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40 精霊の魂

 ううう…怖い…何でこんなことになったのでしょうか。

 夜更けに墓地訪問をする方の身になって下さい…。

 …先頭に立って平然と歩く国王様が憎いです。


 確かに『精霊の御霊が封印されている場所が知りたい』と言ったのは私です、ええそれは私が悪かったと認めます。

 でも、墓地だと判って行くのでしたら、明日明るくなってから様子を見に行っても良いのではないでしょうか?こんな夜更けに今行く必要ありますか?…私は無いと思います。

 フェイに益々強く抱きつきました。ええ、フェイが役に立たないとしても傍にいれば少しは心強いものですから…。

 王宮の奥深く、私は行ったことの無い廊下をいくつも通り抜けました。

 ああ、ついにメイドどころか、誰ともすれ違わなくなりました。もう帰りたい…。

 人気の無い渡り廊下を抜けると、そこは王宮の裏手にあたる場所でした。

 ぐるりと塀に囲まれ、真っ暗闇に点在する豪奢な墓石がぽつぽつと見えます。…嫌ーっ‼本当に怖いです‼私が涙目でいるうちに国王様が一歩前に出られ、「あそこが英雄の墓だ…」と指さすと、そのまま凍り付いたように動きを止めました。


「ああ…やはりそうだったのか…」ふり絞るような声で国王様が一点を見つめて仰いました。


 セオドア様も、リアム様もそして私も、そこを凝視したまま一歩たりとも動けなくなりました。

 一番北側に位置する豪奢な墓石…他の墓石と違い、唯一石櫃が傍に据えられています。

 その上に一人の女性の姿がぼんやりと浮かんでいました。彼女が人では無いことは精霊の特徴的な外見からも分かりました。…顔を両手で覆っているため表情は見えませんが、彼女が永遠の苦しみに堪えていることも…。


 誰も動けない中で、フェイがスルリと私の腕の中から抜け出しました。

 フェイは夜空に浮かぶ精霊の傍に駆け寄ると、彼女に何事かを話しかけました。

 遅れて、ルーフィーも精霊の魂の傍に飛んでいきました。

 …きっと彼女は封印された精霊の魂なのでしょう。500年もの間、ずっと一人ぼっちでここで泣き続けていたのでしょうか…。


 どのくらい時間が経ったのか、私たちは誰一人身動きできないまま、精霊の魂に見とれていました。それほどに気高く美しい精霊でした。

…これほどの美しさでは、確かに英雄が執着し、恋焦がれたのも無理はないかもしれません。もちろん横恋慕した挙句に、魂を封じるなど悪いことではありますが…。


 フェイとルーフィーの言葉が通じたのか、精霊の魂は泣くのを止めてこちらを見つめました。泣き腫らした瞳には私たちが映っているのでしょうか?

 彼女はしばらくこちらを見つめると、そのまま静かに姿を消しました。

 ずっと精霊の姿が見えている訳では無いとすれば、真夜中に来たことも正解だったのでしょう。

 すごく怖かったですけれど。


「すごい綺麗な精霊だったね…」リアム様が呟くと、セオドア様も同意されます。


 そうですか。…セオドア様も美人がお好きなんですね?きちんと覚えておきますから‼

 でも国王様にまで精霊の魂の姿が見えていたのはどうしてなのでしょうか?フェイとルーフィーの姿は見ることが出来ないのに…?

 そう疑問に思い、戻ってきたフェイに聞くと、「あれは精霊の魂が既にこの地に封印という形で留めおかれているモノだからな。

 既に【穢れ】に近い存在になっているから見えるんだろう」と言われました。


 国王様は私が見えない存在とヒソヒソと話していることに気が付かれたご様子です。     「アメリア嬢、君には私に見えない存在が見えているのかな」と言われ驚きました。

 …隠しておく意味もありませんし、ここに火と風の精霊が存在していること、これはセオドア様とリアム様の魔力暴走の際に生まれたことをお話ししました。


「この国に精霊が存在するとは…どれほど神々しい姿をしているのだろうか」


 国王様はそう仰います。

 …確かにルーフィーは綺麗ですし、先ほどの精霊の魂も美しかった…でも世の中には美しくも神々しくも無い精霊もいるのだと、どう国王様に伝えたら良いのでしょうか…。

 私が困っているのを見てセオドア様がクスクス笑っているのもイラっといたしますが。

 そうして、私たちはもう一度王宮図書館へと移動しました。

 勿論、先ほどフェイとルーフィーが精霊の魂と話した内容を人目の無い所で聞いておくためです。


 そこで、フェイたちから聞いた話は、私たちの予想通りでした。


 精霊の魂があそこに捕らわれてから既に500年の歳月が経っていること、長く土地に縛り付けられたせいで【穢れ】と同化し、離れることが出来ないこと。

 100年前に捕らわれた精霊の魂も同じ場所に封印されているが、まだ封印の力が強く穢れと一体化してしまっていること。

 …そして、ライオスはあの時の若者の生まれ変わりの魂を持っているが、あまりにも強い憎しみと悪意に、精霊が傍に捕らわれていても気が付かない事も知りました。


 …もしも憎しみを捨てていれば二人は出会えたのかもしれないと思うと悲しいです。

 どうにかして、精霊たちを救ってあげることは出来ないのでしょうか?

 今度こそ、愛し合う二人を結ばせてあげたいのです…せめて魂だけでも。

 そう言うと、フェイがニヤリと笑いました。


「そう言うと思った。よし、今度こそお前の父ちゃんと母ちゃんの力を借りるとするかね‼」


 何で私の両親が封印を解く力になるのでしょうか。

 私の顔に最大級の疑問が浮かんでいたのか、フェイは続けてこう言いました。


「お前の父ちゃんに土の精霊を、お前の母ちゃんに水の精霊を誕生させてもらうんだよ。お前の【ホワイトコア】で魔力をドーンと受け止めてな‼」


 えええ⁈私、毎回倒れているんですけれど、またやるんですか?

 しかも2回も⁈


「お前がちょっと倒れた位で500年の呪いが解けるんだぜ?それなのにやらないなんて女が廃るってもんじゃねぇの?」


 フェイはニヤニヤ笑って挑発してきます。その後ろではルーフィーまで頷いて同意します。…分かりましたよ!


「…やればいいんでしょう⁈ やれば‼」…私はその場で絶叫しました。


語彙力の限界で判りにくい説明があるかと思いますが、なにとぞ皆様の理解力をフル動員していただきたいと思います。説明下手ですみません…。

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