第1話
これは、筆者が適当に書き始めた物語である。つまんなかったら、「つまんない」とコメントしてください。
アスティリオンとは、ギリシャ語でαριθμός αστεριών「asterion」で、星の数という意味です。(発音がちょっと違う。)
「――ようこそ、《アスティリオン》へ。」
ゲーム内の画面が点灯し、目の前に広がるのは、圧倒的な美しさを誇るファンタジーの世界だった。
広大な草原、遠くにそびえる城壁、そして空を飛ぶ幻想的な生物。現実では到底体験できない景色が広がっている。ああ、これがVRMMOの世界か。
「正式サービス、ついに開始か…」
俺、悠希は思わず息を呑みながら周りを見回した。
先行して行われたベータテストの段階でも一通りのシステムやバグはチェック済みだったが、今回は本格的なサービスの開始だ。俺はそのテストプレイヤーとして、他のプレイヤーよりも一足先に世界に足を踏み入れていた。
登録したキャラクターアバターは、基本的に「俺」をそのまま再現したものだった。かろうじて変えた髪型や目の色、少しだけ容姿を変えたくらいだが、気に入っている。
「さて、最初のクエストは…」
画面に表示されたミッションリストを確認しつつ、俺はゲーム内のガイドラインに従って進んでいく。すると、目の前に広がる草原の向こうに、ちらりと人影が見えた。
「あれ、他のプレイヤーか?」
俺はその人影に向かって足を進めると、すぐにその人物の姿がはっきりと見えてきた。
薄紫色の髪を持つ、一人の少女。彼女は手にレイピアを構え、何かを見つめている様子だった。
その姿には、どこか初心者特有の不安げな表情が浮かんでいる。
「おい、君もこのゲームのプレイヤーか?」
思わず声をかけた。
「うん。」
少女は少し驚いた様子で振り返り、そしてすぐに笑顔を見せた。
「私、紀更。よろしく!」
その笑顔には、どこか頼りなさげな部分がありながらも、どこか温かみが感じられる。
「俺は悠希。最初はソロでやるつもりだったけど、君も初心者っぽいし、よかったら一緒にやらないか?」
紀更は少し考えた後、頷いた。
「うん、私も一人だと不安だし、協力してもらえると助かる!」
でも、その後すぐに、少し照れたように顔を赤らめて小声で続けた。
「…別に、あなたが強いから頼んでるわけじゃないんだからね!勘違いしないで!」
「ふぅん、そういうことにしておくか。」
俺はその反応に少し笑いながら、紀更と一緒に歩き出した。
少し歩き回ると、草原の中に数匹のモンスターが現れた。敵のレベルは低く、攻撃力もそれほど高くはないが、最初の戦いにはちょうど良い。
「まずは、俺が先に行って敵を引きつけるから、君は後ろからサポートしてくれ。」
「わかってるわよ!私だって一人で倒せるんだから!」
紀更は少しムッとした顔でそう言いながら、レイピアを構える。
「まぁ、任せるけどさ。」
俺は軽く肩をすくめて、片手剣を構えた。
戦闘が始まり、俺は数匹のスライムに向かって突進した。素早い動きで片手剣を振るうと、スライムはあっけなく弾けて消えた。
「おお、なかなかいい感触だな。」
紀更は、俺が倒したスライムのすぐ隣で、すかさずレイピアを振り下ろしてもう一匹を倒した。
「ほら、私だってこれくらい簡単にできるんだから!」
でもその言葉には、少し不安そうな表情が混じっている。倒すたびに、少しずつ自信を取り戻しているようだ。
「うん、上手いじゃん。」
俺はそんな紀更を見て、軽く褒める。すると、紀更は顔を赤くして首を振った。
「べ、別に…ただの雑魚だし!これくらい普通でしょ!」
「まぁ、確かに…でも、ありがとうな。」
その後も、戦闘を続けていると、俺はレベルが2に上がった。
「レベル2、ちょっと強くなった感じだな。」
紀更も同時にレベルアップし、嬉しそうに言った。
「やった、レベル2だ!これで少しは戦いやすくなったよね!」
俺はにやっと笑いながら、振り返って言う。
「お、結構嬉しそうだな。」
「な、なんでそんなにニヤニヤしてるのよ!」
紀更は顔を真っ赤にしながら怒った。
「べ、別に嬉しくなんてないんだからね!」
「はは、そうかよ。」
俺はその様子に少し楽しんでいる自分を感じつつ、次のモンスターに向かって走り出した。
そして、しばらく戦い続ける中で、俺はレベルが4に上がった。
「お、これで少しは強くなったな。」
紀更もレベルが3に達して、レイピアの攻撃がますますキレ味を増してきた。
「うるさいなぁ…」
紀更はそう言いながらも、少し嬉しそうな顔を隠せずにいた。
「まぁ、確かに前よりスムーズに倒せるようになったな。」
「当たり前じゃない!私、結構頑張ってるんだから!」
紀更の言葉には、相変わらずツンとした口調が混じっているが、その瞳の奥にはどこか自信と誇りが見え隠れしていた。
レベルアップするたびに、紀更の成長も感じられる。最初は頼りなげだったが、今ではしっかりと戦闘に参加し、俺と一緒に戦う姿が頼もしく思えてきた。
紀更はツンデレな性格だから、あまり素直に感謝の気持ちを伝えることはないけれど、その態度からはしっかりとした信頼感を感じることができる。
「面白い!」「続きが気になる!」など
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