01 始まり
西暦20️50年、科学技術は大きく進歩して多くのものが変わっていった。
娯楽も例外ではなく、ディスプレイ型のゲームからVR型のゲームが主有になった。
暗く、静寂になっている部屋に大きな声が響いた。
「くそっ、発売から出遅れちまった。」
そんなことを漏らしながら俺、白村 海はニヤニヤとしながら、デバイスを頭につけた。
受験期と新作の発売が重なってしまい、明王コーポレートのガイヤリング・クリエイトの初動に乗り遅れてしまった。
そんな事情もあり、ようやくできることとなり、内心ワクワクしていた。
うぃぃぃーーーん
ゲームを起動し、体を寝かせた。
ーーー明王コーポレートーーー
〜〜〜ガイヤリング・クリエイト〜〜〜
長いロードを待って、ようやくロードが終わった。
「やっと始まった。流石にロード長すぎな。まじで。」
悪態をつきながらも、作り込まれたスタート画面に感動しながらスタートを押した。
「まずはキャラ設定か。おっすげー種類あるじゃん。」
PN:カイン Lv,1
種族:エルダードワーフ
1stjob:傭兵(盾)
2ndjob:×
HP 20 MP 5
ATC 10 TNK 50
MAT 5 MTK 20
CTL 30 STG 10
「まあ、こんな感じか。」
意気揚々と自分のステ振りなどを決め、自分のアバターをじっくりと見て、少しニヤけた。
基本的に一人プレイだし、ゆっくりプレイを基本とするので素早さを削って、耐久にまわした。
決定ボタンを押し、opが流れ始めた。
神に愛されし、この大地に邪悪が蔓延した。
その邪悪を討ち滅ぼすために多くの冒険者が
旅立った。しかし、その殆どが姿を消し、
残ったものは、何も言わず時代が過ぎていった。
今、果てなき探究心を持った者たちが果を目指し、
冒険に旅立つ。そうあなたたちが。
この文章が流れたあと、視界が暗転した。
俺はそっと目を閉じた。
次に目を開けると、多くの山がそびえ立ち、木々が広がり葉と葉の間から日がさしていた。
「おぉ、これがガイアクリエ。ここから俺の冒険が始まるのか。」
息を呑み、俺はきれいなグラフィックに目を奪われた。
そして体を動かし、冒険を始めた。