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☀「 セロ 」もしも、マオとセロフィートが退魔師になったら……。  作者: 雪*苺
一三一日目 【 アナタは信じますか? 】
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⭕ パーティ結成? 2


 新たに壁へ掛けられた木製の名札を見てみる。

 “ げんじのづる ” と名前が黒字で書かれた名札の右横に、“ ウーイン チェイン ” と名前が黒字で書かれた名札が掛かっている。

 ウーインの名札の右横には、“ げんじのまお ” と名前が赤字で書かれた名札が掛けられている。

 名札には退魔師の階級をあらわす色付きの紐も結ばれている。


 ほかにも複数人で班を組んでいる退魔師の名札が掛かっている。

 ほかの班は5名 ~ 7名ほどと多いようだ。

 づるウーインほかの退魔師に比べれば強い方だ。

 われる事だし、本来ならば2人で十分ではある。

 セロフィートと行動しているマオは、1人でも十分過ぎるだろう。


 ほかの退魔師達から “ らいの弓を愛用するへんじん ” と揶揄され、避けられているづると、“ 気功師という異種業の盲目青年 ” として退魔師達から腫れ物扱いされているウーインと、退魔師になったばかりの少女(外見だけ)陰陽師のマオとの組み合わせは、色んな意味で退魔師達に注目される事だろう。

 セロフィート,キノコン,われるのだから、話題に上がらない筈がないな。


絲腥玄武

「 名札も確認した事だし、依頼を受けてひるにするか? 」


厳蒔弓弦

「 そうだな。

  少し早いが移動しているあいだに正午になるだろう 」


挧氤 黐音

「 私も賛成です。

  どの依頼を受けますか? 」


 われは依頼帳が並べられている棚を指差し、づるに尋ねる。

 われづるが愛用するらいの弓をしろにしているゆえづるの式神だからな。

 1番にづるに意見を求めるのは当然の事であろう。


 ウーインも乗ってるとは思わなかったが、これからともに組む仲間となったウーインの意見も聞くべきだな。

 ウーインも交ぜて3名で依頼帳を見る事にした。






マオ:厳蒔磨絽

「 …………セロぉ、もしかしてさ、オレって?? 」


セロ:式神

「 はい?

  なにか言いました? 」


マオ:厳蒔磨絽

「 全然会話に入ってないと思ったらほかごとしてたのかよ… 」


セロ:式神

ウーインさんの気功いんを入手しましたし、りきを練り作る気功の仕組みも解明したいですし、ほうりきの解明もしたいですし──、楽しみが尽きません♪ 」


マオ:厳蒔磨絽

「 楽しそうでなによりだよ…。

  気功って使えそうか? 」


セロ:式神

りきと気功を解明する為には気功師が必要です。

 { キノコン達に気功師を探すよう指示を出しました。

   見付け次第、拉致するよう指示も出してます }」


マオ:厳蒔磨絽

「{ はぁぁぁ?!

   キノコン達になにさせてんだよ!

   拉致させるって──誘拐すんのかよ? }」


セロ:式神

「{ はて──、そんな事(拉致するなんて)言いました? }」


マオ:厳蒔磨絽

「{ とぼけんな!

   さっきガッツリ言ったろが! }」


セロ:式神

「{ 安心してください、マオ。

   拉致──いえ、捕獲するのは悪い気功師ばかりです。

   安心してください♪ }」


マオ:厳蒔磨絽

「{ なんで2度も言うんだよ…。

   “ 捕獲 ” って言葉を変えても事は同じだろうが!

   あんま酷い事はしてやるなよ? }」


セロ:式神

「 はいはい。

 { 壊れない程度に加減はします }」


マオ:厳蒔磨絽

「 前科が有り過ぎて信用出来ないんだけど…… 」


セロ:式神

「{ 気功を自在に扱えるキノコンを生み出せたら凄いと思いません? }」


マオ:厳蒔磨絽

「 セロ……。

 { キノコンを今より強くしてどうすんだよ!

   今でもじゅうぶん強いんだから、気功なんて覚えさせる必要ないだろ?

   キノコンになにさせる気だよ… }」


セロ:式神

「 マオの為です。

  すべては “ マオの助け ” となるキノコンを生み出す為です 」


マオ:厳蒔磨絽

「 セロ…(////)」


セロ:式神

なにかを成し遂げる為には大なり小なり犠牲が伴います。

  スッパリと割り切りましょう 」


マオ:厳蒔磨絽

「 オレには割り切れないっての… 」






絲腥玄武

「 セロ──、はなしちゅうに済まない。

  受ける依頼の候補を選んでみた。

  れがいか意見を聞かせてくれないか 」


セロ:式神

「 はいはい。

  拝見しましょう 」


マオ:厳蒔磨絽

げんさ~~ん!

  オレも見たいよ 」


絲腥玄武

「 あぁ、そうだな。

  セロと一緒に見てくれるか? 」


マオ:厳蒔磨絽

「 うん!

  ──セロ、オレにも見せてよ 」


セロ:式神

「 はいはい。

  一緒に見ましょう 」


 セロフィートとマオはく口論をするようだが、なんだかんだ言ってもなかい。

 マオにとってのセロフィートは、甘えられる唯一無二の存在なのだろうと思う。

 なかむつまじいマオとセロフィートの様子は微笑ましいな。


 づるものかなしげそうなをして、マオとセロフィートを見詰めているようにわれには見える。

 ふむ……づるもセロフィートに甘えたいのだろうか?

 われが見てもセロフィートは頼りがある。

 われも依頼候補について、セロフィートに意見を求めるぐらいだからな。


 づるは長男として十分過ぎる程、頑張ってたと思う。

 誰かに頼ったり、甘えたり、弱音をいたり、弱味を見せられる相手が必要だろう。

 包容力のありそうなセロフィートならば、づるの苦悩も受けめる事は容易だろう。

 しかしだ、なにせ相手はセロフィートだ。

 おおを張って、薦める事はむずかしいと感じてしまう。

 セロフィートは基本的にマオ以外は眼中にないように見えるしな。






セロ:式神

「 ──この依頼にしましょう。

  橋の上に現れる妖魔退治です 」


マオ:厳蒔磨絽

「 橋を占領してる妖魔か。

  このメンバーなら余裕じゃないかな! 」


セロ:式神

「 マオ、油断は禁物です。

  依頼書の内容だけで判断するのはあさはかで軽率です。

  素人が起こし易い失敗の要因ですよ 」


マオ:厳蒔磨絽

「 くぅ~~、根拠の無い事をにももっともらしそうに言いやがってぇ~~!! 」


セロ:式神

「 間違ってはないでしょう?

  ワタシは可能性のはなしをしてるだけです 」


マオ:厳蒔磨絽

「 むぅ~~ 」


挧氤 黐音

まお殿とセロ殿はなかいのですね。

  まるで兄弟のように見えます。

  あ……づる殿の前で申し訳無い事を──。

  口が過ぎました… 」


厳蒔弓弦

「 いや、ウーインの言う事は正しいな。

  私はマオととしが離れているし、五行軍に身を置いていた事もある。

  私はマオに兄らしい事をしてやれた記憶は無いんだ。

  むしろセロの方が私よりもマオと接する時間の方が長かった。

  セロの方がマオの兄らしく見えるのは当然だ。

  ウーインが謝る事はないし、気にする事もない 」


 づるさん!!

 ナイスフォローだよ!!

 ほんの事と嘘を絶妙に噛み合わせて、ウーインさんに事情を説明しつつ、落ち込まないように励ましてる!

 づるさん──、ほんに18歳なのかな?

 オレが18歳だったときよりも全然大人なんだけど──!!


セロ:式神

「{ 18歳のマオに見せてあげたいですね }」


マオ:厳蒔磨絽

「{ 言うなぁ~~! }」






絲腥玄武

づる、この依頼で頼む 」


厳蒔弓弦

「 分かった。

  手続きをしよう 」


 づるわれから5枚の依頼書を受け取ると、4枚の依頼書を受付人へ渡し、1枚の依頼書を提出する。

 受付人は受け取った1枚の依頼書に、承認いんしくは受理いんを依頼書の上に押した。

 マオとセロフィートは “ すたんぷ ” と言っているな。


 受付人から依頼書を受け取ったづるは、依頼書をセロフィートへ手渡す。

 づるが依頼書をセロフィートへ手渡すのかというと、1枚しかない依頼書をセロフィートが増やしてくれるからだ。

 セロフィートは1枚の依頼書を古代エンシェント魔法マジックとやらで3枚に増やしてくれる。


セロ:式神

「 どうぞ、依頼書の複製コピーです 」


挧氤 黐音

「 ──セ、セロ殿!?

  今、なにをされたのですか?! 」


セロ:式神

じゅつで増やしました♪ 」


挧氤 黐音

「 き…きじゅつ……ですか?? 」


マオ:厳蒔磨絽

「 手品だよ!

  これを旅先ですると喜ばれてさ、路銀が集まるんだよ 」


挧氤 黐音

「 てじな……ですか?? 」


セロ:式神

「 旅で披露する余興の1つです。

  ワタシの十八番です♪ 」


挧氤 黐音

「 そ……そうなのですか… 」


 ウーインは狐に摘ままれたような顔をして驚いているようだ。

 盲目だと言うのに、まるで見えているかのような反応をする。

 盲目と言うのは嘘で、目隠しは「 盲目だ 」と周りを思わせる為の演出なのだろうか……。

 まぁ、われには関係無い事だがな。


厳蒔弓弦

「 依頼書があれば、現地で情報収集するときに役立つな。

  がとう、セロ 」


セロ:式神

「 どう致しまして。

  飲食店へ行きましょうか 」


厳蒔弓弦

「 そうだな 」


 退魔仲介所・本部を出たわれは、《 北地区 》にある飲食店へ向かって歩き出した。

◎ 訂正しました。

  気孔 ─→ 気功

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