夜這いからの劇的な再開と嫉妬の炎2
「どうしてですか・・・いいじゃないですか。
私はしっかりと意識のある時の由樹兎さんともキスがしたいです」
肩を抑えてるにも関わらず彼女はこちらにぐいぐいと体を寄せようとしてきている。
その潤んだ瞳とロングヘアの美しい女性の姿が月明りで映し出される。
「君は一体誰なんだ。なぜ俺の部屋にいる?」
熟睡していたにも関わらず一気に目が覚めた。
「申し遅れました。わたくし比島夢と申します。貴方と結婚する予定の許嫁です」
相変わらず少し微笑んだ顔つきでグイグイ間を詰めてくる。
「い・・・いいなずけ??」
どういう事だ?内は資産家じゃないし親父達からそんな話は聞いたことが無い
大体そういった話を俺抜きで決めるるようなタイプの親ではないと思う。
「すみません。許嫁とは少し違うかもしれません」
そういうとこちらに詰め寄るのを止めて俺の胸板を触る。
「おい・・・」俺はすぐさま止めさせる。
いけずと小さな声がきこえる。
「とにかく私は貴方が好きです。結婚を前提にお付き合いしてください」
キラキラした瞳でこちらの様子を伺う。
かなり薄暗い中でも肩より少し長い黒髪が妖艶に踊っている
「いきなりそんな事を言われても・・俺は君のことを全く知らないんだが」
俺はうまく彼女にどいてもらい姿を確認する為にも電気をつけた
比島夢となのった彼女はいくら考えても知らない女性だった。
名前にも心当たりはない。