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☀「 セロ 」もしも、マオとセロフィートが退魔師になったら……。  作者: 雪*苺
      【 試験依頼候補の依頼 】
75/169

✒ 尻小玉を抜く妖かしの正体 5


マオ:厳蒔磨絽

「 キノコン!

  随分と遅かったな。

  溺れてるんじゃないかって心配してたんだぞ! 」


セロ:式神

「 どうでしたか? 」


キノコン

「 ただいま戻りましたエリ!

  あやかしのおさはなしをしてましたエリ 」


マオ:厳蒔磨絽

あやかしのおさ

  この池におさるのか? 」


キノコン

「 はいですエリ。

  カレは “ 河童 ” と呼ばれているあやかしですエリ 」


マオ:厳蒔磨絽

「 かっぱ??

  聞いた事ある言葉だな?

  で聞いたんだっけ…?? 」


セロ:式神

「 マオの忘れん坊さん。

  ≪ にっぽんこく ≫にた時、TVテレビ番組で見ていたでしょうに。

  姿が似ているかは分かりませんけど 」


マオ:厳蒔磨絽

TVテレビ番組で……………………あぁっ、あのっ、緑色の?!

  胡瓜きゅうりが大好物な緑のだな! 」


セロ:式神

「 そうです。

  胡瓜きゅうりが大好物だと設定けられていた緑色の生物です 」


マオ:厳蒔磨絽

「 河童かぁ~~。

  そう言えば、お酒のCMコマーシャルにも出てたよな?

  全裸で酒を飲んでたような… 」


セロ:式神

「 そうでしたね 」


マオ:厳蒔磨絽

「 それで?

  その河童のおさなんて言ってたんだ? 」


キノコン

「 このまま池で暮らしていたら、人間に退治されるかも知れない事を話しましたエリ。

  話し合いの結果、『 ごとまる(まる)お引っ越しが出来るなら── 』と言ってますエリ 」


マオ:厳蒔磨絽

「 そうなんだ?

  かった!

  セロ、ごと転移させる事は出来るよな? 」


セロ:式神

「 勿論、出来ます。

  話しも付いたようですし、池を転移させてしまいましょう 」


マオ:厳蒔磨絽

「 うん!

  キノコン、河童のおさを説得してくれてがとな!

  とうといのちが理不尽で横暴な人間達から助けれるよ! 」


キノコン

「 お役に立てれて光栄ですエリ。

  おさをキュッと絞めれば、大抵は言う事を聞かざるを得ませんエリ☆ 」


マオ:厳蒔磨絽

「 うん?

  おさを……しめる?? 」


キノコン

「 言葉の綾ですエリ☆

  僕は誠心誠意、誠実に真心を込めて友好的にはなしをさせていただきましたエリ☆ 」


マオ:厳蒔磨絽

「 う、うん…… 」


 妙に力説してるキノコンに対して、「 ほんかな… 」ってしんが芽生えてたんだけど──。

 キノコンので力強いひとみが嘘を言ってるとも思えないし……。

 疑わしい気持ちはぬぐえないけど、オレはキノコンの言葉を信じる事にした。


セロ:式神

「 ──転移は済みました。

  これで河童さん達は退治されずに済みます。

  同じ池を〈 (原質)(みなもと) 〉で構成します。

  マオが先程、言っていたように “ 池に悪さをしたら髪が抜ける ” ようにしときましょう。

  “ 2度と髪が生えない ” ように── 」


マオ:厳蒔磨絽

「 セロぉ~~、楽しんでるだろ? 」


セロ:式神

「 楽しんでなんて──。

  “ 面白い案 ” だと思って採用しただけです 」


マオ:厳蒔磨絽

「 楽しんでるじゃんかよ!

  ──だけどさ、髪が抜けて生えなくなるとだよ、里人達から “ のろい ” だの “ たたり ” だのって騒ぎにならないか? 」


セロ:式神

「 立て札を立てときましょう。

  なにも無いよりは親切です 」


マオ:厳蒔磨絽

「 そだな……。

  えぇと……【 神聖な池です。池をよごすと、髪が抜けます。2度と抜けません。池に悪さをしないように!! 】でいんじゃないかな?

  親切な文面だろ!

  ちゃんと “ 神聖な池です ” って念押ししてあるし、これを読んでも池に悪さをする奴は救いようのない馬鹿だよ。

  自業自得だ 」


セロ:式神

「 これでいですね。

  さとおささんへ話しに行きましょう 」


マオ:厳蒔磨絽

「 え゛っ……行くの?

  だよ… 」


セロ:式神

「 マオ、退魔師になるなら、いやな事から逃げてはいけません。

  逃げぐせなおせます。

  ワタシもますし、大丈夫です 」


マオ:厳蒔磨絽

「 ………………分かったよ… 」


セロ:式神

「 それでこそ、ワタシのマオです。

  マオの名誉を挽回するのですから、手ぶらでは行きません。

  河童の肉体を〈 (原質)(みなもと) 〉で構成します。

  抜け殻ですけど、人間から見ればあやかしの死骸です。

  池はありますし、池に住み着いていたあやかしの抜け殻を見せれば、退治に成功したと思われるでしょう 」


マオ:厳蒔磨絽

「 セロぉ~~。

  オレの為に迄してくれるのかよ… 」


セロ:式神

「 河童はなんたいましたか? 」


キノコン

「 はいですエリ。

  ざっと見た限りでは60体はましたエリ。

  もっとたかも知れませんエリ 」


セロ:式神

「 では80体ほど用意するとしましょう。

  ≪ 里 ≫るキノコン達に池へ集まるよう伝達しなさい 」


キノコン

かしこまりましたエリ! 」






 池の周辺に集まったキノコン達に〈 (原質)(みなもと) 〉で構成した河童の抜け殻を入れた風呂敷を持たせる。

 風呂敷の中には5体づつ河童の抜け殻が入れられている。

 風呂敷を持っているのは、約16体のキノコン達だ。


マオ:厳蒔磨絽

「 …………なんかさ、圧巻だな。

  河童の抜け殻──もとい河童ね死骸の入った風呂敷を持ってるキノコンって、シュールじゃないかな? 」 


セロ:式神

「 準備も整いましたし、さとおさへ会いに行きましょう 」


マオ:厳蒔磨絽

「 うん…… 」


 まったく気が進まないけど、セロがオレの為に御膳立てしてくれたんだ。

 セロの優しさを無駄には出来ない。

 行きたくないけど、セロとキノコン達と一緒にさとおさの長屋へ向かう事にした。











──*──*──*── 退魔仲介所


 さとおさとのやり取りに関しては割愛させてほしい。

 簡単に言えば、“ く行って大成功だった ” って事だ。

 キノコン達が持っていた風呂敷はすべさとおさへ献上させてもらった。

 池に住み着いていたあやかしを退治した確固たる証拠としてだ。

 風呂敷のかずを見て驚かれたけど、「 もう池からあやかしは出ない 」って事を話したら物凄く喜ばれた。

 里人達が河童の死骸(抜け殻)は分からないけど、オレの名誉は挽回されたと思っていみたいだ。

 「 報酬額を増やします! 」って言ってたからな。


 …………………………嬉しいんだけど、素直には喜べないんだよなぁ……。

 だってさ、大量の河童の死骸(抜け殻)を見ての事だからなぁ~~。

 でも、これでてい評価を付けられる心配は無くなったかな??

 ……………ほんいのかな、これで?


 一応、池に立てといた立て札の注意事項についても話しといたけど、守るように周知してくれるか期待は──出来なさそうだ。

 もしかしたら、抜かれて捨てられてしまうかも知れないから、退魔仲介所の受付人にもしっかりと伝えておこうと思う。


 ──ってな訳で退魔仲介所へ立ち寄って、受け付けで名簿に以下略────。 

 受付人に依頼を解決させた事を伝えて、出した依頼書にスタンプを押してもらった。

 受けた依頼を早期解決しちゃったから、受付人には驚かれた。


セロ:式神

「 次の依頼を選びましょうか 」


マオ:厳蒔磨絽

「 そだな。

  えぇと…………【 日が暮れると山から “ カチカチ ” と不気味な音が鳴り出して困っている。

  寝静まる時間になっても鳴りまず、気味が悪いから調べてほしい。

  妖魔の仕業なら妖魔を倒して、不気味な音が鳴らないようにしてほしい 】だってさ。

  今は “ カチカチ山 ” って呼ばれてるみたいだ 」


セロ:式神

なか(なか)面白そうな依頼です 」


マオ:厳蒔磨絽

「 そうかな~~?

  だぬきぎつねかし合いでもしてたりして? 」


セロ:式神

「 それは是非とも見てみたいですね。

  問題の “ カチカチ山 ” へ行きましょう 」


マオ:厳蒔磨絽

「 その前に近くにある退魔仲介所に立ち寄らないとな! 」


 セロと退魔仲介所を出たら、≪ 里 ≫を出てセロの転移魔法で “ カチカチ山 ” 付近にある退魔仲介所へ転移した。

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