✒ 退魔師試験を受けよう 4
──*──*──*── 廃寺院・内部
手入れをされていて綺麗だった頃の面影の欠片も無い荒れ果てている廃寺院の中をセロと一緒に歩いていると、幾つもの人骨を見付けた。
かなり時間が経っているのか骨が偏食している。
マオ:厳蒔磨絽
「 ──セロ、これって…… 」
セロ:式神
「 明らかに子供の骨です 」
マオ:厳蒔磨絽
「 子供の骨??
これ全部かよ?! 」
セロ:式神
「 子供の骨だけではないです。
大人の骨も混ざっています 」
マオ:厳蒔磨絽
「 …………あっ!
もしかして、神隠しに遭った人達の骨なんじゃないのか?
廃寺院に住み着いてる妖魔に連れ去られて、此処で喰われたんだよ!!
セロ、妖魔を見付け出して退治しよう!! 」
セロ:式神
「 ──ははぁ、そう言う事ですか。
マオ、妖魔退治をする必要は無いです 」
マオ:厳蒔磨絽
「 は?
何を言い出すんだよ??
廃寺院に住み着く妖魔を退治しないと試験は合格しないんだぞ! 」
セロ:式神
「 マオ、彼等は被害者です 」
マオ:厳蒔磨絽
「 当たり前だろ。
妖魔に喰われたんだから、被害者に決まってるじゃんか 」
セロ:式神
「 妖魔に喰べられた被害者ではなく、≪ 村落 ≫に暮らしている村人達に捨てられた被害者です 」
マオ:厳蒔磨絽
「 はぁ??
村人達に捨てられた被害者ぁ??
どゆことだよ? 」
セロ:式神
「 彼等の骨は骨壺へ納めて持ち帰り、家族の元へ帰します。
骨の持ち主達の姿を〈 テフ 〉で構成します。
何
マオ:厳蒔磨絽
「 村人達から置き去りにされた理由?? 」
セロは〈 テ
セロは更に〈 テ
魂
マオ:厳蒔磨絽
「 これを見て何
セロ:式神
「 マオ、良
彼
マオ:厳蒔磨絽
「 不具者や障碍者? 」
セロ:式神
「 産まれた子供の全
五体満足な身体
障碍にも先天性と後天性があります。
不具者も産まれ付きではなく、予期せぬ不慮の事故,病気により不具者となる場合もあります。
障碍者や不具者となった家族に対して、最後まで世話の出来る家庭ばかりでもないです。
細
病気になった家族に薬を買う事は難
マオ:厳蒔磨絽
「 薬って高いもんな… 」
セロ:式神
「 看病,介助,介護…等
マオ:厳蒔磨絽
「 …………仕出かす?
…………息の根を止
寝てる間
セロ:式神
「 態
マオ:厳蒔磨絽
「 じゃあ、どうするんだよ? 」
セロ:式神
「 ≪ 村落 ≫にはも
マオ:厳蒔磨絽
「 もってこいの場所ぉ?
何
セロ:式神
「 この廃寺院です。
人間は楽
看病,介助,介護に疲れた果てた家族は、逃げる事を選び易くなります。
自分で自分の事が出来ない世話と手の掛かる家族は、お荷物になります。
お荷物となり、負担を掛ける家族を夜な夜な人目を盗んで廃寺院へ運び、置き去りにする事は出来ます 」
マオ:厳蒔磨絽
「 マジかよ……。
そんな事を身内がするのかよ… 」
セロ:式神
「 自分で動けない者,自分の状況が分からない者は、日にちが経てば餓死してしまいます。
飢えた野犬や獣
廃寺院は滑降の捨て場になります 」
マオ:厳蒔磨絽
「 だ、だけどさ……、仮にそうだとしてもだよ!
それと廃寺院に住み着いてる妖魔と、どんな関係があるんだよ? 」
セロ:式神
「 元
初めは村人達が流した嘘だったのでしょう。
“ 村人が神隠しに遭い、戻って来
家族に置き去りにされ、死体が増えた廃寺院には濃い澱
この≪ 島
マオ:厳蒔磨絽
「 異形に怪異かぁ……。
そう…だよな。
怪物
セロ:式神
「 この廃寺院には残留思霊体,地縛霊…等
妖魔,妖
村人達から得
マオ:厳蒔磨絽
「 …………妖魔を倒す必要ないってのは? 」
セロ:式神
「 原因が判明したのです。
原因が判明すれば、解決させる事も出来ます。
退治をする事だけが方法ではないですよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 その方法って何
セロ:式神
「 供養です。
〈 久
〈 久
更地になった此
それで試験依頼の妖魔退治は終わります 」
マオ:厳蒔磨絽
「 ………………セロ… 」
セロ:式神
「 マオは見ていれば良
今から始めます 」
マオ:厳蒔磨絽
「 お、おぅ…。
任せるよ、セロ── 」
オレに出来る事は何
全部、セロに任せるしかない。
妖魔を退治しないで依頼を解決させるなんて、前代未聞な気がするぅ~~~~。




