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私は異世界の魔法使い!?  作者: 浪速ゆう
Parallel universe
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裏切り2

「……えっ? あれ? カイト……?」

「何をする気だ!」


 カイトの慌てる声。姿は見えなくてもその声からは怒りが見える。


「実亜、お前に居られては色々と困るのじゃよ」


 声はすぐそばから聞こえた。カイトの声よりも近くに。


「あの森で消えてくれる事を願っておったのじゃが、やれやれ、そう上手くはいかぬものじゃのう」


 えっ、あれはあなたの……!

 ーー声が出ない。叫びたいのに叫べない。

 いや、もしかしたら叫んでいるのかもしれない……でも、声はどこにも届かない。暗い世界の中で閉じ込められ、潰される。

 ああ、あの死神は彼……カモタケツが放った刺客だったんだ。でも、なんで? なんでカモタケツは私を狙ったの……? どうして私の存在を知っているの? ミアがいなくなった理由も何か関係してるっていうの……?

 聞きたい事は山ほどあるのに、この空間で身動きが取れない。声も届かない。

 ただ、私という存在は元々存在していない……そう言われているよう。

 確かにこの世界の人間ではない。だから元々存在なんてしていない、存在している方が異質な事なのだという事はわかってる。

 ……でもそうなったら、カイトとの今まで全てが消えてしまうという事になるのかな。

 ケンカばかりでイライラする記憶。なのに、そんな中でもカイトの優しさに私は幾度も触れた。カイトの優しさに救われた。

 全ては旅して分かったんだ。


 私は、カイトがーー。


 ……この気持ちさえ消えてしまうのだろうか。

 消滅して、元々存在などしなかったように。本来あるべき元の状態に戻って……でもそれは、あまりに辛い現実。

 だって元に戻るだけなんてありえない。一度は培われた関係、時間、感情……それらは一度生まれてしまえば元に戻るのではなく、抹消される事になるのだから。

 死神がカイトに斬りつけられ、骨粉になったのと同じ。存在自体が消えるわけじゃない。ただ、何かしらの形が変わって、どこかしらに留まる。

 それは記憶の断片になのか、心の片隅になのか。

 ……嫌だ、そんなの。そんな断片になんてなりたくない。


「そんな事させるか」


 疾風のように、鋭く切り込まれた言葉。

 言葉の後に光が見えた。それは一筋の光となって、私に向かって伸びてくる。

 身動きが取れない、呼吸さえ上手く取れないこの場所で、その光は私の手をぎゅっと掴んだ。


「実亜!」


 光に導かれるように、キラキラとした輝きに引き寄せられるように、私は懸命に駆け寄った。

 暗幕が覆う私の周りを一筋の光はホワイトライトの中へと誘った。

 眩しくて目を閉じそうになった時、光は輝きを落とし、周りの風景を私に見せる。

 無数の鳥が一斉に羽ばたくように、真っ黒い大きな羽がバサバサと私の側から飛び去った。


「……カイト」


 私の手を強く掴んで離さない、カイトの手。思わず抱きついてしまいそうになる。その首に両腕を巻き付けて、ぎゅっと……。

 けれど私を掴むのとは逆側の手にはキラリと光る剣を握り、私を……いいや、私の後方を睨みつける様子を見て、ぐっと堪える。


「どうしてこんな事……だってカモタケツさんはカイトやミアの仲間でしょ?」


 黒く尖ったくちばしが、微笑むように口を開いた。


「仲間……? このワシとそやつらが? 誠呆れるほどに馬鹿にしてくれる。……ワシは一度たりとも仲間などと思った事は無いのお」

「ミア様をさらったのもお前の仕業か」


 カイトの言葉は確信を述べていた。

 一気にこの場の空気が変わる。ピリピリとした空気の中、宮殿の周りを囲む壁が揺らめきはじめる。


「いいや、ワシはミア様をさらってなどおらぬ」

「その言葉を信用するとでも思ってるのか?」


 カイトは剣を両手で握り、カモタケツとの間合いを詰める。すると三本足のカモタケツの背後にある壁の揺らぎが更に大きく波打つ。まるで重力など関係なく泉がそこにある様に。

 泉は壁色をして揺らめき、そしてーー。


「カイト!」


 壁の中からは同じ格好、同じ姿のサイのような出で立ちの生き物が現れた。それはわらわらと止めどなく現れる。

 二足歩行、少し猫背気味に顔を前に突き出して、片手には丸太ほどの大きなこん棒を軽々と握り締めている。

 その表情は醜悪そのもの。裂けるほどに大きな口からは鋭い牙が覗き、瞳はカメレオンのように出目。鼻には牙と同じで立派な、牙の何十倍もある角が生えている。

 あまりの多さに私はカイトのマントを小さく握る。

 カイトは私を隠すように背中に追いやった。


「もう一度言うぞ。ミア様をどこにやった」

「この状況でも臆さず挑む姿はさすがじゃのう。さすがはミア様の第一ソーサラーと言ったところか。……じゃが、何度でも言おう。ワシはミア様をさらったりはしておらぬ」

「どうしてもシラを切り通す気か……なら戦って聞き出すまでだ!」

「出来るのか? この状況で」


 カモタケツのメガネが怪しく光った瞬間、私の目の前に突如現れる雪の結晶。それはキラリと輝き青白く光る。一瞬、とても眩く綺麗だと思ったが、それには見覚えがあった。

 これってカイトの意識の中で見た、魔法陣……?

 魔法陣の青白い輝きがどんどん白っぽく輝きを増してゆく。まるでプランクトンが魔法陣に向かい集まっているかのように、小さくて細かな輝くものがどんどん集合し始めている。

 魔法陣が現れてからここまでの一連の流れはほんの一瞬。瞬きをするような一瞬……けれど体感時間としてはそれよりも長くって、ただ私に分かるのはこのままではやばいという事。

 しかしやばいと分かっていても体は上手く動かず、対応しようとしない。あまりに一瞬の事すぎて。

 このままじゃ、殺される……。


「実亜!」


 私の意識はカイトの声によってこの場所に戻された。その瞬間カイトは私を抱きしめ、その勢いのまま地面に倒れた。そのすぐ後に魔法陣から鋭い閃光が走る。

 一本の青白い線が私の立っていた位置に向けて放たれた。ヒュンという空気の中を駆け抜ける音が耳に届いたかと思えば、遥か後方にあった青空市場の方で雷鳴が轟く。

 あんなものを食らったら一瞬で消し飛んでしまう……。

 ぞっとして、まだ残像のように瞳に焼き付いた光の残像を追いながら、固まって動けない。さっきとは違う理由で動く事が出来なかった。


「実亜しっかりしろ。また来るぞ!」


 立ち上がろうとしたカイトの後頭部でキラリと光るものが私の目を捉えた。


「カイト、後ろ!」


 雪の結晶が砂漠の砂地で神々しく輝き、カイトの背後を捕まえていた。叫んだ言葉はとっさに出たものでそれは悲鳴に近いものだった。けれどカイトは驚きもせず振り返りもせず握り締めていた剣を背後に向けて突き刺した。

 ーーパリン。

 薄づくりのグラスが割れたような音を立てて魔法陣はバラバラと砕け落ちる。けれど今度はカイトの背後に4つの魔法陣。……いいや、5つ6つ……どんどん数が増えてゆく。それらはさっきと同じく自身の光りを増幅させ、魔法陣に向けてキラキラと輝くものが集まり出す。


「カイト! カイト!!」

「うるさい。お前は少し黙ってろ」


 私が馬鹿みたくカイトの背後で無数に増え続ける魔方陣を指差し悲鳴を上げてる瞬間に、まるで踊るように顔色ひとつ変えず、カイトは剣を振るった。

 それは剣舞とでもいうのだろうか……赤いマントをたなびかせ銀色の剣は舞う。魔法陣の割れる音が効果音の役割を果たし、その割れたカケラはカイトの周りを美しく輝かせた。それが閃光を放つまでのほんの一瞬にカイトはそれらを全てなぎ払う。

 すごい……。

 単純に、純粋に、そう思った。どんどん増え続ける魔法陣に圧される事無く切り刻んでゆく。


「やるのお。ではこれならどうじゃ?」


 カモタケツが自身の持つ黒い片翼を振るった瞬間、私達の周りに無数の魔法陣が現れる。それはさっきとは比べものにならないほどに、無数。

 魔方陣による壁が私達を取り囲んだ。キラキラと輝く雪の結晶を美しいとすら思えず、ただただ恐れが私の心に広がる。


「なにこれ!? カイト!」


 もう自分が何を口走ってるのかも分からない。

 慌ててパニック状態な私とは裏腹に、カイトは相変わらず眉一つ動かさず冷静だ。そんなカイトは自分を軸に一回転し、剣を振り回す。

 けれどそれは到底魔方陣には届かない。地面に腰を抜かしたままの私は、隣で謎の動きをしたカイトを見上げる。

 すると、カイトが剣を振り回したところの空間がべろりと剥がれ落ちた。

 剥がれたことによって現れた空間は周りにある魔方陣を吸い込んだ。轟々と音を鳴らし、まるで掃除機のバキュームのように一つ残らず魔方陣を食尽す。

 ……カイト、すごい。

 第一ソーサラーがどんなものなのか未だによくわかってないけど、でもその肩書きは伊達じゃないんだなって初めて思った。

 けど、カイトの息は荒い。肩が大きく揺れ、息を整えている。

 こめかみから首筋にかけて汗が滴っているのが私の位置からでもよく分かる。

 この場所に戻る為にカイトは力を使い続けてくれてた。さっきからずっと力を使いっぱなしだったせいで魔力も体力も消耗しているんだ。

 ここに戻ってきた時、カイトの顔色が悪く見えたのもやっぱり勘違いなんかじゃなかったんだ……。


「おい、呆けてる暇はないぞ。早く立て」


 目だけでチラリと私を見たカイトは、すぐに前を向いて言った。


「次が来る」


 慌てて立ち上がり握り締めていた杖を構え、私も前を見据える。すると宮殿の壁からどんどん止めどなく現れるサイに似た風体の者達が、鋭い牙の隙間から荒い息を吐き出し駆け出した。

 カイトはきっとこれを見越していたんだ。カモタケツの事を怪しいと思ってたから、だから私に力を蓄えとけって言ったんだ。

 治療する力すら惜しめって……。

 ほんと言ってくれないとわかんないから。もう散々思ってきたけど、本当にカイトはいつも言葉が足りない。こうなるって予測がついてたんなら先に教えてくれたっていいじゃない。


(ワンド、聞こえる?)

『……ああ……聞こえている』

(じゃあきっと、私が言いたいこともわかる、よね?)

『……ああ。実亜の心の声はいつも聞こえている……』

(よかった。じゃあ話は早いよね)


 私は杖を空に掲げ、精一杯の声で叫ぶ。


「ーー出よ! イフリート!!」


 空気を震わせ響く声。杖の先、赤い宝石から放たれる光を浴びた私の影がぐんぐんと伸びてゆく。大きく、長く、そして広がりを見せ、やがてその影を形作る。

 二本の角、太い腕に鋭い爪。そして敵陣まで影を伸ばすほどの巨体。


「ガァァァァッーーー!!!」


 姿はまだ見えず影のみだが、その咆哮は存在感を示していた。それと同時にイフリートの爪が地面から突き出て、鋭いそれは針の山の如く高くそびえる。まずは五本、そのすぐ後にもう五本。突き出た爪は勢い良く私の影を、イフリートの影を、引き裂いた。


「ガァァァァ!!!!」


 まるで地面を裂いて地下から出てくるように、現れた。

 元々地面の中で眠っていたかのように。咆哮する口元からは竜が現れ、それはまるで踊っているような様子で温かい赤い色の炎を踊らせている。

 大きな瞳の中にも同じく赤い炎をちらつかせ、カモタケツを見つめた。

 イフリートからすればほんの爪の先程度のカモタケツ。さらに彼に向かって突風を起こしながら再び咆哮した。その風圧でサイの姿をしたいくらかの敵は吹き飛ばされ、散らされる。しかしそんな姿を見ても全く動じず、臆す様子も見せないのは三本足のカラス。


「イフリートか。それもなかなか立派な魔人じゃのう」

「いい加減降参したらどうだ。いくら数が多かろうと、お前のそばにいる雑魚では到底歯が立たないのはもはや明確だろう」

「やはり若いというのは威勢がいいのう。いやはや、ワシも老いぼれたものじゃ……じゃが、伊達に歳を重ねたわけではないぞ?」

「そうか……やはり降参しないというんだな」

「……無論じゃ」


 カモタケツは艶やかな羽を広げ、滑らかな動きでそれを羽ばたかせ空に舞う。それが合図といわんばかりに未だ壁から溢れ出てくるサイの群れが威勢よく雄叫びを上げ、突進してくる。

 カイトは一度大きく息を吸い、細く長く、息を吐き出した。息を吐き切った時、まるで獲物を狙う豹のように駆け出す。姿勢を低く、地面を這うように。風を切る音が聞こえてきそうなほど、カイトの足は早い。向かった先は壁のように無数に向かい来るサイの群れ。醜悪な表情の彼らは牙を剥け、カイト目掛けて大きなこん棒をふるい落とす。


「カっ……」


 叫ぼうと開いた口は、道半ばで静止する。私の心配など鼻から不要だと言わんばかりに、彼は赤いマントを滑らかに揺らしながら敵をなぎ払う。その様子を見てか、イフリートも突然炎を吐き出した。

 大蛇の如く炎は敵を燃やす。悲鳴と雄叫びが聞こえる中、私はそこから少し蚊帳の外だ。

 炎に焼かれ、叫び、苦しみ……相手が何者かも分からない。けれど敵意を向けられて、切って切られて、殺し合う。

 そんな光景の外に私はいた。

 ……ああ、なんでかな。なんでこんな戦いをしているんだっけな。なんでこうなってしまったんだっけな。

 この現実離れした世界に身を置いてから色々あった。いつも必死で、目の前の事に食らい付くしかできなくて……だから戦いの最中だというのに、ふと緊張の糸が切れたように辺りの光景を見渡し、私は気づいた。

 どうして私達は戦わなくてはいけないのか、と。

 どうしてお互いを傷つけ合わなければならないのか、と。


「……ねぇ、カモタケツさん」


 囁きにも近い、小さな声。辺りの叫び声や剣やこん棒を振り回す音、炎の燃え盛る音にかき消されていてもおかしくない声なのに、どうやら彼の元へ届いたようだ。

 それはワンドの魔法なのかもしれない。カモタケツの力なのかもしれない。私にはまだ計り知れないこの世界の力、それらの何かが作用しての事かもしれない。

 けれどそれは確実に彼の耳には届いていた。


「なんじゃ、実亜よ」


 小さなメガネをキラリと光らせ、黒い羽を優雅に動かし、彼は私達を見下ろしている。


「ねぇ、どうしてあなたは戦うの? どうしてここまでするの? あなたはどうして私を狙うの?」

「どうして……? そんなものは決まっておる。実亜、お前は邪魔なのじゃよ。元々この世界に存在する者でも無いお前にうろうろされてはワシの計画が全て意味を無くしてしまうでの」


 計画……?


「なんであなたは私がこの世界の人間じゃないって知ってるの?」

「質問が多いのお。聞きたい事があるのならワシに勝ってからにするんじゃな」


 青い光沢を放つ黒い羽。その羽を大きく揺らし、私達に向けて羽ばたかせる。

 すると、イフリートが咆哮した時と同じくらい……いいやそれ以上の突風が私達に向かって放たれた。


「きゃあぁぁっ!」


 あの巨大なイフリートですら足を踏ん張らねば跳ばされてしまいそうな突風に、私を含め、仲間のはずのサイ達までもを吹き飛ばす。それは軽々と。まるで塵でも飛んでゆくように。


「実亜!」


 カイトは自身のそばの空間を切り裂き、その中に入り込む。空間は跡形も無くピタリとくっつき、カイトのいた痕跡は消え失せた。

 ……だが、ドンと私の背中は何かにぶつかった。それはなんとなく後ろを振り返らなくとも、背後に何があるのか感じ取る事が出来る。

 きっと、これはーー。


「ーーカイト」


 空間は私の背後で開かれている。禍々しい緑の蛍光色の中からカイトは上半身を飛び出し、私の体を受け止め、そのままその空間の中に引き込んだ。

 その空間にいたのはほんの僅か。再びカイトは空間を切り付け、宮殿の側の足元には砂漠のような砂地が広がる場所に出る。

 どうやら風は止んでいた。ただ砂埃だけが舞い上がり、視界をぼかしている。


「実亜はここにいろ」

「待ってカイト!」


 私の手を振り切り、カイトは背を向けて駆けてゆく。私を置いて戦場に戻ってゆく。醜く巨漢のサイ、そしてカモタケツのいる場所へ。

 イフリートは叫びながら炎をまき散らしている。宮殿まで燃やしてしまうのではないかと心配になるが、どうやらそれは無いらしい。炎の礫が飛び散るたび、宮殿の周りにキラキラと光る粉が見える。それが炎を宮殿に届かないように守っているようだ。

 けれどそんなイフリートの炎に飲まれるのはサイ達。私から見れば大きな体のサイ達も、イフリートからしてみれば蟻同然。蹴飛ばされ、振り払われ、捻り潰される。こん棒で攻撃したところでイフリートには傷一つ負わす事は出来ない。


「お前の負けだ」


 そんな叫び声が聞こえた。声のする方を見やると、空に羽ばたくカモタケツのそばから剣が現れた。その剣先が空間を切り裂き、中からカイトが現れる。姿を現したかと思えば、カイトはそのまま剣をカモタケツの頭上から振り下ろした。

 カモタケツはカイトの剣を自身の持つ黒い翼で受け止めた。

 腕がっ……!

 ぼとりと切り落とされる光景を想像し、思わず両手で顔を抑えた。けれど……。


「なめるな、人間の若造が」


 キンッと鉄の鎧にでも当たったような音だ。覆っていた手を少しずらし、指の隙間から上空の様子を見上げる。黒い羽がハラハラと幾枚か散っているが、翼は切り落とされず、カイトの剣を受け止めていた。


「そんな剣でこのワシが切れると思うなよ」


 腕を振るって剣を振り払うと自身の持つ羽がまた幾枚か抜けた。けれどそれは落ちる事は無く、鋭い刃となってカイトの体に突き刺さる。なんとか防御しようとしたが、距離が近すぎたせいか防ぎきれず黒い羽が刺さった場所から赤い色の血を噴き出す。


「カイト!」


 カイトの体がぐらりと揺れる。そしてそのまま、地面に向かって落ちてゆく。

 赤いマントをはためかせ、白い軍服を赤く染め上げて。羽をもがれた鳥のように、落ちてゆく……。

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