5.初のスライム
〜宿屋の屋上〜
「すばーらしーいあーさ♪がきたなんちゃーらかんーちゃーらー♪」
「うるさい!眠いのである!」
〜コカネ平原〜
突然だが俺は今、スライムを探している
「キョウスケさん!いっぱいスライムを見つけましょう!」
コイツを連れて。話をしよう。あれは今から3時間前の事だ…
~回想~
「受付さん。クエストを受注したいのですが」
「はい!こちらとなります」
『ホワイライトドラゴン一頭の討伐
何でもいいからスライム50匹の捕獲
羊肉500kgの納品』
「この『何でもいいからスライム50匹の捕獲』をお願いします」
なぜ討伐じゃないか。無いし、捕獲ついでにチョックラ討伐する計画
「わかりました。少々お待ちください…」
「なぁなぁ今日助。吾輩、スライム嫌なんだが?」
「なんで?」
「だってスライムはだげ…」
「おーい!そこの人!」
「ん?俺か?」
はいどちら様?俺に話を掛けてくるとはよくはない度胸だな。余談だが俺は高校1年の時に話し相手がいなかったのでコイントスをしてたら上に打ち上げるはずが直線状に飛んでいって先生に当たった事がある。幸い口の中を通過して4日後には大として出て来たから大事には至らんかった。んで、どちら様?
「スライムの捕獲ですよね?クエスト、同行させてくれますか?」
推定だが身長150cm、の銀髪。推定年齢15くらいかな?合ってたらギリギリストライクゾーン………ってロリコンじゃねーよ!
「もーちろんさー」
即答ですよ。むしろ大歓迎。妖刀さんは『はぁ…』ため息ついてるけどな。何が『はぁ…』なんだろうね
「俺は今日助だ」
「あ!私はそのクエストの依頼者のヴェルサントラ・スラ・イムです!」
スゲー名前ぇ…
「って依頼者?」
「私、スライム愛好家兼スライム研究家兼スライム愛好会主催者をしてるんです」
どんだけスライム好きなんだよ!
「今回は『スライムで兵器を作れるか!』の実験中だったんですけど…」
「物騒過ぎるわ!!!」
ツイツイね。ツッコンでしまったね
「すいません。このクエストを依頼したのも途中でスライムが足りなくなったからなんです」
受注キャンセルしよっかな…
「ちなみにどんな兵器の開発をしていたの?」
「うわ!刀がしゃべた!
」
一瞬、どこぞの有名なバーガーのCMかよって思っ…って、ん?
「なんでお前この剣種を知ってんの?」
この世界の人は知らないはずだが…。前に武器屋行って刀あるか聞いたら『刀?何それ美味しいの?』って言われた。ちなみにその後に『某2航戦空母ですか?』って聞いたら『そんな武器もないかな~』って言われた。そもそも工法がないみたいだったのと艦は武器じゃねぇー
「逆に貴方がなんでその剣の剣種が刀ってわかるんですか!?」
質問してんのは俺なんだが…まぁいや。質問を質問で返す………クククッ
「信じて貰えないと思うけど。笑うなよ?笑ったら刺すからな?笑うなよ?実は俺、転生者なんだ」
ん?あれ?案外普通の顔してる
「貴方もですか。私も転生者なのですよ?」
「お前もか…ちなみに死因は?」
「ヘリに付いてるローターに巻き込まれてミンチに成りました」
グロ!あ!ローターってのヘリの上に付いてるプロペラみたいなやつの事ね。極稀にヘリの後ろ側の縦に付いてるプロペラもローターって言う場合もある
「今日助さんは?」
「寝てる時にチャイロスズメバチに刺されてアナフィラキシーショックを起こして死にました。んで兵器ってどんなやつを作ってたの」
「銃です」
え?
ごめん。何言ってんのかわかんない
「銃です」
「銃なんて作れんのか!?」
「はい。それもスライム対応のやつが出来ます」
実用性の塊じゃん!
「スライムは本来、遠距離武器は効かないのですがスライムの魔力を使用して作った銃弾ならスライムを倒せると思いまして」
凄く欲しい!いや、ほとんど需要はないが欲しい
「ぜひ手伝わせてくれ!!」
「そう言ってくれて感謝します♪」
~回想終了~
てなことがあった。ラミウリさんは、『スライムを5000兆匹、狩って欲しい』だからその魔力は使っていいよね。捕獲は狩るに入らない?モ◯ハン基準だと入るからセーフ
「そういえば聞きそびれましたけど、今日助さんの職業とスキルって教えてくれますか?」
職業とスキルだけならいいかな
「スキルは剣術と魔抗で職業は魔抗師をしてるぞ」
「魔抗師!?凄いですね!これで作業が短縮出来ますから…いや…どうしましょう……いっか……今日助さん!パーティ組みませんか?」
「お、おう。いいぞ」
突然過ぎるでしょ。主に反応が…言うか反応。そう考えていると妖刀さんが小さな声で理由を教えてくれた
(魔抗師は早めに確保しといた方が良いのよ?)
(え?なんで?)
(魔抗師は魔法のみならず魔物の魔力までもを吸い尽くすことが出来るのよ。一応魔法と違って条件があるのだけどその条件は『自分より魔力が低い魔物』。あんたは500だから非対応のは基本、中型のドラゴンくらいよ)
マジか…。引くわぁ〜
「今日助さんは魔力ドンくらいですか?」
正直に答えちゃダメなパターンだ。今までの経験が元
「えっと…ご、50くらいかな…」
「スライムをギリ吸い尽くせる量ですね。今日助さんの魔法レベルは1ですか」
「そうだよ(便乗)」
「あえてツッこまないであげます。んで1だと『対魔法術式』だけですね。ちなみに魔物の魔力を吸うには対魔法術式を魔物に向かって使用するだけです。レベル2に成ったら『排出』を使用することが可能と成りますよ。頑張って下さい!」
ア、ハイ
「お前、便利だな」
~30分後~
「今日助さん!茂みにスライム!×5匹がいます!」
うっわ!この世界のスライムって丸いボールじゃん!
「OK!よぉし!行くぞ!『対魔法術式』!」
そう叫ぶと目の前に変なカーソルが出てきた。あ!文字が書いてある。え~と何々…『範囲設定1~50m』だって。以外と広いな…。他には…何々…『対象モンスター(別種複数可)とその数』だって…使ってみるか
『範囲5m 対象モンスタースライム5匹』
「えっと…」
「「発動だぞ」です今日助さん」
一斉に言うなよ。聞きにくい
「あ、ありがとう。発動!」
その瞬間、丸いスライム5匹は水と成った。これ無詠唱出来ないん?
「今日助お見事です!レベル、いくつ上がりました?」
「1から6」
上がり過ぎだろ。ゲームだとクソゲーだぞ
「おめでとうございます!さっ!帰りましょう!」
「そういえばギルドにいるときに言えなかったのだけれどスライムはほとんど何でも溶かすのよ?しかも打撃も効かないし」
「危ねーな!一方的な中距離戦で本当によかったよ」
その後、捕獲をしっかりとやって宿屋に戻った。ちなみに俺が魔抗師だと言う事が発覚した事により本来はスライム用に銃を作るはずが護身用になった
スライム狩り終了まで残り4兆9999億9999万9995匹
今更ですが『好きに拡散をどーぞ』です。あと残りとか書いてますがこれからはスライムを狩る機会がもうないと思うのでこれが実質最後のスライム狩りです