67.何コイツ……
「タハタ様!私は何も悪くはありません!悪いのは私が送った兵士共です!」
出会ってそうそう言い訳かよ……
「いやアンタには責任あるだろ」
「いいえ!断じて有り得ません!私の指揮は完璧でした!なのに兵士共は私の言う事を聞かず、独断で動いたが故に陥落したのです!」
本当か?嘘っぽいな。まぁ……少なくともこれが嘘だとしたら金銭的な責任と国家反逆罪で提訴するけど
「いいえ!タハタ様!この男……ノストゥリアスは最初から陥落する最後まで兵士達に暴言を吐いておりました!」
俺もそう思う。暴言は想定外だが。って言うか任命する時に『私は権力に溺れはしません』って言ってたらしいねコイツ。旧アカワラ時代では横領罪が疑われてたらしいし。信じらんねぇ……
「いいえ!私は……」
「ノストゥリアス」
「……!は、はい!」
「アンタを国家反逆罪で提訴する」
「「え?」」
片方は喜び混じり、片方は絶望混じりの『え?』は初めて聞いたよ
「アンタは指揮したのに言う事を聞かなかったと言ったな」
「は、はい」
「有り得ないんだよ。何たって俺達の入院は表沙汰にはされてないから兵士達は俺かヨークの命令をアンタが代わりに伝えてると思う。いや。思ったんだよ。とするとこれは嘘。万が一本当でも責任を隠蔽しようとしたから国家反逆罪だな。っと言う訳だ。そこの君」
「は、はい!」
「さっきはありがとう。嫌かも知れんがソイツの首を切り捨ててくれないか?」
「は、はい!」
「んじゃ。後は頼んだ」
「わ、わかりました!」
「ご主人」
「んあ?」
「ハッタリですよね?我々の入院が表沙汰になってない事は」
「バレたか……。ああ。ハッタリだよ。指令部は現場じゃないから証拠無いし?信憑性的にはノストゥリアスの方が高かったから取り合えず偽装した」
「サラッと偽装しますね。まぁいいですが」
偽装ほどハラハラするもんは無さそう。昔話だが中一の頃に筆箱を男子に取られたから先生に殴られたと言って倍返しにしてた。先生って安直で被害者側に味方するから即勝てた。どうでもいいが
「それよりも敵兵を全滅させてきて」
「了解しました。それと各軍の代表をお呼びしましたので会議を開いといて下さい」
「うん。あ。それと交通科に協力を要請して航空機用の機関砲を荷台に載せろ。ヨークはタチャンカでも歌いながら敵兵を全滅しといて」
「了解。いって参ります」
「おう」
タチャンカ……珍へ(




