第2話
「ふぅ、ようやく雑魚モンスターも楽に倒せるようになってきたな。」
俺は息を整えながら、手にした片手剣を軽く振ってみる。紀更も近くで、レイピアをしなやかに扱いながら、満足げに微笑んでいる。
「私、だいぶ上手くなったでしょ?」
紀更がちょっと得意げに言った。その顔に、自信が溢れているのがわかる。
「うん、やるじゃん。」
俺は頷きながら答える。そのまま次のエリアへ進もうとした、その時だった。
突然、ゲーム内のシステム音が鳴り響き、画面にメッセージが表示された。
【システムメッセージ】
――**緊急システムアナウンス**――
**全プレイヤーにお知らせします。**
「……ん?」
俺は一瞬、驚いて画面を見つめる。緊急アナウンスだと? こんなに早い段階で何かあったのか?
【システムメッセージ】
「《アスティリオン》はデスゲームモードに移行します。」
「え?」\
紀更が驚きの声を上げる。
「何それ?デスゲームって…どういうこと?」
彼女は明らかに困惑している。
画面のメッセージは続く。
【システムメッセージ】
「今後、このゲーム内で**死亡したプレイヤーは現実でも命を落とします**。
全プレイヤーに与えられるクリア条件は、ゲーム内の**第100階層ボスの討伐**です。
この目標を達成した時点で、ゲームがクリアされ、全プレイヤーは解放されます。」
「え…?」
俺もその内容に一瞬、言葉を失った。
「死ぬって…本当に…?」
「嘘でしょ…?」
紀更の震えた声が耳に入る。
【システムメッセージ】
「ゲームの進行にあたっては、**最大8パーティー(48人)までのチーム編成が可能です**。
パーティー単位でボス戦に挑むことが推奨されますが、個人戦での進行も可能です。」
「ちょっと待ってくれ…」
俺は頭を抱えるようにして、そのメッセージを見つめていた。
デスゲーム? ゲーム内で死ぬと現実でも死ぬ? そんな馬鹿な話があるだろうか。
だが、これが現実だ。今、俺たちが体験していることが全てだ。
紀更は顔を強張らせながら言った。
「でも…これ、何かの間違いじゃないの? こんな…こんなゲーム、どう考えてもおかしいよ!」
「だよな…」
俺は少し冷静になろうと努めるが、心の中で完全に動揺していた。
「でも、もしこれが本当なら、どうするべきだ? こんな状況、どう考えても…」
【システムメッセージ】
「なお、**死んだプレイヤーはゲーム内での復活は不可能**です。」
「死んだらもう戻れない…」
紀更の顔が真剣に、そして恐怖に歪む。
「そんなの無理だよ…私、まだ…こんなこと、受け入れられない!」
「俺たちはどうやって生き残ればいいんだ?」
紀更が震えながら答えた。
「分からない…でも、死にたくない…。絶対に、絶対に生きて帰るんだから!」
「俺もだ。」
俺は決意を新たにし、力強く言った。
「たとえどんなに恐ろしいことが待っていても、クリアしてここから出る。それが、今俺たちにできる唯一のことだ。」
紀更はしばらく黙っていたが、やがて頷いた。
「うん、分かった…私も、絶対に生き残る」




