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第4話「Horizon」

俺は、爆睡していた。

元々少ない俺の心のCPU。よく頑張った。

思考回路は、ショート寸前で何とか持ちこたえたようだ。

しかし、代償として体が重い。

せっかくの、休日なのに何もしたくないときた。

あぁ、何と勿体ない。


部屋の時計は、11:00を回る。

俺は、ベッドから起き上がりスマホを取る。

最近のあるあるであろう行為。

今のご時世、スマホ無くして生きていけないのだ。


ラインの通知が一件。

北畠ではなく斯波だ。


「『北条!あの後、北畠さんとはどうだったかな(笑)また、話聞かせてよ!それより、前話してた終末世界へようこそ!の5話がめちゃくちゃ面白いんだよ!とにかく、見てくれよな!!』」


斯波は、どうやら俺と北畠のその後の関係が気になる様子。ここはあえてスルーするのが、正解。

変に誤解を招くような返信は絶対にしない。


「終末世界へようこそ!そんなに、面白いのか…今日は何もしたくないし部屋で見るか」


俺は、斯波のお勧めのアニメをスマホのサブスクで見ることにした。

『終末世界へようこそ!』、最近話題急上昇中の人気アニメ。内容は、ゆるふわ系の可愛い子達が読んで字のごとく終末世界を旅する話らしい。

正直、俺の好きなジャンルではない…

俺が求めるのは、可愛さだけでなく、友情・努力・勝利的なバトルストーリーなのだ。


「『ナンシー達は、戦争で荒廃した都市、帝都エタニーアを放浪する。』」


渋い声のナレーション。映像とBGMを見るかぎり内容は少し重そうだ。俺の心は既に虜になっている。


「『貴様らは、セブンチルドレンか!?ここで会ったが最後だ!覚悟しろ!』」


世紀末的なマスクを被った黒装束の男がナンシーと言う主人公らしき人物に叫んでいる。


「『私たちは、自由を求めて旅してるの!邪魔しないで!邪魔するならお仕置きするよ!』」


「『♪君と私のSTORY、奏で続けるよbelieve your heart♪』」


ナンシーが、銃を構えたと同時にオープニングに入った。曲の入り方は、最高のタイミング。斯波の言った通りHorizonのタイアップは、この作品のクオリティを何倍も上げていると俺は確信した。


時間はあっという間に過ぎ、最新話の5話まで見続けていた。


「はぁーー!考えさせられるし、日常パートは、面白いし、これが人気になるのも分かる気がするわ…にしても、Horizonのタイアップが本当に良いな!」


俺は、部屋で見えない友人に熱く語る。


ダッダッダッダ、階段を地ならししながら駆け上がってくる誰か。恐らく、あのバカか…

俺の部屋の扉が勢いよく開く。


「お兄ちゃん!何時まで寝てるの!ったく…もぉーー!」


「萌花、部屋に入るときはノックしてくれよ!」


妹いるの?!羨ましい!!何て高校時代よく言われたものだが血の繋がった兄妹。俺からしたらデリカシーの無い女ただそれだけなのだ…


「また、エッチぃ何かでも見てたんでしょ!」


萌花は、何ともツンとした目つきでこっちを見る。

リアル妹のツンデレなんて御免なさいです…


「見てないから...アニメ、アニメ見てたの…お前も知ってるんじゃない『終末世界へようこそ!』」


「なーんだ!アニメね!良かった!お兄ちゃんのことだからまた、変なの見てるかと思った!一先ず安心!」


何が良かっただ…俺をどんな人間だと思ってるんだよ。全く家族なのに俺の扱い酷すぎないか…


「確か、Horizonが主題歌のアニメだよね!萌花の周りもHorizonのファン多くてさ!その繋がりでアニメ見てる友達いるんだよね…」


「そんなにHorizon人気なのか…予想以上だ...」


音楽性、メンバーの雰囲気、全部好きなスタイルだけどまさか萌花の世代まで人気だとは…意外だった。


「お兄ちゃん、HorizonはねSIZって言うボーカルの子が可愛くて人気らしいよ!えーと、確かこれが…」


萌花は、ポケットからスマホを出しYouTubeの動画を俺に見せてくれた。動画は、楽屋で撮影した、簡易的なものだ。


「『SIZさんは、何でバンドをしようと思ったんですか?』」

「『憧れていた人がいたから...ギターのAYAに誘われたのも始めようとした要因かな…』」


ザ・ヤリラフィースタイルのお兄さんに歳が近そうな小柄な女の子がインタビューを受けていた。

これが萌花の言うSIZらしい。


「YouTubeにHorizonって調べるともっと色んな動画出てくると思うよ!私、アルバム持ってるし貸そうか?」


Horizonさん、凄いです!我が妹、完全に貴方のファンでした。斯波にこのこと言いたいけど、アイツ妹の単語に変な反応しそうだしな…

やめておこう…


「あ、ありがとう!じゃあ貸してもらおうかな!」


「オッケー!あ!?忘れてた…お母さんが昼ご飯出来てるから早く降りてきなさい!だってさ!じゃあ!」


萌花は、部屋の扉を閉めてリビングへ向かっていった。


俺は、部屋の時計を見つめる。


「もうこんな時間か…」


ご飯を食べ終わった後に俺の部屋に侵入した萌花に復讐も兼ねて電撃訪問してアルバムを貸してもらう作戦を俺は密かに企てる。


「座禅堂で話す内容、決まったな…これで気まずく無くなる!」


会っても話すことが無かった北畠。

まぁ、まだ2回ちょっと話したぐらいだし…

でも、牛丼屋でのHorizonに対するあの感じ、まさしく俺達に近い痛いオタクだ!

俺は、そんな北畠に何処か親近感を抱きながら座禅堂でまたランチをする事を少し楽しみに思った。 


Horizonの話をしたら北畠は、どんな顔をするんだろう。

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