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☀「 セロ 」もしも、マオとセロフィートが退魔師になったら……。  作者: 雪*苺
一三〇日目 【 陰陽師と退魔師と── 】
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⭕ 久し振りの再会 1


──*──*──*── 八角堂・付近


絲腥玄武

「 ──ほぅ?

  セロとマオがるのか? 」


手乗りキノコン

「 はいですエリ。

  転移魔法でられますエリ 」


絲腥玄武

づる──、セロとマオがるようだ 」


厳蒔弓弦

「 ──マオとセロがか?

  そう言えば、今日きょうは退魔師試験の結果発表の日だったな 」


絲腥玄武

「 試験に合格しているといな 」


づる殿,げん殿──、誰かるのですか? 」


厳蒔弓弦

「 あぁ──。

  弟のまおと式神だ。

  弟は陰陽師でな、退魔師になる為に退魔師試験を受けていたんだ 」


「 そうですか。

  弟殿が陰陽師とは心強いですね 」


絲腥玄武

「 式神のセロは頼りになる。

  助っ人としては適任だが、マオに対して過保護だ。

  必要以上にマオと関わらない方がいぞ 」


「 そうなのですか? 」


厳蒔弓弦

ウーインは盲目だから、心配ないだろう 」


絲腥玄武

たしかにな。

  余計な心配だったな 」






 われせいげんと言う。

 現在は退魔師であるげんじのづるの愛用するらいの弓をしろとして実体化している式神だ。


 われは生前、みかどだったじっが再婚したさいの息の掛かった手下に暗殺され、殺害された。

 われの肉体は既に無く、人為的な手法により肉体から抜き取られたわれたましいは、か碁盤へ封じられた。


 なんいんか──、かみ(しん)ほとけ(ぶつ)によるさいはいか悪戯か──、われは退魔師であるげんじのづるわたびとのセロフィート・シンミン,マオ・ユーグナルと出逢った。

 碁盤に封じられていたわれは、セロフィートが扱う古代エンシェント魔法マジックなる不可思議なちからはたらきにより、げんじのづるの愛用するらいの弓へうつされ、ひさかたりに実体化する事が出来た。

 げんじのづるの式神として、仲間に加わり、行動を共にしている。


 ウーインと言う名の人物は、八角堂の中で出逢った気功師だ。

 気功はほうりきと似ているらしく、ほうじゅつと似た気功じゅつを操り、妖魔を倒しているそうだ。

 気功じゅつりきと呼ばれるちからを武器に纏わせ、自在に操り、動かす事が出来るようだ。


 気功じゅつは攻防だけでなく、治癒にもてきしているのうりょくらしく、たいりょく回復,疲労回復,解毒,止血,傷口を塞いだりも出来るようだ。

 気功じゅつとはじつに便利なのうりょくのようだ。


 われにはほうりきと気功の違いがいまいち分からないが、セロフィートならば分かるだろうか…。

 セロフィートは気功師を名乗るウーインを珍しがるかも知れない。

 気功や気功じゅつに興味を持ち兼ねない。

 セロフィートに目を付けられ、趣味の実験とやらの実験台モルモットにされなければいのだが……。

 心配ではあるな……。


 ウーインは両目を隠すように黒い布を巻いている。

 盲目で見えないそうだ。

 先天性の障碍ではなく、後天性の障碍でもないらしい。

 瞳の色を気味悪がった両親に両目を傷付けられた事で、視力を失い盲目となったそうだ。


 じつの子供の瞳を故意に傷付け、盲目にする両親がるとはな──。

 更には両目からひかりを奪っただけでは飽きらず、視力を失ったウーインを山の中へ捨てたというのだから、酷い事をする両親もたものだ。


 山の中へ捨てられたウーインは、うんく “ 仙人 ” と呼ばれていた変わり者の気功師に拾われ、弟子として育てられたそうだ。

 仙人(気功師)の弟子となり、気功じゅつの基本と基礎を学び、気功じゅつを極めた事で晴れて気孔師として、師匠から1人立ちしたそうだ。

 視力を失った分、ほかのうりょくが発達し、現在では不自由さを感じないようだ。


 自身の不運な状況を悲観せず、なげく事も腐る事もなく、素直に受け入れ、みずから前向きに生きる事を選んだウーインには尊敬の念すら抱く。

 両目が見えていれば、美丈夫な色男であっただろうな。


 ウーインから聞いた内容だからな、真実なのかいつわりなのか──、われには分からない。

 真実であろうといつわりであろうと、われには関係無い事だ。

 づるウーインの身の上ばなしに対して、どう思っているか知らぬが──、われ構わないと思っている。


 なにづるウーインと気が合うようだ。

 としも近いようだし、友人が出来るのはい事だな。

 ウーインづるき友人となってくるとわれも嬉しく思う。

 生前、立場上の理由もあり気を許せる友人を作る事も許されなかったわれにしてみれば、同性の友人は貴重だと思えてまない。


 づるにとってのマオは、弟のような存在に思えるし、セロフィートに関しては兄のような存在に思える。

 づるとセロは年齢が1歳違いだと言うが──、セロフィートの方がづるよりも年齢は上なのではないかと思えてまない。


 われづるからすれば、かなりの歳上だ。

 暗殺され、殺害された年齢は27歳だったしな。

 「 ともに年齢は関係無い 」と言う言葉があるが……、われにとってづるは友人というよりも弟のような存在と似ている。

 実際、生前にはていたしな…。






「 ──づるさ~~ん!

  げんさ~~ん! 」


絲腥玄武

「 ん──、マオか。

  久し振りに声を聞くが、元気だな 」


厳蒔弓弦

「 マオ──! 」


 われの気の所為だろうか?

 心無しかづるの声が弾んでいるように聞こえた。

 づるよ、セロフィートもるんだが──。

◎ 女同士でイチャ付く事を「 百合 」とか言いますけど、男同士の場合は何て表現するのでしょうね?


◎ 訂正しました。

  気孔 ─→ 気功

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