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キスをねだられ嫉妬が生まれ  作者: アルランド
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過去の出来事と暖かい朝食

昔少し会っただけなのに、俺の家に不法侵入してきたのだろうか。

話を聞き思い出した記憶と今の状況がかみ合わない。

大体彼女は俺にぞっこんのような態度だが、それほど惚れられる思い出もやり取りもしてないと思う。


あの2回の夏の合わせても1か月に満たない程度の出会いだったはずだ。

「どうしてうちに来たのか聞いていいかな」

やっと落ち着いたのかおとなしくベットに座っている彼女に対し俺は警戒しながら壁にもたれかかり腕を組んで距離を置いて立っている。

彼女がどうやって俺の家にこれたのか、何故鍵の閉まったドアを開けれたのか、

親父は海外だが母親が知り合いと旅行に2日泊まりに行っているこのタイミングで

来た理由が分かった。


どうやら俺の実家のじいちゃん、ばあちゃんに電話番号を聞きうちに電話をかけてきていたらしいのだ・・・それも3年も前から。

その事を俺に秘密にするように言われていた母さんも俺に比島さんの事を黙っていたそうで、

こちらに引越しできる算段がついたこのタイミングで事前に渡されていた鍵で入ってきたらしい。

息子を宜しくと言われたとか言っているが・・・あの親は・・・

それでもそこまでして俺に会いに来た理由が俺の足の傷がどうこう言っていたが・・・


とにかくその日はすぐに帰れないと譲らなく、もう深夜2時を回っていたので隣の空き部屋に泊まってもらった。

もう入ってこられないように警戒して部屋の鍵を閉めた・・・また襲われそうだったので・・

一緒に寝たいなどと言いつつ顔を膨らませて抗議していたがそうはいかない。



あまり深く眠れなったせいでかなり寝不足で起きた。

どうやら鍵を開けて入ってくるということはしなかったようだ。

うちは二階建てで誰もいない時は静寂なのだが今日は朝から下で物音が聞こえる。

どうやら夢が何かしているらしい。


2階の自分の部屋を伸びをしながら出て、一階にパジャマのまま降りる。

「おはよう。由樹兎君」夢はエプロン姿で朝ご飯を作っていた。

ポニーテールに纏められた髪がゆらゆら揺れている。

可愛らしいピンクを基調としたデザインにフリルが沢山施されているエプロンを付けている。

昨日電灯をつけてみた時も思ったが、改めて見てかなりの美少女だ。

動きもテキパキしていて慣れた手つきで次々と料理を作っている。


「あの・・・比島さん・・これは」

並んでいる目玉焼きの載ったパンとサラダとコーヒーをみて言った


「もちろん由樹兎君に愛を込めた朝食を作ってみました・・だよ。」

独特のニュアンスで話す。

どうしたものかと頭を掻きながら考えたが有難く頂くことにした。

「ところで近くに引越しできることになったって昨日言ってたけどどの辺に引っ越すのかな」

あまり近いと身に危険を感じるのだが・・・

「えっ・・・」なんだかきょとんとした顔を小首を傾げる夢。

その後少し間をおいて二マッと顔が緩む。

何故だろう嫌な予感しかしないのだがお袋と比島さんが二人揃って悪代官と越後屋の姿で高笑いしている様子が脳裏に浮かぶ。


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