⭕ パーティ結成? 1
──*──*──*── 翌日
──*──*──*── 平安京
──*──*──*── 北地区
──*──*──*── 退魔仲介所・本部
退魔仲介所の受け付けで弓弦と挧氤が其々に依頼書を出し、受付人から依頼終了のスタンプを押してもらっている。
弓弦と挧氤が其々に受けた依頼が終了したようだ。
セロ:式神
「 挧氤さんは何時も1人で依頼を受けてます? 」
挧氤 黐音
「 そうですね。
誰かと組んで依頼を受けた事は無いです。
私は目が見えませんし、他の退魔師からも距離を取られているようですから… 」
セロ:式神
「 マオは退魔師になり立てで、右も左も分かりません。
退魔師の先輩でもある弓弦様と組んで退魔師業を覚える予定です。
挧氤さんも一緒に組んでください 」
挧氤 黐音
「 はい?
私もですか? 」
セロ:式神
「 以前より妖魔も強さを増し、群れて出没するようになっています。
挧氤さんも強いですが、複数体の妖魔を相手に1人で戦うには限界があるでしょう。
複数で組み依頼を受けた方が戦闘時の効率も上がり、楽になります。
生存率も格段に上がりますよ。
マオの盾になってください 」
絲腥玄武
「 セロ、本音が出ているぞ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 オレの盾になるのは式神のセロだろが!
御免ね、挧氤さん!
セロが失礼な事を言って…… 」
挧氤 黐音
「 あ……いや、気にしていない。
確かにセロ殿の言う通りだと思います。
最近は天下の五行軍も “ 妖魔退治に苦労している ” との噂を度々耳にします。
事実なのか確かめようはないですが──、妖魔が日に日に強くなっているのは私も薄々感じていました 」
厳蒔弓弦
「 他の退魔師達も単独行動を避ける者も出て来ているようだ。
組むのは良い案だと思う 」
厳蒔磨絽
「 挧氤さんの剣を自在に操る気功術って凄いもんね!
挧氤さんが誰かと組むなら、オレは一緒に組みたいな! 」
セロ:式神
「 ワタシのマオも組むのには賛成のようですし、如何です? 」
挧氤 黐音
「 有り難い申し出です。
是非とも弓弦殿と磨絽殿と組ませていただきたい 」
絲腥玄武
「 決まりだな。
受け付けで登録してしまおう 」
厳蒔弓弦
「 そうだな。
私が登録を済ませよう 」
弓弦は受け付けの前に立ち、受付人に新たな登録を始めた。
弓弦が登録をしている間、マオは気功術について挧氤に質問をしている。
セロフィートも気功術には興味津々のようだ。
マオ:厳蒔磨絽
「 剣を操ってギューーーンって妖魔を攻撃するの格好良いよね!
空中でクルクル回ったり、ヒュンヒュン飛ばしたりさ、剣の舞を見てる感じで綺麗だよ!
複数の剣が一斉に刺さるのは見応えあるよね! 」
どうやらマオは、挧氤の気功術を気に入ったようだ。
弓弦も挧氤の剣技には見惚れていたしな。
男子というのは、あの様な剣技が好きなのだろうか?
セロ:式神
「 素早さ,命中率は高いですね。
単体への攻撃力も高いです。
但し、複数を相手にした場合、攻撃力が分散されてしまいますね。
単体に大ダメージを与えられても、複数体に対しては中ダメージに留まってしまいます。
攻撃力を上げる気功術は使えます? 」
挧氤 黐音
「 いえ、その様な術は使えません。
残念ですが…… 」
マオ:厳蒔磨絽
「 気功術でする攻撃は剣の舞を使うんだよね?
気功術で防御する時ってどうするの?
盾とか持ってないよね? 」
挧氤 黐音
「 防御には特殊な札を使います。
気力を気功札に込めると気功盾として使えます 」
マオ:厳蒔磨絽
「 特殊な札って? 」
挧氤 黐音
「 気功札は、これです。
黄色い札に予め文字を書いておきます。
気力を込めて使います 」
絲腥玄武
「 ほぅ、呪符に似ているな 」
セロ:式神
「 陰陽師が使う呪符は白い札に黒墨で文字を書きますね。
挧氤さんの使われる気功札は赤墨で文字が書かれています。
似てますけど、違いますね 」
挧氤 黐音
「 私には陰陽師が使う呪符は使えないのです。
気力を込める事が出来ないのです。
黄色なのは気力を込め易くする為です。
赤字なのは私の血を混ぜた赤墨を使っています。
これは私にしか使えない私専用の気功札です 」
マオ:厳蒔磨絽
「 自分専用の札を作れるなんて凄いんだね! 」
挧氤 黐音
「 功孔師は皆、自分専用の気功札を作り、持参しています。
悪用されるのを防ぐ為でもあります。
他の気功師からすれば私の気功札は紙屑同然なので、気力を込めても使えません。
札に文字を書く時には気力を込めますから、他人には使えません 」
セロ:式神
「 気功札ですか。
興味深い代物です 」
セロフィートなら挧氤専用の気功札も当然のように使えてしまえそうだな。
セロ:式神
「 挧氤さん、気功札を記念に1枚、マオにいただけませんか? 」
挧氤 黐音
「 記念ですか?
それは構いません。
では磨絽殿に1枚、お渡しください 」
セロ:式神
「 有り難う御座います。
額に入れて屋敷に飾らせていただきます 」
挧氤 黐音
「 がっ──額に入れるのですか?
そんな良い物ではないのですが…(////)」
セロ:式神
「 気功師様から頂いた貴重品です。
マオ、家宝にしましょうね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 セロが欲しいだけだろ~~。
オレをダシに使うなよな!
全くもう~~!
挧氤さん、セロが無理を言って御免ね。
大事な気功札を分けてくれて有り難う! 」
挧氤 黐音
「 ははは…。
何時でも使えるし、1枚ぐらい大丈夫です 」
どうやらセロフィートは、上手くマオをダシにして挧氤専用の気功札を手に入れたようだな。
本当に家宝にする気があるのか──、我には分からぬが気功札を何に使う気なのやら…。
悪事に使うような事はしないだろうが……。
不安ではあるな。
厳蒔弓弦
「 ──待たせてしまったな。
登録が済んだぞ。
名札を新しく作ってもい、壁に掛けてもらえたから見てみよう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 兄さん、手続きしてくれて有り難う! 」
厳蒔弓弦
「 大した事はしてない(////)」
挧氤 黐音
「 弓弦殿、任せきりで申し訳ないです。
助かりました 」
絲腥玄武
「 新しく作られた名札は──、これだな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 3人パーティって感じたね! 」
厳蒔弓弦
「 ぱーてぃ??
初めて聞く言葉だな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 玄武さんとセロも居てくれるから、5人パーティだね! 」
セロ:式神
「 マオ、手乗りキノコンも入れてください。
それに玄武さんとワタシは式神です。
3人と3体のパーティですよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 あっ、そっか。
忘れちゃって御免な、キノコン 」
手乗りキノコン
「 ボクは気にしませんエリ。
ボクは黒子に徹しますエリ☆ 」
◎ 訂正しました。
気孔 ─→ 気功




