17.すっごい迷惑
国王会議の結果この国を繁栄させるためいらない店を潰すことになった。例えば貴族専門店とか理不尽な理由で家賃を上げる不動産とか接客の口が悪いとかだいたいそんな店を徹底的に潰す。やる人?俺とイムだよ。他の人はやりたがらないから俺達がやることになった。国王のお仕事?まだない。まだ。ていうか一般人の俺が国王になって仕事をするつてほとんど奇跡等しいな。奇跡を信じてないけどな!取り合えず今は暇な訳なのだよ。営業側からしたらすっごい迷惑なんだろうな。俺だったら気づいた瞬間『帰れ!!!』つて言うわ。ノルマは5軒でいいよね。いやなんのノルマだよ!あとやるときはフード付きマントを着けないと。俺、一応国王だからばれたら大惨事
一軒目
「いらっしゃいませ」
普通の喫茶店。パットみ普通。店員は暗め。席は少し少ないかな?リア充の数は0ここまではいい店だ。カウンターをよく観察したいからカウンターが一番よく見える奥の席に座る。奥なのに見える。調査にはもってこいだな
「注文は何にされますか?」
そっか…喫茶店なんだから頼まなきゃなのか…こりゃ出費がヤバくなりそうな予感。帝国会計士さん乙
「牛串5本と水で」
気づかれないよう声を低くして言う
「了解しました。確認します。牛串5本と水でよろしいですね?」
「はい」
答えると小走りで厨房へと向かった。合格かな?第1段階では合格判定。次、第2段階。ポケットからトランシーバーモドキを取り出す
「こちらK。トラトラトラ。繰り返すトラトラトラ」
「了解。我、第2次攻撃を開始す」
トラトラトラは第2次世界大戦時、日本が真珠湾、正式名称パールハーバーに奇襲したときに使用した暗号で意味は『我、奇襲に成功せり』。反対の意味を持つ暗号がネコネコネコで『我、奇襲に失敗せり』だったはず。意味は正しくないと思うけど反対はネコネコネコ。んで今回イム宛に使った理由はある意味奇襲だからだ。国王がアポ無しで喫茶店にいるんだよ?奇襲じゃん。てなわけで第2次攻撃の内容はイムを使う。って当たり前か。作戦はこう。イムは侯爵なため当然みんな顔を知っている。つまり貴族なのだ。イムが来たときも態度を変えなければ合格。変えたら失格だ。失格の場合は潰して合格の場合は今回、新しく作った公式マークを看板に付けてもらう。これが付いてると国からイザと言うときに援助金を貰える。勿論、事前調査をクリアすればの話
「いらっしゃいませ」
来た。確認!味方のイムを発見!目を合わせる。イムと目が合う。ヤバイ!頭の中にあの歌が!とそんな事は置いといて目を合わせるのもちゃんとした合図。第1段階合格の合図だ。お!ウェイター来た!では俺は盗み聞きでもしてますか
「注文は何にされますか?」
「ステーキと水をお願い。あと食べ終わったら店長を呼んで」
「了解しました。確認します。ステーキと水でよろしいですね?」
「えぇ」
アイツお嬢様っぽいな。ってお嬢様か
「あとすいません。店長は呼べません」
「なぜ?」
「店長は私ですから。あと何かある場合は会計まで来て下さい」
お前が店長かよ!と、マジか!合格だ!完璧だ!
トランシーバーのマイクを3回爪でつつく。合格の合図だ
「あのすみません。ステーキと水はやっぱり無しで。あとお話があります。誰もいないところへ行きましょう。K!行きますよ!」
「はいはーい」
今日助と呼ばないのは…まぁ考えれば分かるよね。国王の名前を公共の場で叫んだら大変だもんね
~喫茶店の厨房~
「なんでしょうか?」
「まず謝らせて下さい。予定も合わせずにきてすみません」
「いえいえ。こちらこそ来てくれて光栄です。あとこちらの方は?」
俺か
「アカワラ帝国国王タハタだ。よろしく」
フードを取ると
「え?え!?えーーーー!!!」
うるせ!
「お、落ち着いて下さい」
「す、すみません。国王が来てくれて本当に嬉しいです!」
「静かに!ばれたら面倒なの!」
「あ、すみません。私はタハタ国王になってからずっと会ってみたかったのです」
そんなに会いたかったのか…
「タハタ国王は格好よくて面倒なスライム狩りを元はしていたとか!しかも国王になるときにスライムが狩れなくなるからって理由で拒否したり兎に角すっごい憧れてたのです!」
顔かよ!とイムはきっとこう思っているであろう『すっごい迷惑』って
「本題に入るぞ。先日の国王会議でこの国を繁栄させるためにいらない店を潰そうと言う計画が立ってその最初の店がここなんですよ」
「どうでしたか?結果は」
「合格。貴族の言いなりになってなかったからな。てなわけで今度新しい看板が届くからそれを使ってね。それじゃ」
「はい!ありがとうございました」
検証終了!幸先がよくて良かった
「あの人、店長だったのですね」
「あぁ驚いた」
[次回]18.L96の代わり
少し長いですね。普通ですかそうですかそうですか




