35.新生活?
そこからは簡単だった。手順は選挙する人を募集する→自己アピール的なやつをする→投票する→投票結果を捏造する→結果発表→ヨーク国王誕生。ちなみに俺は選挙するに当たって1つだけ危惧していた。それはヨークの投票が少なすぎたらばれる事だ。幸い、ヨークのイケメンな顔が役に立ち投票数はトップ2位だった。1位には申し訳ないが予定通り捏造させてもらった。これで隠居が…
「出来ませんよ?」
ですよねイムさん
「ヨークさんは政治権を今日助さんに握って欲しいそうです。元々、仕事量が多くてやめるのでしたら軍に入り仕事を全てヨークさんに押し付けて政治をすればいいのでは?」
………。その発想は無かった!
「つまり表ではヨークが国王国王して裏では俺が国王国王するって感じ?」
「『国王国王』はよくわかりませんがそうです」
「その理論で行くと俺は隠居出来ない運命なんだが?」
「しなくていいと思いますよ?」
ヒデェェェ…
~国王の即位台と言う名の岩の上~
凄!国民全員が集まってる!俺の時は授賞式の時に即位したかんな
「ヨーク大将とキュウスケ国王がいらっしゃいました!」
今日助な!いいずらいんかな?
「(なぁヨーク?)」
「(なんですか?)」
「(俺の名前を言ってみて)」
「(今日助様でございます)」
だよな。なんで言えないんだろ
「(もしかしてあの司会がなぜマトモに言えないかについて考えてます?)」
「(よくわかったな)」
「(理由は簡単。僕とラシアは2年ほど日本に留学していましたので滑舌がいいのです)」
「(そうゆうこと!ありがとう)」
永遠の謎(だいたい2分)がまた1つ解けたぜ!
「ヨーク様。これから言うことに返事をして下さい。ヨーク大将!貴方はこの国の為に命を掛ける事を誓いますか?」
俺の時はこんな事してないな。進化した?って関係無いや。取り合えずヨークは打ち合わせ通りに『はい』と言う事は分かってる。その後は完全なアドリブ
「いいえ!」
は?
「我はこの国の為に命を掛ける事は出来ません!我はこの今日助様…ご主人に永遠の忠誠を誓っているが故にこの2人の一般人に陥落させられた国になど忠誠を誓えるはずがありません!我はご主人の為に命を掛けます!天秤に掛ければわかります!我が命よりご主人の安全の方が断然と重いです!いくら金を積まれようが!いくら拷問されようが我はご主人の為に戦い!そして散るのです!ご主人の命令とあらば激戦区に喜んで行きましょう!ご主人の命令とあれば喜んで死にましょう!国が滅びるのであれば最優先でご主人を守りましょう!ご主人の為になるのであれば家族や愛人までもを切り落とし!ご主人の為になるのであれば如何なる物も手に入れましょう!ご主人が笑うのであれば友人の様に笑いましょう!ご主人が泣くのであれば元凶を断ち安心させましょう!ご主人が死ぬのであれば一緒に死んでやりましょう!我は全てご主人の為と思いしているのであります!例え国が滅ぼうが!例え我の馬車が襲撃されようが!ご主人が無事であれば我は永遠の幸せを受け取った事になりましょう!この国の人はご主人の事をどう思いでしょう!顔がいい?クタバレ!素敵だと思う?殺すぞ!頭が良さそう?朽ちるがいい!そんな思いでご主人に近寄るのであれば我が一目散に斬りましょう!貴方方にはわかりますか?先の戦争で雷鳴にも等しい音を響かせ軍を滅ぼしたこのお方こそが神なのです!このお方が国王をやめるのはこの国の発展を見守る為です!国民は神を敬うのであれば!このお方を称え!崇め!愛せよ!それほどの価値があるのです!」
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直後、言葉には表せないほどの歓声が聞こえた。ヨーク。長ったらしい演説をありがとう。所々間違ってるが
~3日後~
こうしてこの世界では初となる絶対王制国家が生まれた。どちらかと言えば独裁国家…つまりファシズムなんだけどそれはこの世界にもムッツリ…じゃないムッソリーニみたいな人が現れた時にでも生まれてほしいな。国内状況は上々。てか限界突破中。町を歩けばそこが世界遺産並に厳重保存されるし何かを食えばその食い物が特産品になったりと色々とエグイ。あれ?これ、どちらかと言うと天皇制じゃね?まぁいい。んで俺は町を出歩けないため、日本で言う皇居みたいな所に住まされた(発案ヨーク)ヤバイよ?もう宗教になって来てる。昨日、どっかの国の王子がこの状況を批判して帰ってったけどあの後、暗殺されたからね?兎に角これでスライム狩りは不可能になった
[次回]久しぶりの登場人物紹介




