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☀「 セロ 」もしも、マオとセロフィートが退魔師になったら……。  作者: 雪*苺
一二〇日目 【 続・試験候補依頼の依頼 】
89/169

⭕ マッチ売りの妖かし 3

◎ 訂正しました。

  かいほうされるか ─→ 解放されるか


──*──*──*── 木の下


セロ:式神

「 ──お嬢さん、寒くないです? 」


お嬢さん

「 だいじょうぶです…。

  …………おにいさん……すてきですね… 」


セロ:式神

「 ふふふ。

  がとう。

  お嬢さんも可愛いですよ 」


お嬢さん

「 …………おにいさん……あの…………しませんか? 」


セロ:式神

「 はい?

  あま宿やどりならしてますよ 」


お嬢さん

「 …………おにいさんも……すきでしょう?

  ……おとこのひとは……みんなよろこんでくれる…… 」


セロ:式神

「 はい? 」


 どうやら “ お嬢さん ” とやらは、オレのセロを誘惑しようとしているらしい??

 なんていやらしい “ お嬢さん ” なんだ!!


お嬢さん

「 …………あの……みても…いいです……。

  わたしの━━━をみてください。

  ━━━をみたら……おにいさんの━━━をください…… 」


 な゛っ──?!

 なにを言いやがるんだよ!

 オっ…オレのセロに━━━を見ろだと?!

 それだけじゃ飽き足らず、セロの━━━をだとぉぉぉぉ!!!!


 厚かましいにもほどがある!!

 セロの━━━はオレのだ!!

 オレ、専用なんだぞ!!

 いや、そもそもセロフィートのセロには━━━なんて付いてないけどなっ!!


 “ お嬢さん ” とやらは、両頬を赤く染めながら、上目遣いに熱っぽい視線を向けてセロを見詰めている。

 両手は着物の裾を握っていて、膝上までまくり上げている。

 オレのセロに対して、「 影になって見えない部分をかがんで除き見ろ 」って言ってるように見える!


 オレのセロは、子供の秘部を見る為にかがんだりしないんだよ!!

 イラ(イラ)してた!

 たいてやりてぇぇぇぇぇぇ!!!!


セロ:式神

「 お嬢さん、そんな事はおめなさい。

  自分で自分を傷物にしてはいけません。

  どのような事情があろうとも自分だけは自分自身を裏切ってはいけません。

  自分の尊厳を守り、自身を大切にしてください。

  お嬢さん、誰にも見せなくていのです 」


 セロは優しくて心地こわいろで、“ お嬢さん ” とやらの少女を諭している。

 まるで取り返しの付かない間違いを犯した子供に言い聞かせる母親のように見える。

 優しい言葉なんて掛ける必要ないんじゃないかな!


お嬢さん

「 ──わたしがこどもだから……みたくないのね!

  おとこはよろこんでのぞいてくれるのに!!

  わたしをおしたおして……ほしがってくれるのに!! 」


セロ:式神

「 ワタシにはマオがてくれます。

  お嬢さんはりません 」


お嬢さん

「 ──なんでぇ!

  なんで、ことわるのぉ!!

  わたしの━━━をみせてあげるっていってるのにぃ!! 」


セロ:式神

「 ──ワタシのマオを誘惑しなかったお嬢さんの賢明さに免じて、ワタシの可愛い〈 合成獣キメイラ 〉達の玩具おもちゃにするのはめるとしましょう。

  お嬢さんには情操教育とやらを身体からだに叩き込む必要がありそうですね? 」


お嬢さん

「 じょうそうきょういく??

  なにをいってるの?

  そんなのひつようない!! 」


セロ:式神

「 おや、必要あると思いますよ。

  “ マッチ売りのあやかし ” さん。

  お嬢さんが “ マッチ売りのあやかし ” さんである事は初めから分かってました。

  お嬢さんから接触してくれてラッキーでした。

  ですね、マオ 」


マオ:厳蒔磨絽

「 ──お、おぅ。

  ……そのとおりだな!

  オレも初めから “ 怪しい ” って思ってたよ!! 」


お嬢さん

「 ………………なにものだぁ!!

  わたしをどうするきなんだぁ!! 」


セロ:式神

「 マオは陰陽師です。

  ワタシはマオの式神です。

  てい街道へなにをしにたのか──、言わずとも分かるでしょう? 」


お嬢さん

「 …………たいじにきたのか? 」


セロ:式神

「 退治をされるような事をしてた自覚は有るようですね。

  さて、どうします? 」


マオ:厳蒔磨絽

なんでオレに聞くんだよ? 」


セロ:式神

「 ワタシはマオの式神です。

  式神は使役者の命令に従うものです。

  〈 (原質)(みなもと) 〉へ変換します?

  ワタシの実験台モルモットにしていです? 」


マオ:厳蒔磨絽

「 2択かよ!

  どっちももしてる事じゃんかよ 」


セロ:式神

「 マオが倒してトドメを刺します? 」


マオ:厳蒔磨絽

「 ………………言葉はつうじるんだよな?

  はなしが出来るなら、事情を聞きたい 」


セロ:式神

「 事情です?

  わざ(わざ)聞く必要あります? 」


マオ:厳蒔磨絽

「 セロぉ~~!

  オレに任せてくれるんだろ? 」


セロ:式神

「 はいはい… 」


マオ:厳蒔磨絽

なんで不服そうなんだよぉ~~ 」


セロ:式神

「 マオ、お嬢さんをワタシにください。

  実験台モルモットに使いたいです 」


マオ:厳蒔磨絽

「 事情次第だろ~~。

  オレのセロを誘惑しやがった、“ マッチ売りのあやかし ” を許さないからな!!

  事情を話せよ!!

  秘部を見せてなにしようとしてたんだよ!! 」


セロ:式神

「 マオ、怖がらせてはいけません。

  落ち着いてください。

  正直に話してくれるならいのちだけ助けるとしましょう 」


マオ:厳蒔磨絽

「 セロの方が怖い言い方してるけどな~~ 」


セロ:式神

「 気の所為です。

  お嬢さん、逃げれませんよ。

  着物の中になにを隠してます? 」


お嬢さん

「 …………なにも……なにも…かくしてない!!

  ちかづくな!! 」


マオ:厳蒔磨絽

なにが『 ちかくな! 』だよ!

  オレのセロに卑猥な事しやがってぇ!!

  正直にけ!! 」


セロ:式神

「 マオ、鞘から手を離してください。

  死人は出ていないのです。

  初めからいのちまで取るつもりは無いのでしょう 」


マオ:厳蒔磨絽

「 ………………むぅ… 」


セロ:式神

「 正直に事情を話して解放されるか、ワタシの玩具おもちゃとなるか選んでください 」


マオ:厳蒔磨絽

「 セロぉ~~ 」


セロ:式神

「 浮気ではないですよ? 」


マオ:厳蒔磨絽

なんで疑問系なんだよ! 」


 どうやらセロは、このしたがる “ マッチ売りのあやかし ” を気に入ってしまったみたいだ。

 なんでかって?

 だって、「 ワタシの玩具おもちゃになるか 」って言ったんだぞ!

 「 実験台モルモット 」じゃなくて「 玩具おもちゃ 」だよ!

 セロが!!


お嬢さん

「 ……………………くっ…… 」


セロ:式神

「 おや?

  随分と反抗的な目をしてくれますね?

  お嬢さんは自分の立場を分かっていないようです 」


 そう言ったセロは、“ マッチ売りのあやかし ” の目の前で、お地蔵様を〈 (原質)(みなもと) 〉へ変換して見せた。

 慈母神様みたいに相手をいつくしむように微笑みながら脅迫してやがる。


セロ:式神

「 ワタシをへんる式神と一緒にしないように。

  このこのに物体を消し去る事など、ワタシには息をするより簡単です。

  勿論、生物も実体の無い妖魔も消し去る事が出来ます。

  これを見ても反抗的な態度を取ります? 」


マオ:厳蒔磨絽

「 セロ……なるべく穏便にな?

  脅えさせたら駄目だろ? 」


セロ:式神

「 脅えさせてません。

  ワタシにしか出来ない得意技を披露しただけです 」


マオ:厳蒔磨絽

「 物はいようだな! 」


お嬢さん

「 ………………ごめんなさい……。

  いきるためにはしかたなかったんだ…。

  おいら…………にいちゃんだから……きょうだいをやしなうためには……にんげんをだまして…………きんぴんをまきあげるしか…… 」


マオ:厳蒔磨絽

「 金品を巻き上げる為?

  その為に少女の姿になって秘部を見せようとしてたのかよ?

  しかも “ おいら ” って…… 」


お嬢さん

「 おいらたちのは……とうちゃんもかあちゃんも……にんげんにつかまってくわれちまった……。

  だから……おいら……ばけるちからをつかって……にんげんをだますことにしたんだ……。

  にんげんがもってるかねをうばって……きょうだいたちにうまいもんを……たべさせてやってたんだ…… 」


マオ:厳蒔磨絽

「 ………………生きる為にか…。

  ん?

  ける力??

  ける力って事は、やっぱりあやかしなのか? 」


お嬢さん

「 おいらたちは…にんげんから……ばけだぬきっていわれてる 」


マオ:厳蒔磨絽

だぬき……。

  たんだ… 」


セロ:式神

「 両親のかたきでもある人間をターゲットにし、生活の為に人間を騙し、金品を奪っていた訳ですか。

  精気を吸い取っていたのはです? 」


化け狸

「 …………金品を奪った事に気付かれないように……精気を吸い取って弱らせてたんだ。

  死なない程度には精気を残してたぞ 」


 急にりゅうちょうに話し出しやがったよ、このだぬきの奴。


セロ:式神

「 マオ、てい街道で起こる “ マッチ売りのあやかし ” の依頼は解決ですね 」


マオ:厳蒔磨絽

「 そ、そうだな……。

  あやかしの正体は “ だぬきだった ” って判明したもんな!

  だけどさ、このまま放置しとく訳にもいかないだろ? 」


セロ:式神

「 依頼を解決させたあかしとして、だぬきの死体は持って行きます 」


化け狸

「 ひぃっ!!

  オイラを退治する気なのか?!

  はなしが違うよぉ!! 」


セロ:式神

きみを退治したりしません。

  きみていまいます? 」


化け狸

「 …………ほんに退治しないか? 」


セロ:式神

「 事情が事情です。

  きみから悪意は感じませんし、元はと言えば、きみの両親をつかまえた人間が原因を作ったのです。

  きみの取った行動はていまいを生かす為に致し方なく始めた事。

  死人を出さなかったのがさいわいしましたね 」


化け狸

「 …………見逃してくれるのか…。

  がとうだ!

  オイラのていまいは巣穴に居()いるぞ!

  案内するぞ! 」


セロ:式神

「 マオ、行きましょう 」


マオ:厳蒔磨絽

「 分かったよ 」


 オレはセロと一緒にだぬきあとを追って歩き出した。

 セロはけるだぬきていまいをどうする気なんだろうな??

◎ 絵が可愛い「 キツネとタヌキ 」という漫画が好きで、どっちにしようか悩んでいました。

  化け狸にしたのは、「 ラブリーぽんぽこ 」に登場する主人公のタヌキが可愛かったからです。

  「 幽々白書 」にも化け狸が登場していましたね。

  じ~~~んとして泣けた話なので好きでした。

  タヌキにして良かった気がします。

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