ち直られたなんて早すぎます。

 あの笑顔の裏で、彼の暴走は止まることを知りません。今度はどんな辱めを受けるのでしょうか。怖すぎます…。


 セオドア様の妙にウキウキした素振りに戦々恐々とするアメリアだった。


感想を頂きました。…励みになります(涙)これからも頑張りますのでよろしくお願いします。

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