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ラシードとシャノン
「ルシード、マルタ、…シャノンは今年15になる。」ラシードは2人の友人の墓前であの日の赤子の成長を報告した。「俺たちの故郷なら成人の儀を終える歳だ。流行病さえ無ければ、一緒に祝えたのにな…。」ラシードが感傷に浸っていると、後ろから老人がやって来た。「これからどうするかね?」「私もあなたと同じ道を行こうと思います。」「そうか…」「そろそろシャノンが学校から帰ってくる頃なので今日はこれで失礼します。」
「気をつけてな」老人はそういうと、ラシードの背中を見つめ続けていた。「道を踏み外さなければいいが…。」老人は墓の前で一礼し、立ち去っていった。
「あ、おかえりなさい、お父さん!」「ただいま」
「今日はどこ行ってたの?」「昔の友人の所だよ。」「そう…」昔の友人で察したシャノンは少し悲しい表情をする。「大丈夫だよ、私にはお前がいるんだ。それより学校で友達はできたか?」「うん!」シャノンは学校で勉強した事や、友達の事を毎日楽しく父親に話していた。