62.日本では…
~とある病院の病室~
「う…………ん………」
「×××さん!?××様!××様!娘さんがお目覚めになられました!」
うるさい………
それはつい一昨日の事、私…イムは目覚めた(らしい)あの後、すぐに二度寝をしたのでわかりませんが。ママ曰く二年間寝てたそうだ。更に頭がミキサーになった訳ではなく側頭部をローターがカスッただけらしい。けど、大量出血で目が覚めたら奇跡だったらしい。これは今日助さんのお陰かな?何てね。話を戻すと、ある問題も出来た。自分の名字を含む名前が聞こえないし見えない。見えや聞こえはするのだが文字は黒く塗りつぶされているように、音は雑音…所謂ノイズ音に変わる。一応、あだ名なら聞き取れるが役にはたたないだろう。ともあれ多分今日助さんのお陰で現代復帰を果たした。ちなみに私は死んだ当初が高校の入学が決まった年…中三と高一の間だったので受験は逃してないし理事長や校長が優しかったので高二からのスタートだ。退院は明日。と言うのもなぜか歩ける。医者も驚いてたが理由を訪ねてみると『知らない』と言われた。なので退院は明日でいいと宣言された。そして退院して先程、家に着いた訳なんだが…
「デッカ」
そう。デカイ。家ってこんなにデカかったっけ?そもそも、こんな土地が広かったっけ?
「そりゃそうよ。お父さんが『いつでも×××が帰ってこれるように仕事を頑張るぞ』って言って気付いたら社長になってたもの。家も広くなったわ」
相変わらず名前が聞き取れないが、これだけは分かる。家のお父さんは仕事馬鹿
「いやぁ~本当に不思議だなぁ~」
「何したの。そもそも職業なんだっけ?」
「パーツを作る会社。外回りや社内の呼び掛けをやってたら大手企業に気に入られて今では日本有数の大企業さ」
本当に何したのこの人
「それよりも明日から学校へ行くんだから自己紹介とか考えとけば?」
「うん」
自己紹介ねぇ。『こんにちは』でいい気がする。それよりも今日助さん達と仕事したい。また軍事大国で海軍へ行きたい。アカワラが恋しい等と考えてると気付いたら夜だ。時の流れって早い。夜ご飯は食べる気力がないので寝る
翌日、青のスカートに灰色のベストの制服を着て学校へスマホを見ながら向かう。いやぁ~スマホっていいね。流石アイポン10!使いにくい!ホームボタンは?ホームボタンはどこへ行ったの!?ねぇ!?ホームボタンがないせいでホームに戻りにくい。ホームボタンは有能
「ねぇ君」
この声は男子。太いから今日助さんではない
「はい?」
と言い、振り向く。短い黒い髪のやはり男子。顔は今日助さんの方が格好いい
「うちの学校だよね?スカートの色から見て二学年でしょ?」
「キモッ」(そうですよ)
心の声と声が逆!
「酷!まぁいいや。俺は堀井 相よろしく」
「よ、よろしく」
陽キャ。無理。苦手。絶対
「ところで見ない顔だけど転校生?」
「いえ。本来なら去年に入学する予定が事情により遅れたんです」
「へぇ~。話は変わるけど彼氏いる?」
「すいませんお断りします」
「酷!」




