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日和見なひまわり。

作者: あおい ひまわり。

その首に、大事なネックレスを括り付けた。

もう解く機会はないから、ただひたすら固く、何重にも。

唯一配慮した点といえば、飾りが正面にくるよう、最後の一締めで無理やり引っ張ったところだろうか。


いつも絶妙に目が合わない、君は照れ屋さん。

お天道様が雲に隠れていても、君の視線は上の空。

私はいつだって君を見ているから、分かる分かる。


ひもすらが、また、ひもすがら。

見ていると、君が萎びれてきた。

装飾より輝いていた君が、装飾より輝けなくなったようだ。

想定内の想定外。

分かってはいても、なんて悲しくて堪らない。

"お天道様を倒せないなら"と、私なりの苦肉の策。

やはり、首など締めなければ良かったのだろうか。


その首に括り付けたネックレスを必死に解いていると、君がぼとりと足元に落ちた。

私の頭に過る希望。

ゆっくり見下ろすと、君が上を向いていた。


それは私を貫いて、もうじきお天道様に届く眼差し。


青空の下、ジリジリ暑い。

ポタリと地面に、汗が垂れた。

ポタリポタリ、ポタポタと。


これが、最初で最後の、君への水やり。


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