✒ 尻小玉を抜く妖かしの正体 5
マオ:厳蒔磨絽
「 キノコン!
随分と遅かったな。
溺れてるんじゃないかって心配してたんだぞ! 」
セロ:式神
「 どうでしたか? 」
キノコン
「 ただいま戻りましたエリ!
妖かしの長と話をして来ましたエリ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 妖かしの長?
この池に長が居るのか? 」
キノコン
「 はいですエリ。
彼等は “ 河童 ” と呼ばれている妖かしですエリ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 かっぱ??
聞いた事ある言葉だな?
何処で聞いたんだっけ…?? 」
セロ:式神
「 マオの忘れん坊さん。
≪ 日本国 ≫に居た時、TV番組で見ていたでしょうに。
姿が似ているかは分かりませんけど 」
マオ:厳蒔磨絽
「 TV番組で……………………あぁっ、あのっ、緑色の?!
胡瓜が大好物な緑のだな! 」
セロ:式神
「 そうです。
胡瓜が大好物だと設定付けられていた緑色の生物です 」
マオ:厳蒔磨絽
「 河童かぁ~~。
そう言えば、お酒のCMにも出てたよな?
全裸で酒を飲んでたような… 」
セロ:式神
「 そうでしたね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 それで?
その河童の長は何て言ってたんだ? 」
キノコン
「 このまま池で暮らしていたら、人間に退治されるかも知れない事を話しましたエリ。
話し合いの結果、『 住み処ごと丸々お引っ越しが出来るなら── 』と言ってますエリ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうなんだ?
良かった!
セロ、住み処ごと転移させる事は出来るよな? 」
セロ:式神
「 勿論、出来ます。
話しも付いたようですし、池を転移させてしまいましょう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん!
キノコン、河童の長を説得してくれて有り難な!
尊い命が理不尽で横暴な人間達から助けれるよ! 」
キノコン
「 お役に立てれて光栄ですエリ。
長をキュッと絞めれば、大抵は言う事を聞かざるを得ませんエリ☆ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん?
長を……しめる?? 」
キノコン
「 言葉の綾ですエリ☆
僕は誠心誠意、誠実に真心を込めて友好的に話をさせていただきましたエリ☆ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 う、うん…… 」
妙に力説して来るキノコンに対して、「 本当かな… 」って疑心が芽生えて来たんだけど──。
キノコンのつぶらで力強い瞳が嘘を言ってるとも思えないし……。
疑わしい気持ちは拭えないけど、オレはキノコンの言葉を信じる事にした。
セロ:式神
「 ──転移は済みました。
これで河童さん達は退治されずに済みます。
同じ池を〈 テフ 〉で構成します。
マオが先程、言っていたように “ 池に悪さをしたら髪が抜ける ” ようにしときましょう。
“ 2度と髪が生えない ” ように── 」
マオ:厳蒔磨絽
「 セロぉ~~、楽しんでるだろ? 」
セロ:式神
「 楽しんでなんて──。
“ 面白い案 ” だと思って採用しただけです 」
マオ:厳蒔磨絽
「 楽しんでるじゃんかよ!
──だけどさ、髪が抜けて生えなくなるとだよ、里人達から “ 呪
セロ:式神
「 立て札を立てときましょう。
何
マオ:厳蒔磨絽
「 そだな……。
えぇと……【 神聖な池です。池を汚
親切な文面だろ!
ちゃんと “ 神聖な池です ” って念押ししてあるし、これを読んでも池に悪さをする奴は救いようのない馬鹿だよ。
自業自得だ 」
セロ:式神
「 これで良
里
マオ:厳蒔磨絽
「 え゛っ……行くの?
嫌
セロ:式神
「 マオ、退魔師になるなら、嫌
逃げ癖
ワタシも居
マオ:厳蒔磨絽
「 ………………分かったよ… 」
セロ:式神
「 それでこそ、ワタシのマオです。
マオの名誉を挽回するのですから、手ぶらでは行きません。
河童の肉体を〈 テ
抜け殻ですけど、人間から見れば妖
池はありますし、池に住み着いていた妖
マオ:厳蒔磨絽
「 セロぉ~~。
オレの為に其
セロ:式神
「 河童は何
キノコン
「 はいですエリ。
ざっと見た限りでは60体は居
もっと居
セロ:式神
「 では80体程
≪ 里 ≫居
キノコン
「 畏
池の周辺に集まったキノコン達に〈 テ
風呂敷の中には5体づつ河童の抜け殻が入れられている。
風呂敷を持っているのは、約16体のキノコン達だ。
マオ:厳蒔磨絽
「 …………なんかさ、圧巻だな。
河童の抜け殻──もとい河童ね死骸の入った風呂敷を持ってるキノコンって、シュールじゃないかな? 」
セロ:式神
「 準備も整いましたし、里
マオ:厳蒔磨絽
「 うん…… 」
全
セロの優しさを無駄には出来ない。
行きたくないけど、セロとキノコン達と一緒に里
──*──*──*── 退魔仲介所
里
簡単に言えば、“ 上
キノコン達が持っていた風呂敷は全
池に住み着いていた妖
風呂敷の数
里人達が河童の死骸
「 報酬額を増やします! 」って言ってたからな。
…………………………嬉しいんだけど、素直には喜べないんだよなぁ……。
だってさ、大量の河童の死骸
でも、これで低
……………本
一応、池に立てといた立て札の注意事項についても話しといたけど、守るように周知してくれるか期待は──出来なさそうだ。
もしかしたら、抜かれて捨てられてしまうかも知れないから、退魔仲介所の受付人にも確
──ってな訳で退魔仲介所へ立ち寄って、受け付けで名簿に以下略────。
受付人に依頼を解決させた事を伝えて、出した依頼書にスタンプを押してもらった。
受けた依頼を早期解決しちゃったから、受付人には驚かれた。
セロ:式神
「 次の依頼を選びましょうか 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そだな。
えぇと…………【 日が暮れると山から “ カチカチ ” と不気味な音が鳴り出して困っている。
寝静まる時間になっても鳴り止
妖魔の仕業なら妖魔を倒して、不気味な音が鳴らないようにしてほしい 】だってさ。
今は “ カチカチ山 ” って呼ばれてるみたいだ 」
セロ:式神
「 中
マオ:厳蒔磨絽
「 そうかな~~?
化
セロ:式神
「 それは是非とも見てみたいですね。
問題の “ カチカチ山 ” へ行きましょう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 その前に近くにある退魔仲介所に立ち寄らないとな! 」
セロと退魔仲介所を出たら、≪ 里 ≫を出てセロの転移魔法で “ カチカチ山 ” 付近にある退魔仲介所へ転移した。




