✒ 魔具職人に魔具を依頼する
──*──*──*── 魔具工房
マオ:厳蒔磨絽
「 此処に魔具工房があるのか? 」
セロ:式神
「 先へ進んでみましょう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん… 」
魔具工房の中は意外に広くて、武器によって工房が分かれているみたいだ。
オレは刀を作ってほしいから刀の工房を探さないといけない。
オレ以外にも退魔師が結構居て、工房の中を歩いている。
魔具の手入れやメンテナンスに来てるのかな?
弓弦さんが言ってたけど、簡単な手入れなら自分で出来るけど、長く大事に使うなら最低でも1ヵ月に1回は魔具職人にメンテナンスを頼む必要があるみたいだ。
メンテナンス代は結構高く付くらしい。
セロ:式神
「 ──マオ、ありました。
刀の工房です。
入ります? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん! 」
オレはセロと一緒にセロが見付けてくれた刀の工房の中へ入る事にした。
──*──*──*── 刀工房
工房の中へ入ると大勢の女性が作業に打ち込んでいる。
女の魔具職人も居るんだ?
職人だから、むっさい男ばっかりだと思ってた。
セロ:式神
「 御免ください 」
魔具職人
「 あん?
誰だいアンタ等?
此処はガキの来る場所じゃないよ。
帰んな 」
セロ:式神
「 魔具の依頼に来ました 」
魔具職人
「 魔具の依頼だってぇ?
冗談なら寝て言いな!
こちとら寝言を聞いてる暇はないんだ! 」
セロ:式神
「 マオ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん──、初めまして。
オレは厳蒔磨絽です。
陰陽師で──、今日退魔師試験に合格して、退魔師になりました。
これが証拠の──退魔師免許証と魔具使用許可証です 」
魔具職人
「 へぇ?
こりゃ、驚いたねぇ!
確かに本物だ。
厳蒔磨絽ねぇ……。
厳蒔弓弦と知り合いかい? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 厳蒔弓弦はオレの兄さんだよ!
職人さんは兄さんを知ってるの? 」
魔具職人
「 厳蒔弓弦は有名だからねぇ!
退魔師で弓使いなんて、彼奴ぐらいだよ。
魔喰らいの弓は魔具職人の長だった偏屈ジジイの遺作なんだ。
あんな不気味で気味の悪い弓を扱える退魔師も彼奴ぐらいだろうねぇ。
良い男ではあるんだが、誰も近付きたがりゃしないよ! 」
マオ:厳蒔磨絽
「 …………酷い言われようなんだけど…。
確かに魔喰らいの弓は不気味だし、気色悪いし、禍々しくて気味の悪い弓だけど……兄さんは至って普通だよ 」
魔具職人
「 アンタも言う口だねぇ! 」
セロ:式神
「 職人さん、マオの為に刀を作ってください 」
マオ:厳蒔磨絽
「 お願いします!
出来れば双刀が良いんだけど…… 」
魔具職人
「 双刀だって?
馬鹿を言うんじゃないよ!
2本も欲張るんじゃないよ。
1本でにしときな! 」
マオ:厳蒔磨絽
「 はい~~…… 」
魔具職人
「 出来上がるのは2週間後だ。
2週間後に来な 」
マオ:厳蒔磨絽
「 えっ…… 」
魔具職人
「 『 えっ 』じゃないよ!
ほらほら、用事が済んだなら帰った帰った! 」
オレとセロは女性の魔具職人に言われて、強引に刀工房から追い出された。
マオ:厳蒔磨絽
「 はぁ……。
取り付く暇もなかったな…… 」
セロ:式神
「 それだけ忙しいのでしょう。
作ってもらえるようですし、良かったですね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 まぁな~~。
2週間後かぁ。
2週間も何してような? 」
セロ:式神
「 陰陽師として依頼でも受けます? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 陰陽師としてか……。
陰陽師ってさ、どうやって依頼を受けるんだろうな? 」
セロ:式神
「 玄武さんに聞いてみます? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうだな。
弓弦さんにも退魔師試験を合格した事を伝えたいしな!
今は何処に居るのかな? 」
セロ:式神
「 転移してみましょうか 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そだな。
弓弦さんと玄武さんの場所が分かるのか? 」
セロ:式神
「 キノコンを同伴させてますし、居場所なら把握してます 」
マオ:厳蒔磨絽
「 同伴?
させてたっけ?
キノコンの姿なんて見てなかったけど? 」
セロ:式神
「 手乗りキノコンにサポートさせてます 」
マオ:厳蒔磨絽
「 手乗りキノコン?
くぅ~~~~きっと可愛いんだろうなぁ~~♥️♥️ 」
セロ:式神
「 行くとしましょう 」
セロと一緒に魔具工房から出て、退魔仲介所を出たら、人気の無い場所へ移動した。
セロが転移魔法を発動してくれる。
弓弦さんと玄武さんと会うのは久し振りだよな。
元気にしてるかな~~?




