✒ 退魔師試験を受けよう 1
──*──*──*── 2週間後
──*──*──*── 北地区
弓弦さんに案内してもらって、《 北地区 》にある退魔仲介所へ案内してもらう。
何で、1週間も延びたのかと言うと、式神セロとオレ似の〈 器人形 〉が陰陽院から帰宅したのが昨日だったからだ。
陰陽院へ出向いて、陰陽師試験に合格した者にだけ与えられる “ 陰陽師の証 ” を貰って来るだけの予定だったのに、どうやらそれだけでは済まなかったらしい。
あっちはあっちで何か色々と厄介な問題が起きたり、陰陽師の先輩達から厄介事や面倒事を押し付けられたりしていたらしいから、セロの言う通りにして〈 器人形 〉に行かせて正解だった。
何せ2週間も陰陽院から出してもらえない事態になるなんて、当時は想像も付かなかったもんな!
身代わり〈 器人形 〉のお蔭で、無事に “ 陰陽師の証 ” を手に入れる事が出来たから、本来の目的を達成させる為に《 北地区 》にある退魔仲介所本部へ向かう事にしたんだ!
弓弦さんに案内してもらうんだから当然の事──、魔喰らいの弓を依り代にしている玄武さんも付いて来る。
天女のミカトさんはと言えば、しゅてんどうじに見付かるのが嫌なのか、屋敷の中でダラダラと過ごしている。
2週間も食っちゃ寝生活をしてるのに、全く太る気配がない。
天女が太らないのは本当らしい。
──*──*──*── 退魔仲介所・本部
厳蒔弓弦
「 ──着いたぞ。
此処が退魔仲介所の本部だ 」
マオ
「 此処が……意外と小さい建物だね。
“ 本部 ” って言うぐらいだから、もっと大きくて立派なのかと思ったよ 」
厳蒔弓弦
「 あまり立派な外観をしていると、陰陽師から抗議が来るらしくてな、支部のようにこじんまりしているんだ 」
マオ
「 へ…へぇ……。
陰陽師って意外と口煩いんだ? 」
厳蒔弓弦
「 中は割りと広いぞ 」
弓弦さんの後を付いて仲介所本部の中へ入ると、確かに中は意外にも広かった。
弓弦さんは受け付けに居る人に話し掛けてくれる。
退魔師試験を受けれるように手続きの話をしてくれているみたいだ。
厳蒔弓弦
「 ──マオ、退魔師試験の手続きをしてくれ 」
マオ
「 うん 」
受け付けの前に立ったオレは、弓弦さんに教えてもらいながら退魔師試験の手続きを終えた。
手続きが終わると、受付人から試験となる依頼が3つ出された。
どうやら3つの依頼の中から1つ選んで受けるらしい。
どの依頼も妖魔を退治しないといけない依頼内容みたいだ。
確かにセロが居てくれないと、妖魔を倒せないオレ1人では合格する事なんて出来やしない。
マオ:厳蒔磨絽
「 う~~ん……どの依頼が良いかな…。
セロ──、どの依頼を受けたら良いと思う? 」
セロ:式神
「 何の依頼を受けても大丈夫です。
妖魔は式神のワタシが倒しますし 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん…まぁ、そうなんだけど…… 」
セロ:式神
「 強いて言うなら──、この廃寺院に住み着いた妖魔退治の依頼でしょうか 」
マオ:厳蒔磨絽
「 廃寺院…。
何か……如何にも──って感じだよな。
妖魔じゃなくて盗賊や山賊だったりして? 」
セロ:式神
「 有り得る話です。
受けます? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうだな。
じゃあ、この──廃寺院に住み着いた妖魔退治の依頼を受けます 」
受付人
「 はいよ。
なら、試験開始だ。
試験期限は1週間だ。
廃寺院の近くに≪ 村落 ≫があるから、先ずは退魔仲介所に顔を出して、依頼を見せるように!
依頼解決後も≪ 村落 ≫の退魔仲介所に依頼書を見せて、依頼を解決させた事を伝えてから戻って来るようにな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 はい。
──セロ、初めての退魔師としての依頼だな!
どんな妖魔と出会すのか、ワクワクするよ! 」
セロ:式神
「 妖魔なら良いですね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 何だよ、セロ…。
セロは妖魔じゃない可能性の方が高いと思ってるのか? 」
セロ:式神
「 そんな事ないです 」
マオ:厳蒔磨絽
「 本当かぁ~~ 」
厳蒔弓弦
「 マオ,セロ──、私が同行出来るのは此処迄だ。
甲評価で合格出来るよう応援している。
確りな。
失敗しても直ぐ次の依頼を受ける事は出来るから、安心すると良い 」
マオ:厳蒔磨絽
「 1年後とか待たなくて良いんだ!
よぉ~~し!
セロ、気合入れて試験に挑もうな! 」
セロ:式神
「 はいはい。
マオは指示を出すだけですけどね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 セぇロぉ~~~ 」
セロ:式神
「 ふふふ(////)
行きましょうか。
廃寺院の近くにある≪ 村落 ≫を目指して── 」
マオ:厳蒔磨絽
「 だな!
≪ 村落 ≫に着いたら、村人達に事情聴取をしないとな!
調査の要だ! 」
セロ:式神
「 事情聴取ではなく、情報収集です 」
マオ:厳蒔磨絽
「 ………………こ、言葉が違うだけで、する事は似てるだろ!(////)」
セロ:式神
「 違います。
事情聴取に似ているのは尋問です。
事情聴取と尋問は紙一重ですし 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうだっけ?
セロのする尋問は拷問寄りだけどな! 」
セロ:式神
「 酷いです。
尋問と拷問を一緒にしないでください。
拷問器具を使わない拷問を “ 拷問 ” とは言いません 」
マオ:厳蒔磨絽
「 良く言うよ…… 」
何時迄も仲介所で立ち話をしている訳にも行かないから、弓弦さんと玄武さんに「 行って来ます! 」って言って、セロと一緒に退魔仲介所本部を出た。
弓弦さんも簡単な依頼を受けて、玄武さんに妖魔との戦闘に慣れてもらう予定みたいだ。
玄武さんが使える法術は何属性なんだろう??
聞くの忘れちゃったな~~。
◎ 訂正しました。
以外と ─→ 意外と




