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絶望論

作者: 無名

絶望論

Ⅰ 概要

Ⅱ 分類

Ⅲ 本質

Ⅳ 総括

まず、絶望とは字の如く望みが絶たれた状態である

世間一般で言う絶望とは悲観的な感情を言語化したものであると私は考えている。しかし、私が考える絶望は少しニュアンスが違う。

例えば、余命宣告された。とする。確かに、生命存続の大危機であるから「生き続けることができる望み」が絶たれた訳で、それは絶望という語句が当てはまる。

これが一般的な使われ方をする絶望だろう。

私が考える絶望とは「逃れることができない永遠の苦しみ」である。それは死や生ではなく、ましてや一時の感情や出来事で「絶望」という語句は当てはまらない。悲観的な語句でもない。

不変の苦しみは我々が意識を持っている間続く。意識という生命的実感は延々と続く苦しい人生を体感できる唯一の感覚だ。

では、その「延々、永遠に続く苦しみ」とは何かと問えば。

人生そのものだと考えている。

我々には幸福などない。幸福とは幸福であると定義された範疇でしかなく人造的心理に過ぎない。不幸も同じである。日本とインドでの「死」への倫理観が違うように、幸福と不幸は文化と共に人工的に作られてきたものだ。

故に幸福や不幸などはなく、我々にある路は無限の生命活動という奴隷的束縛だ。それこそが私の言う「永遠に続く苦しみ」である。すなわち絶望だ。

人為的絶望は感情論であるが、私の考える絶望は生物学と結びついている。

勿論、感傷的な絶望や生命危機的絶望、文化的絶望も私の考える「絶望」に入るが、本質はついていない。

人間は空も飛べないし、海では呼吸ができない。陸では気温適応力が乏しく、生活形態が安定しない。私は人間が地球で最も弱く、最も生きにくい生物だと考えている。

他者を慮らなければ排外。他者と違う部分があれば迫害。他者と関わらなければ死に直結する。つまり人間は他者と死ぬまで関わりながら生命活動をしなければならない。

また人間世界は平等ではない。それは自然界の不平等である食物連鎖よりも不条理な不平等だ。生まれた環境や他者の選択によって自分が人間世界から完全に摘み出され、死に追いやられることは自然界でもないだろう。

確かにこのような感傷的、感情的絶望論も私の絶望の大事な一部分ではある。

絶望論とは絶望の総括に等しく、また動乱や病気などによる人間世界の空間的絶望も統括している。永遠に続く生命活動は、イコールで永遠に続く隷属活動であると述べたが。紐解けば、生命活動的絶望論とは、この狭く息苦しい地球に生まれることが絶望的であると根拠付ける活動経過であるのだ。

感傷に浸りたいわけでもなく、ただ単に真理に到達したまでである。地球は人間には既に狭くなってしまったし、人間は地球を知りすぎてしまった。そのせいで、日々の熾烈な生命活動が徐々に固定化した生命活動に変わり、現代では完全に隷属活動として定着してしまった。

我々は生きたいと願って生きているわけでも、死にたいと心の底から考えて死んでいるわけでもない。我々は地球の環境に適応できないが故に地球に「生かされている」のだ。

地球環境は生半可な生命活動は許さないから、非適応生物である人間には重圧がかかっている。人間は一見地球を掌握しているように見えるが、全く違う。寧ろ地球を掌握しているのは生命活動という概念である。

我々は鎖に繋がれた一生物に過ぎない。そこに地球からの呪縛とそれに基づいた永遠の苦しみという「絶望」があるのだ。

ありがとうございました。

もしよかったら他の作品も暇な時間にでも読んでくださればなと思います。

再三ですが、読んでくださった方、ありがとうございました

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