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☀「 セロ 」もしも、マオとセロフィートが退魔師になったら……。  作者: 雪*苺
一三一日目 【 アナタは信じますか? 】
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⭕ この橋、渡るべからず! 1


──*──*──*── 閻渡碼街道


──*──*──*── 大橋の前


マオ:厳蒔磨絽

が依頼書に書かれてるえん街道にある大橋か…。

  なんて……デカくて長くて立派なんだ… 」


厳蒔弓弦

「 マオ……言い方には気を付けた方がいぞ? 」


絲腥玄武

「 横幅が広いな。

  この大橋を渡らなければ向こうぎしへは行けないようだ 」


セロ:式神

「 今は妖魔が出る事で、渡舟を利用し、向こうぎしへは渡っているようですね 」


挧氤 黐音

「 …………妖魔の気配はしませんね…。

  ほんとうに妖魔が出るのでしょうか? 」


絲腥玄武

「 うむ、たしかに妖魔の気配は感じんな。

  昼間だから──という訳でもあるまい 」


セロ:式神

「 さて──、妖魔はに隠れているでしょう 」


厳蒔弓弦

「 隠れている──か。

  隠れる場所と言えば、大橋の下ぐらいか 」


絲腥玄武

「 大橋の下にはそうに無いな。

  川の中に潜んでいる可能性はないか? 」


厳蒔弓弦

「 大橋を利用する通行人に尋ねた情報を纏めると、“ 大橋を渡ろうとした者の姿が忽然と消える ” というのが殆どだ。

  奇妙な現象が大橋で起こるの間違いないのだろう 」


挧氤 黐音

「 目撃者も多いみたいですし、疑いようはないかと思います 」


絲腥玄武

此方こちらからも彼方あちらからも大橋を渡れぬように通行禁止になっているな。

  妖魔を炙り出すには、どうするべきか… 」


マオ:厳蒔磨絽

「 分かった! 」


セロ:式神

「 はい?

  マオ、なにが分かりました? 」


マオ:厳蒔磨絽

「 ふっふ~~ん!

  これは、アレだよ! 」


挧氤 黐音

まお殿、“ あれ ” とはなんですか? 」


絲腥玄武

われも “ あれ ” とやらが気になる 」


マオ:厳蒔磨絽

「 一休さんだよ! 」


厳蒔弓弦

「 いっきゅうさん…??

  マオ、いっきゅうさん…とはなんだ? 」


マオ:厳蒔磨絽

「 これは、頓知なんだよ! 」


絲腥玄武

「 とんち…?? 」


マオ:厳蒔磨絽

「 そうなんだ。

  これは、一休さんの頓知と似た原理──、妖魔から利用者達への問い掛けなんだよ! 」


絲腥玄武

「 ………………妖魔は人間に問い掛けないと思うが? 」


マオ:厳蒔磨絽

「 これは──そう、一休さんで有名な【 この橋、渡るべからず事件 】と酷似してるんだ!!

  『 この橋、渡るべからず 』ってのは、『 橋を渡るな! 』って意味じゃなくて、『 左右の端を渡るな 』って意味なんだよ!

  だから、大橋の利用者達は、どう(どう)と大橋の真ん中を歩いて渡ればいんだ! 」


セロ:式神

「 マオ、はなしを聞いてました?

  大橋を渡ると姿が忽然と消える怪奇現象が起きます。

  被害者が出ぬよう、現在は通行禁止になってます 」


マオ:厳蒔磨絽

「 えっ?

  そうなのか??

  駄目じゃん 」


セロ:式神

「 駄目ですね 」


マオ:厳蒔磨絽

「 折角、オレなりに推理してみたのに…… 」


セロ:式神

「 マオの迷推理は健在ですね 」


マオ:厳蒔磨絽

「 渡ろうとしたら姿が消える──か。

  神隠しかな?

  ………………一応、確認しときたい──。

 { この事件にセロは関与してないんだよな? }」


セロ:式神

「 はい?

 { ワタシを疑います? }」


マオ:厳蒔磨絽

「{ 新しい実験台モルモットの確保とか〈 合成獣キメイラ 〉の餌を補充するとか、理由はあるだろ?

   セロなら転移魔法を大橋に仕掛けるなんてのは朝飯まえじゃんか! }」


セロ:式神

「{ たしかにワタシになら出来ますけど、こんな御粗末なやり方はしません。

   騒ぎにならないようくやります }」


マオ:厳蒔磨絽

「{ じゃあ、セロは完全に無関係なんだな? }」


セロ:式神

「 当然です 」


厳蒔弓弦

「 ──セロ、どうした?

  なにが『 当然 』なんだ?

  なにか分かったのか? 」


セロ:式神

「 奇妙な怪奇現象が起こる原因を考えてました 」


厳蒔弓弦

「 そうか。

  なにか分かったのか? 」


セロ:式神

づるさんに矢をってほしいです 」


厳蒔弓弦

「 矢をるのか?

  構わないが… 」


挧氤 黐音

「 セロ殿、なんの為に矢を? 」


マオ:厳蒔磨絽

「 そうだよ。

  った矢でなにが分かるんだ? 」


セロ:式神

づるさんにってもらうのは、特殊な矢です。

  特殊な紐を結び付けた矢です。

  先ずは紐をみなさんの腰に結び付けます 」


 そう言ったセロは、矢に結んである高価そうな金色の紐をオレの腰に結び付ける。

 1メートルの間隔を開けて、セロは自分の腰に金色の紐を結び付けた。

 3番目はづるさんの腰、4番目はげんさんの腰、5番目はウーインさんの腰に結び付けると、紐の先を再び矢に結び付けた。

 矢に結ばれている紐は、のようになった。


マオ:厳蒔磨絽

「 セロ、なんだよ、これ。

  なんで、こんな事する必要があるんだ? 」


セロ:式神

「 はぐれない為です。

  づるさんが矢をれば分かります 」


 セロは弓と金色の紐を結び付けてある矢をづるさんへ手渡した。

 セロから弓矢を受け取ったづるさんは、弓矢を構えると、セロが指示する方向──大橋の方へ向けて矢をった。


 づるさんのった矢は、大橋へ向かって飛んだ筈なのに消えた。

 腰に結び付けた金色の紐が物凄い力で引っ張られている。

 オレ達の身体からだは、金色の紐に引っ張られて大橋の方へ動いた。






──*──*──*── 何処か


 気が付いたら、見知らぬ場所にた。

 あった筈の大橋が無い。

 あるのは白い骸骨だけだ。


マオ:厳蒔磨絽

だよ、は── 」


セロ:式神

は妖魔の領域テリトリーのようです。

  白骨は大橋へ踏み入れた被害者達の成れの果てです 」


絲腥玄武

「 妖魔にわれたか… 」


挧氤 黐音

「 ──妖魔の気配がしませんね。

  に妖魔がるのですか? 」


厳蒔弓弦

領域テリトリーを展開する妖魔が存在するとは初耳だな。

  どうしたら出られるんだ? 」


セロ:式神

領域テリトリーを展開しているぬしを倒すしかないです。

  妖魔も進化しているようです 」


絲腥玄武

「 セロ、この紐はどうするんだ?

  付けたままがいのか? 」


セロ:式神

はずして問題ないです 」 


 そう言ったセロは、金色の紐を〈 (原質)(みなもと) 〉に変換した。

 金色の紐を結び付けられた矢も〈 (原質)(みなもと) 〉に変換されたみたいだ。


セロ:式神

「 妖魔が現れたら、マオはおとりとして最前線へ出てください。

  妖魔の気を引くように 」


マオ:厳蒔磨絽

「 はぁ?!

  またオレがおとりになるのかよ! 」


セロ:式神

の無いマオに出来るのは、おとりとして妖魔の気を引く事です。

  マオにしか出来ない役目です。

  しっかり果たしてください 」


マオ:厳蒔磨絽

「 分かったよ……。

  オレに道化ピエロを演じろってんだな! 」


セロ:式神

「 お願いします。

  マオの頑張りに掛かってます。

  げんさんは木属性のほうじゅつで妖魔の動きを封じてください 」


絲腥玄武

「 うむ。

  妖魔の動きを封じるのは任せるとい 」


セロ:式神

づるさん,ウーインさんは妖魔への攻撃を優先してください 」


マオ:厳蒔磨絽

「 セロはなにするんだよ? 」


セロ:式神

「 ワタシです?

  ワタシは妖魔の防御力,素早さ,攻撃力,命中率を低下させます。

  づるさん,ウーインさんの素早さ,攻撃力,命中率を上昇させ、サポートします 」


絲腥玄武

「 マオが前方,づるウーインわれが中間,セロが後方か 」


セロ:式神

「 餌を撒いて妖魔を誘き出します 」


挧氤 黐音

「 餌を撒く…ですか?

  セロ殿、なにをするのですか? 」


セロ:式神

ウーインさん、見えなくてかったですね 」


 そう言ったセロは転移魔法を発動させる。

 魔法マジカルサークルから現れたのは、ぱだかの人間達だ。

 もしかして、〈 合成獣キメイラ 〉の餌にする為に確保してた人間達を転移させたのか?

 セロ──、やるなぁ!


 突如、大勢のぱだかの人間達が現れたから、づるさんもげんさんも驚いている。

 産まれたときと同じ、なにも纏わない姿で大勢の人間が現れたら、そりゃ驚くよな~~。

 ウーインさん、この異様な光景を見れなくてかったね★


 大量の人間を妖魔の領域テリトリーに投入した事で、領域テリトリーに変化が起きた。

 空気が変わったんだ。


挧氤 黐音

「 ──妖魔の気配がします!! 」


厳蒔弓弦

「 戦闘態勢に入った方がさそうだな 」


絲腥玄武

「 陣形を組もう。

  マオ、行けるか? 」


マオ:厳蒔磨絽

「 オレはでも行けるよ 」


 オレは腰に下げてるあいとうを鞘から抜いて構える。

 オレの背後に立つのは、右からウーインさん,げんさん,づるさんだ。

 げんさんの後ろに立つのはセロだ。


 セロはしいを歌って、づるさん,げんさん,ウーインさんの素早さ,攻撃力,命中率を上げる。

 オレにしいを歌ってくれないのがせないけど、妖魔との戦闘を有利に進めるには優先的に3人を強化しないといけないのは分かるんだよ。

 だけどさ──、1度ぐらいはオレにもしいを歌ってくれてもバチは当たらないと思うんだよ!


 いや、それよりもだ、オレ達は大事な事を忘れている!!

 キノコンがるじゃん!

 キノコンに妖魔へ目掛けてキノコンほうを放たせれば、簡単に倒せるじゃないかよ!!

 わざ(わざ)陣形を組んで、妖魔と戦う必要なんてないんだよ!!


 そうだよ、最前線に立つのはオレじゃなくてもいんだ!

 セロに頼んでキノコンと交代してもらおう!

 キノコンの放つキノコンほうを御見舞いしてやれば、妖魔なんて秒で消し炭だ!!

 オレ、冴えてるじゃん!!


 ──というわけで、オレはセロへ直談判する事にした。

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