唐突な旅立ち No,2
後ろからギシミシッと何かが軋む音が聞こえる。
海斗は振り向こうとするが首をつかまれていて動かすことが出来ない。
ヒュッと風を切る音が聞こえる。
その後にカッと何かが突き刺さる音。
「・・・・貴様・・・」
声からして、驚いているようだ。
首を掴んでいた手が離れる。
「う・・・うわっ!」
反射的に逃げ出す。
二人のローブの男は止まったまま、追おうとしなかった。
次に後ろを向く。
「え?」
二人の男は消えていた。
影も形も無かった。
「いつまで其処を見ている?」
また後ろから声がする。
振り向くとローブの男がいた。
「っ!?」
フードの中から尖った何かが飛び出してくる。
一直線に海斗を狙う。
海斗は横に飛びのき、間一髪でよける。
「外したか」
男はフードを取る。
その下からは異形の物が姿を現した。
鼻から上は普通の人間。
鼻から下は昆虫のような口がむき出しになっている。
首周りからはカマキリのような腕が二本、出ている。
「・・・この姿は見せたくなかったが、致し方ない」
「あ・・・あ・・・・」
海斗は驚きのあまり、声が出なかった。
腕が伸びる。
海斗の首を捕らえる。
避け切れない。
(死ぬ・・・・・!?)
またもやカッと何かに突き刺さる音が聞こえる。
「・・・小賢しいっ!!」
海斗は鎌が刺さったはずの首を見る。
あと5センチの所で何かの力によって不自然に止められている。
「う・・・はぁ・・・はぁ・・・」
まだ痛みが残る体を起こし、美由は周りの状況を見ようとする。
最初に目に入ったのはローブの男。
美由を驚いたように見ている。
「消えてねえのかよ・・・」
「驚いたね」
美由は逃げ出そうとしたが体が痛みで動かない。
そうしている内に包帯の男が近付いてくる。
「めんどくせえ・・・殺すか」
手を伸ばしてくる。
あと少しで手が触れる。
「キザルは殺らなくていいよ」
「あ?」
「僕が殺る」
後ろの男が美由を睨む。
「・・・っ!」
息が詰まるほどの殺気が押し寄せる。
次の瞬間、景色が揺れた。
体が宙に浮かぶ。いや、持ち上げられた。
首にめり込む手。
呼吸を止められる。
「は・・・・・あ・・・・・」
「スパッと殺っちまえばいいのによ。楽に逝けるのに」
「これが僕の殺し方。分かるだろ?この苦痛に悶える表情、絶望感。全てが楽しい」
手に力が込められる。
「か・・・は・・・・・」
「お譲ちゃん、不幸だったな、俺がとどめさしてりゃ楽に死ねたのによ」
キザルと呼ばれた男が呆れたように言う。
「死ぬのに幸も不幸もあるのかい?」
「・・・お前とは話があわねえ」
「残念」
美由の体が地面に叩き落される。
「う・・・はぁー・・・はぁー・・・」
「そろそろ、終わり」
男の手から炎が滲み出て来る。
「最初からそうすればいいんじゃねえか」
「人が苦痛に悶える表情が、僕は好きなのさ」
「気持ち悪いな」
「うるさいな」
男は手を美由にかざす。
すると炎は勢い良く振りかかって来る。
最後は奴のものすごい残酷な性格を現すため、何か怖い感じになっちゃいました^^;
文のまとまりに欠けていたのが反省点OTZ