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成り損ない勇者の異世界銃奏乱舞  作者: ディンキー
第四章
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番外編 神々の御茶会

ご要望のあった神世界でのお話になります。楽しんでいただけたらなっと思います。

「それで、今回この世界に行ったヨシヒサ君だっけ? カリナ、あなた結構気に入っているみたいね」

「それはもちろん。彼のおかげで私も退屈な仕事も楽しく行えるってもんよ」


 一応、最高神のカリナと赤毛の美女で美を司る女神のアルティナはヨシヒサが訪れた時とは違いバラの庭園風にアレンジされた神世界のど真ん中で呑気にお茶を飲んでいる。話題はもちろんヨシヒサのことだ。


「ふふ、たしかに彼は面白いわね……特に服の柄や構造とか見てるだけでも楽しすぎてつい、地球へ服関係の知識を求めて行っちゃったりしてしまったわ」

「あまり他所の世界世界に行くと秘書担当の天使ちゃんがうるさいよ?」

「そんなのあなただって同じじゃない。彼のために馬鹿みたい大量の布を織ったり……正直、あの神布だっけ? アレの製法を教えてくれと言われた時には驚いたわよ……」

「あははは……」


 実はカリナ、ヨシヒサに神布をプレゼントしたいがためにアルティナに願い倒して製法を教えてもらい、仕事の合間を縫ってひたすら織りまくった結果、あの量が完成してしまったのである。


 まぁ、ヨシヒサ君が喜んでくれたようだし何よりだよねぇ……正直喜んでくれるかドキドキだったよ。


「ああ、そういえばあの暑苦しい筋肉ダルマ武神のディアゴと真面目ちゃんな戦女神のティアナちゃん、彼らもヨシヒサ君のことを気に入ったみたいね。特にダンジョンでお姫様を庇った時とこなんて特に良かったらしいわよ本人たち曰く」

「まぁ、一応『万物の再生』も渡してあるしなんとかなると思うけどちょっと心配だなぁ……」

「……冥界の神のヘスはヨシヒサ君が死んで魂が完全に冥界へ沈んだら回収して自分の専属ガードに、そしてゆくゆくは婿にする! って息巻いてたわよ。」


 それはちょっと困るんだよなぁ……簡単にはヨシヒサ君をヘスの婿にはやる訳にはいかないよね! 断固として阻止しなきゃ!


「だぁーはっはっはっは! ようカリナ! 元気にしておるか!」

「お久しぶりですカリナ様」


 私とアルティナがゆっくりとお茶を飲んでいると暑苦しい筋肉ダルマの武神、ディアゴとその娘の戦女神、ティアナちゃんがやって来た。


「あら、いらっしゃーい。仕事は終わったの?」

「がっはっはっは! そんなもの儂のこの素晴らしい筋肉とこのハンマーで全て処理してやったわ!」

「私は400年分は終わらせましたのでお休みを取らせていただきました。……お父さん、ハンマーを振り回さないで」


 ディアゴはアルティナと同じ赤毛だが全身が岩のようにゴツゴツしている。仕事はできるのだが所謂脳筋だ。でも、私が神になりたての頃、ディアゴに散々鍛えてもらい神とは何かと教育されたこともあり頭は上がらない。一方娘のティアナちゃんは黒髪のほっそりしたあまり父親に似てない娘だがこれでも仕事もでき父親であるディアゴの暴走を止めることが出来る数少ない神だったりする。も一人は前戦女神の母親。


「のう、カリナよ。今の話はあの少年の話題か?」

「ええ、そうですよ。ヨシヒサ君がどうやらダンジョンで魔族に襲われ大怪我をしたようでして」


 私も執務の合間を縫ってちょくちょく彼の様子を見ていたのだが、まさか大昔に封印された伝説級の魔剣ブレイニブルと契約した直後にあんな怪我をするとは思わなかった。


「……! 彼は大丈夫なのですか!?」


 珍しく取り乱すティアナちゃん。彼女はヨシヒサ君のことをかなり気にかけていて彼のために剣を鍛えたりしている。本人曰くまだ納得の行く作品ができてないから渡さないらしいが。


「今のところは大丈夫。お姫様たちも適切な処置をしているみたいだし後は『万物の再生』をあの子たちが見つけられるかだね」

「くっ、出来ることなら私が助けに行きたいのですが……」


 ティアナちゃんの気持ちはわかる。でもそれは出来ない。建前上仮にも神である私達が不用意に下の世界に直接介入することは許されない。そう神の規定で決まっている。出来ることは精々武器などの物を人々に授けるのがやっとなのだ。まぁ、私は色々規定の穴をすり抜けて時々遊びに行っているが。


「ティアナ、儂等は基本的に見るか物を授けることしか許されん。分かっているだろうが……」

「言われなくても分かっています! その代わり、彼がこんなに傷つくことのないような武器や防具を作るぐらいは構いませんよね?」

「それぐらいなら構わんが……」


 流石のディアゴも娘の強気な言葉にたじたじの様子。ここはいっちょ助け舟を出しますか。


「ディアゴ、ティアナちゃん、それにアルティナ。彼は心配しなくても絶対に大丈夫。それは保証するわ。それからヨシヒサ君が生き返ったらお祝いに何をあげるか決めよ? 私はアクセサリーを推すわ!」

「カリナ様がそう仰るなら……。私は武器ですね。地球にあったマチェットという剣のようなものを推奨します。」

「儂は……やはりハンマーだな! これぞ男のロマンだ!」

「私は無難に服かしらね? 最近色々作りたいのも増えてきたしちょうどいいかも」


 こうして一応世界を束ねる神々のが集まる御茶会は奇妙な方向へ突き進みながら続いてゆく。一方、冥界の神のヘスや大天使と呼ばれる天使たちの話題も自分達の主を魅了? させる少年、ヨシヒサのことで持ちきりだったりする。

 神世界でのお話はいかがだったでしょうか?神様たちにすら気に入られるヨシヒサくんが末恐ろしいです……。


 そろそろ定番の聖女とか出したいですね……というかエリナさんがすっかり空気に……。

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