52.これでぇ!おっわっりっだー!!!(最終回ではございません)
随分と紛らわしいサブタイトルだこと…
第2回戦が終わった後、俺達は宿屋で話し合いをしていた
「お前も何か言われたんか」
「えぇ。僕の場合は『人間は死を恐れない』だとかでしたよ」
「俺は『吸血鬼は死を恐れる』とかだったような…。けど俺は死は恐いぞ?」
「それなら僕こそ死は恐くはありません」
そして2分間の静止が続いた。その後、2人はある事を思い付いた
「「逆?」」
「ご主人って本当に人間種ですか?」
「当たり前だろ。逆にヨークは本当に吸血鬼?」
「吸血鬼ですけど…」
もう埒があかねぇ…
「って言うか!そもそも最後の進化って『死』じゃん!」
「よくよく考えれば『死』や『滅亡』、『崩壊』ですね」
「他に何か最後の進化を表すものはあるか?」
「え~と…あ!不老不死はいかがでしょうか?」
「それ不老は進化じゃなくて退化じゃね?不死に関しては進化だと思うけど…」
「「う~ん…」」
もはや何も思い付かん。これは詰みかな…
「そもそもこのクエストでは賞品として奪われた大切な物を取り返すんですよね?なら何位の賞品なんでしょうか?」
「あ」
確かにそうだ。教官らしき人物が2位3位も存在する事を言ってた。なら当然、2位3位にも賞品が存在するはずだ
「もしかしたら最初から大切な物なんね無かった?」
「それではクエストが成立しないじゃないですか」
だよなぁ~
「そもそもなぜヨーク宛に俺への内容が入ってた?俺だけなら俺宛に送った方がいいだろ?」
「いえ。ご主人は国王であり…」
「今の国王はヨークだよ?」
「そうでした…」
「訳がわからない事になって来たな」
ここで疑問点をまとめよう
・なぜヨーク宛に俺への内容があったのか
・なぜヨーク宛にしたのか
・なぜ俺には吸血鬼を、ヨークには人間の話をしたのか
・そもそも賞品は大切な物なのか?
・アイツらは何者なのか?
「さっぱりわからん…」
「もしかして会話の一部の動詞と単語を繋げた言葉ではなく詩を読んだのなら?」
「心当たりは?」
「残念ながら…」
そうか…。あったらトックに分かってるよな
「もしかしたら本当に最後の進化は不老不死かもな」
「方法がありませんよ?不老不死はこの世界でも実証された事のない代物ですから」
「取り合えず今日は寝て、明日の大会に備えるか」
「そうですね」
それから俺とヨークは順調に戦い抜き、とうとう決勝戦まで来た。幸いヨークとはこれまで当たらなかったので決勝戦で当たる=俺の優勝を表す事になる
「ヨーク。意味は分かったか?」
「いえ。サッパリ理解出来ませんでした」
「しばらくはお喋りをしたいんだが、観客全員が見てるからな~」
「ならあの時みたいに本気で殺り合いますか?」
もうあれトラウマなんだが…
「実は僕、塩昆布の作り方を知ってるんですよね~」
「!?」
聞き捨てならん事を聞いたぞ
「勝ったら作りましょう。ただし、負けたら僕とお散歩をして貰います。勿論、アカワラで」
変な噂が立つな。嫌だけど塩昆布が掛かってる
「よし!殺ろう!」
「では今から僕がypaaaと叫ぶのでypaaaのyが聞こえたら戦闘開始でどうでしょうか?」
「そこは普通321じゃないのか?」
「守る気ないですよね?」
「な、何を言ってるのかな~」
守る気なんてない事が見破られたか
「では行きますy…」
バアァァァンンン!!!
よし。死んだな
「最後まで言わせてくれません?」
「は!?」
ヨークは今、体の中心部から左腕に掛けて大穴が空いている。そこはいい。しかし、その穴に灰色の粉が吸い込まれる様に入っていってる
「これは灰です。さっきの攻撃で負傷した時の肉片が灰となってその部位に入り、また肉となります」
何それ。吸血鬼はどれもこうなのか…
「ただ、これは僕の能力により回復するだけで実際は心臓ごと消えて死にます」
あ~~~。そう言う事。今更だけど銀弾じゃないから勝ち目がないって事に気が付いた
「実質、『不死身』のこの体を人々は欲しがるんですよね。『アイスロード』」
(待って。アイツ然り気無く魔法を使ったぞ。アイスロードって事は氷の王様?いや、吸血鬼は召喚魔法は使えないから文字通り氷の道か)
どうやら俺の予想は当たったらしくフィールドの床が凍り付いただけならよかったが、なんと雪が降ってきたのだ。つまり、この魔法は自然に干渉する魔法って事だ。自然に干渉する魔法の平均魔力消費量は1000。ヨークは普通に使ったのでヨークは1500を越えてる事になる。ただ、それよりも…
「寒!」
ガチで寒い。例えるなら北海道の真冬やシベリア
「この寒さが心地好いですね」
「お前の出身地はシベリアか!」
「はい。そうですが…」
そーなーのかー
「この不死身の能力で勝てますか?降参しても宜しいんですよ?」
やだ!って不死身の能力?確か、俺に言われたのは吸血鬼が死を克服だか乗り越えるだかで最後の進化を迎えるって事は…
「ヨーク!わかった!」
「え?何がですか?」
「これ、最後の進化もヒントと考えればヨークは『死を迎える時にその死を克服すればいい』んだよ!」
「ではご主人の方は?」
「逆に俺は『死を迎える時に死を受け入れればいい』んだよ!俺が死を恐がろうと無かろうと、この結果になる事がアイツらは分かってたかも知れない」
「つまり、あの人達の回りには予言者が、それも最上位の神官もが従える者が後ろにいる事になりますね」
「んで。どうする?大人しく死をやめる?それとも実行する?」
「実行しましょう。しかし、僕はどうやろうと死ねないので…」
「いや。1つだけならある」
「それは?」
「お前は俺を主と誓ったって事はその瞬間にある種の呪いに掛かってる可能性があると思う。なんせお前が誓ったのは吸血鬼の誓いだからな」
「確かに呪い等はありますがそれは死に至るものではなく、無理な命令を実行できるようにする呪いです」
そう。だから…
「そう。だから俺はヨークに命令する。今から俺はお前を撃つ。お前は1度死を体験し、また戻ってこい」
そう。つまり、俺はヨークを殺せる様にしたのだ。呪いの類いであれば能力にも干渉が出来るはず
「了解致しました。ご主人の為とあらば!死を迎え!帰ってきてみせましょう!」
「また後で」
俺はヨークの頭に銃をくっ付けた
「はい」
バアァァァンンン!!!
放たれた特殊弾は外気に触れる事なくヨークの脳に刺さり、信官が作動し子弾が撒き散らされヨークの頭は消しとんだ。そして俺も自殺するかの様に頭に銃をくっ付け、トリガーを引いた
とても黒い部屋…ってどこかで見た事がある部屋だな~
「久しぶりね」
「また会ったね。ラミウリさん」
気まずい…
「確か、あの詩を真に受けてまたここへ来たのね」
「あの詩?」
「吸血鬼がどうたらこうたら。人間がどうたらこうたらってのは昔、死刑で処刑されたウィラって人が作った詩よ」
そーなーのかー
「それで?俺の予想は?」
「えぇ。正しかったわよ。これで貴方は人間ではなく殺血人と言う類に成ったわよ。ヨークとか言うイケメン君は吸血鬼から血獣鬼に成ったわ。具体的に何が違いは殺血人は人を殺す事により出てくる魂を血へと溶かして飲む事で永遠の命と永遠の若さを保てる種族ね。吸血鬼との違いは食料を食べる事で人間と同じ様に生きれる事。血獣鬼は血を飲んだ生物の特徴を形態として変化可能で第1形態はさっきの説明のやつ。んで第2形態は獣狩り特化で獣系の魔物は基本的に殺せるね。第3形態は全生物特化ね。ちなみに形態移行するのみ主の魔力が1000ずつ消費されるけど貴方なら気にしなくていいわね」
「説明ありがと。んじゃあそろそろ」
「はい。あとスライムの件なんだけど、旦那に怒られちゃったから無しでいいわよ」
お!マジで!?
「んじゃあ。また今度ね。ばいばーい」
は!目の前に太陽の光…って
「目が~目が~」
今回はクソが付くほど長くしてました。はい。疲れました。しかし!確認したらこれが平均だったのでこれからはこれで行きます。お休みなさい




