ダンジョンの説明
どうも、新任ダンジョンマスターの風間雷です。
この世界召喚されてから今日でちょうど三日目となりました。
さて、一通りダンジョンが完成したのでその様子についてお伝えしよう。
まず、ダンジョンマスターである俺は、自在に階層を転移することができ(普通ダンジョン内で転移は神クラスの力でない限り出来ない)、ダンジョン内では魔物に襲われる事はない。俺の言う事も理解して従ってくれる。
もし、そうでないとしたら自分の生み出した魔物に襲われるとか間抜けすぎる。知能の低い魔物はほとんどが喋れないのだが、高位の魔物とかは喋ったりもする。ちなみに最初は知能が低くても進化して知能が上がるなどということがあるらしい。
現在俺のダンジョン全ての階層は十階構成。
序盤にはぶっちゃけ超適当にスライム&ゴブリンを配置。何故この二種類を選んだかというと、燃費が一番良かったからである。
レベルも全員10とそこまで強くなく、普通に攻略が可能だ。
それが四階層まで続くが、五階層からはゴブリンとスライムのレベルを20と少し難しくする。
そして六階層への階段の前に、一体のボス的モンスターを配置。
それはゴブリン・コマンダー&コマンダー・スライムだ。
DPをかなり消費しただけあり、普通の冒険者ならば苦戦を強いられるだろう。攻略推奨レベルは、パーティで来たならば50といったところだ。
ちなみに罠は、最下級のものではなく、その一つ上の下級の罠を仕込んでみたので、経験豊富なメンバーか、斥候のような人物がいなければ見破るのは難しいだろう。かかった侵入者の顔を見るのが楽しみだ。
まあそこから先は何も配置していない。
まだ決まってないからな。
そして俺はというと、ダンジョンの最下層、マイホームとして建てた部屋で今現在快適に過ごしている。
なぜこんなダンジョンで家を建てれたのかというとそこはやはりDPのお陰である。
俺はDPカタログにあった家の数々を見て、悩んだ。
どれを俺の家にしようかな、と。
最終的には三つに絞ったところで痺れを切らしたらしい玲奈が決めた。
DPのことや人数のこともあり、そこまで豪華ではないがきちんとした一軒家を建てることが出来た。
正直俺としては、今まで住んでいた家賃二万のボロアパートに比べればどこも豪華だ。
結果我がマイホームは近くに温泉がある1LDKのログハウスになった。
ここでマイホームのある最下層について紹介しよう。
まずマイホームがある最下層にはDPで購入した疑似太陽が天井間際に浮いている。
この疑似太陽はこの階層全体を照らしていて、夜になると月のようになる。
他には先ほど説明したログハウス、それと温泉だ。
ログハウスの中身は寝室とリビング、後はトイレ(DPでお取り寄せした水洗の洋式トイレ)がある。
リビングには椅子が二脚と机、それにカーペットが敷いてあり、他にはソファとテレビが置いてある。そのテレビはテレビゲームをやる他に日本のアニメなどを見れる機能と、侵入者の様子をモニターする機能がある。
寝室には二つの大きなベットが置いてあるがまだ使ったことはない。
なぜならマイホームに取り掛かるのは最後だったせいで、今までは何もないところで寝袋で寝るという質素な日々をおくっていたからだ。
ちなみにマイホームが完成したのは一時間前だったりする。
本当は2LDKにして、寝室を別々にしても良かったのだが、玲奈が「DPが勿体ないわよ。……それにこっちの方が都合がいいし」と言っていた。後半部分は何を言っているのか聞こえなかったがなぜか寒気がした。
そして温泉はログハウスのすぐ側にあり、温泉には脱衣所があり、温泉の周りには壁が立ち並んでいる。
そしてこの温泉、男湯女湯の区別がない。
最初は作ろうとしたのだが、玲奈が「DPが勿体ないわよ。入る時間帯をきっちりしていれば問題ないでしょ」と言っていたのでこれになった。
俺は今、リビングにて玲奈とオレンジジュースを飲みながらチェスをしている。(チェスは10DPで買えた)
ひとまず完成したので出来たログハウスの中で休憩中というわけだ。
作るまでは大変だったが出来てしまえば快適快適。
本当はこんなにマスターを快適にする機能はないのだがそこはエフィドスの粋な計らい。
マジでエフィドスありがとう。
俺がエフィドスに脳内で感謝していると玲奈から声がかかる。
「うー、降参するわ」
「早いな」
「このまま続けても勝てないもの。……それにしても私が三連敗するなんて」
「まあまあ、それじゃあそろそろ終わりにするか」
「そうね、次こそ勝って見せるから」
「そうかい」
俺と玲奈はそう言ってチェス盤と駒を片付け始める。
すると一つの面白そうな報せが届く。
「玲奈」
「何よ?」
「侵入者が来たぜ」
「本当!?」
玲奈は嬉しそうな表情を浮かべる。
ついに記念すべき一組目の侵入者なのだ。
「早くテレビに繋いで」
「分かってるって」
俺はテレビのスイッチを入れ、ダンジョンマスターの力を使い侵入者を映し出す。
侵入者は男一人、女二人のいかにも駆け出しっぽい冒険者だ。
「さて、どこまで行けるかな」
ダンジョンの試運転としてこの三人には色々とダンジョンのテストのお手伝いをしてもらおう。