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人間?いえいえ、魔物です。

「えー、では不肖ながら私、セバステンがご説明させていただきます。」


そいうとセバステンは背筋をピンと張って話し始めた。セリナはニコニコこちらを見ている。


「まずここですが、ここはあなたがた人間の言うゲームというものの中の世界なのです。」


それはさっきも聞いた…では本当に俺はゲームの中に入ってしまったとでもいうのだろうか。でも…


「やっぱりなんだか急にゲームの中と言われてもしっくりこないよな…そうするとセリナやセバステンはゲームの中のキャラってことになるけど俺としっかり話せてるし…」


「あっ、いえ別段私たちがゲームのキャラクターというわけではありません。」


あれ?そうなのか…でもをそうするとセリナたちは?


当然、俺の顔にも?マークが浮かんでいたのだろう。すかさずセバステンが答えてくれる。


「私たちは魔界のものなのです。ほら、この通り。」


そういうとセバステンは自分の首に両手を持ってくる。そして…


カパッ……


「ぎゃぁぁっっっぁっぁぁぁぁぁ」


自分の首を外した。外れた首からは見せることができない量の血が流れている。そうとうにグロテスクな絵面だ。


心臓が持たない…生首を一日に二回も見たくない…目を背けようと横に目を向けると


ひら、ひらー


セリナが人間には絶対にない黒くて長い尻尾を優しく降っていた。


ザムさんは、暖炉の前で本を読んでいた…マイペースだなこの人…というか本は読めているのだろうか…


「これは、これは、すいません。一度見てるのでてっきり、耐性ができているものと…」


そういいながらセバステンは首を元に戻すと持っていたハンカチで首の周りに着いた血を拭いていた。いや、そんなハンカチでふけるような量ではないのですが…


「今お見せしました通り私たちは魔界に住んでるものなのです。」


諦めたのか、ハンカチをしまってセバステンが何事もなかったかのように話を進める…いやまわり血だらけで俺的にはもうSAN値やばいんですが…


「大丈夫?」


セリナが覗き込んでくる…


その大きな瞳が俺の目を捉える。それだけで怖さより照れの方が上回ってしまった。俺ってすこし抜けてるのかなー…


「えーと、大丈夫ですかな拓也どの?」


俺は気恥ずかしさから、もう一度セバステンの方へ向き直る。


「それでは続けますよ…私たちが魔界からきたことは伝えましたよね?私はデュラハンという種族。ザム殿はゾンビ。そして、セリナ様は悪魔という魔物の中でも上位種に位置される種族に位置しております。」


ふむふむ…感覚が麻痺してきたのかセバステンの言っていることがある程度理解できてしまう。ゲームやりすぎだろ、俺…


「それでですね、ここからが私たちがゲームの中にいる理由なのですが………突然ですが私たちの食料って何だと思いますか?」


唐突なふりにびっくりする。なんだろこれはお前を食べちゃうぞパターンだったりするのだろうか…


「りんごとか?」


恐る恐る、おそらくはずれであろう答えをあげる…セバステンの目が嫌に光っているように感じる。首筋を冷や汗が伝う。


「はて、りんごですか?違いますよ。私たちが食べるのは人間…」


「ごめんなさい、ごめんなさい…俺は美味しくないです…いや本当に!今までゲームばっかりの生活を送ってきたので、多分体の中おいしくないものだらけで…」


「…の恐怖です。って、拓也殿どうかされましたか?」


セバステンとセリナがいきなり土下座して謝っている俺を不思議そうな目で見ている…


「あっ…えーとー、いやー。ちょっと発作が…」


恥ずかしいかった…とっさに口からでまかせを言ったがセリナは信じてくれて、大丈夫?と心配してくれた。


セバステンはジトーとした目でこちらを見てくる。いやしょうがないじゃないか、今まで散々驚かされたのだから…


「えー、こっほん。つづけますよ。私たちの食事は人間の恐怖です。昔は人間界に繰り出し人間達を驚かせてはお腹を見たしていたのですが…最近人間界に行くためゲートが閉ざされてしまったのです。そのため私たち魔物はお腹を好かせ、餓死寸前まで追いやられました…そんな時ある一匹の魔物が人間から恐怖を得られる手段を見つけたのです。それがゲームです。私たちは人間からゲームを通してでも恐怖を吸い取ることができることを発見しました。そんなこんなで今魔界ではゲーム、特にホラーが大流行なんです。わかりました?」


ふむ…ゲームやら魔界やらはわかったのだが…


「俺がここにいるのは何でか分かるか?これまで人間が来たりしたことは?帰る方法とか。」


現在の俺の状況も気になるが、説明よりこっちのほうが気になっていた。まぁ、お約束通りなら俺は…


「すいません、分かりかねます。人間がこちらの世界に来たなどという話は聞いたことがございませんので…」


やっぱり、と肩を落とす。


横ではセリナが申し訳なさそうにに目を伏せていた。


「ですが、もしかしたら帰ることはできるかもしれません。」


そう、セバステンが言うと、何かに気づいたかのようにセリナが顔を上げる。


「転生魔法ね!!」


なんか、またゲームっぽいものが出てきたぞ…

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