第三十三話 極寒の空と鷲の爪
お久し振りでっっっす!まずは謝罪から。
仕事がとんでもなく忙しく執筆が出来ませんでした………。申し訳ありませんでした。
今後も超鈍亀更新になると思いますがよろしくお願いします。
「ムライ・ヨシヒサ、賊の撃退よくやった。さて、褒美の続きだが……この状態では続けることは出来んな」
アンデットの死体と肉片、弾痕、薬莢で滅茶苦茶になった謁見の間を見渡して皇帝は苦笑しながら遅れてやってきたカリディナス教の神官に飛び散り、塵とならなかったアンデットの肉片を浄化魔法で浄化するように指示を出す。
「聖なる力よ穢れし者を浄化せよ――極炎」
神官がそう唱えると蒼い炎が神官の手から飛びだし、肉片は塵となって消えて行く。不思議と肉の焼ける臭いはなかった。
結局、謁見は中止となりヨシヒサ達は一旦別の宿へ行き城からの連絡を待つことになった。
「やれやれ……こうも面倒なことになるとは……」
全く、人の都合ぐらい考えて欲しいもんだよ。
「仕方がありませんよヨシヒサ。魔族の空気の読まなさはいつものことです」
ため息をつきながらミスロカネアーマーを脱ぎコンバットシャツ姿になる。
「しかしまぁ、特に隠すこともなく銃とか使用したけど何も聞いてこないあたり既にバレてたりすんのかね」
軍の諜報部辺りから伝わったのかもしれない。もっとも、厄介なことになったら戦略核だろうが広域殲滅魔法だろうがなんでも駆使して逃げてやりますがね。
「たぶんそうでしょうね。まぁ、連絡が来るまで待ちましょう」
そんなこんなで二日が過ぎ、ようやく城から使者がやってきた。大量の金貨ととんでもない依頼を携えて。
「まじでないわー……本当にないわー」
ヨシヒサはナイフの刃先を左手でいじくりながら机に倒れこむ。
「予想通りといえば予想通りね」
城から来た使者が携えてきた依頼とは、帝国の北部にある山岳地帯にいるという魔獣化したドラゴンの討伐だった。通常ギルドにこの類の依頼が来るとランクBからAクラス、場合のよってはSランクの冒険者たちが招集され莫大な褒賞金と共に連合が編成される。
今回のような魔獣化したドラゴンのように難易度が非常に高い依頼の場合、連合の編成人数は最低でも20人、最大で100人以上になる。
「と言ってもいくら連合を組んで挑んでも7分の3ぐらいの確率で全滅するらしいけどね」
だが、討伐成功により得られる栄誉と莫大な褒賞金の存在は成功を夢見る冒険者たちの心を掴んで離さない。
それを聞くとヨシヒサは短い溜息をつきながら手に持っていたナイフを鞘に仕舞い、端末を起こしグリグリと突き回す。
「あーもうこうなったらサッと片づけてバカンスに行きたい」
最近、俺達は働きすぎな気がする。
「それに関しては賛成ね。ここのところ休んだ気がしないわ」
ラシエルも賛成してくれた。
そんなこんなで話は纏まり、北へ向かうことになった。
帝国の北には3000mm級の山々が広がり一年中吹雪が吹き、天候が安定しないという特性を持っている。故にこの山々を登るには常に遭難のリスクを背負うことになる。
だが、山に魔獣化したドラゴンが居着いてからは吹雪が殆ど吹かなくなった。ちなみにこの異変を調査するために山に入った200人の帝国軍調査団は数日後、魔獣化したドラゴンに襲われ数名の生存者を残して全滅した。
そんな曰く付きの山々の上に広がる空をを低いエンジン音を轟かせ飛ぶ黒い鷲――ヨシヒサ達を乗せたMH-60Lがいた。
ガタタン! と乱気流に煽られ機体が若干揺れる。
「きゃあ! よ、ヨヨヨヨシヒサ? 大丈夫なの? 墜ちないわよね?」
機体が揺れる度に悲鳴とをあげてヨシヒサの座る操縦席のシートにすがりつくラシエル。
「大丈夫だってラシエル。よっぽどのことがない限り早々墜落なんてしないよ」
本当? 本当に? と涙目で何度も呟き、怯えてしまっているラシエルを尻目に副操縦席に座るリースは怯える様子もなく堂々としている。
「おお落ち着きなさいなラシエル。ヨシヒサを信じていれば大丈夫なのです」
………訂正しよう。こっちもめちゃくちゃヒビっていた。膝や腕がガクガク震えてチラチラと俺を見ている。ちなみに他の三人は既にキャビンでグロッキー状態でダウンしていて怯える余裕は無いようだ。
「っと、そろそろ見えてきたな………」
ヨシヒサはドラゴンの姿が最後に確認された山の山頂付近にヘリの機首を向け厄介なことにならない様に祈る。
(´・ω・`)仕事が鬼畜なぐらい忙しく、その上退職者が結構出て人手不足。からの仕事量UP……やったね業者さん一杯おしごとできるよ!




