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✒ 新居へお引っ越し 1


──*──*──*── 廃屋地区


マオ

「 ──は? 」


セロフィート

みかどから買い取った土地です 」


マオ

づるさんと “ まお ” の連盟で買い取った…。

  全然すたれてないじゃんか! 」


セロフィート

「 申請を出してから、キノコン達に開墾させてました。

  この屋敷は完成してますから、住居として暮らせます 」


マオ

「 そうなんだ?

  凄いな~~ 」


 ほんに申請書を出していたかすら怪しく思えてた。

 その気になれば、〈 (原質)(みなもと) 〉で構成して捏造が出来るのに、許可を出してくれるか分からないみかどわざ(わざ)申請を出したりするか??

 もしかしたら…………いや、詮索はそう。

 仮にセロが〈 (原質)(みなもと) 〉で構成したみかどの受諾書や許可証なんかを持っていたとしてもだ、偽造じゃなくて本物なんだから、セロを疑うのも責めるのも無駄な事になる。


 古代エンシェント魔法マジックを使えばみかどの記憶だって自由に改竄が出来てしまえるセロだからな……。

 セロに都合のい証拠なんていくらでも作れてしまえるし、都合の悪い証拠を消してしまう事だって朝飯前だ。

 真っ赤な嘘だって、セロが古代エンシェント魔法マジックを発動させてしまえば、真実になってしまうし、大勢の人間に信じさせる事だって簡単に出来てしまえる。

 セロが傍若無人な事をしても平然としていられるのは、そんな強みがあるからだ。

 すべてはセロ次第なんだから、真実を闇の中へ永久に葬り去る事が出来てしまえるんだ。


マオ

「 セロ、この立派な木製の壁はまで続いてるんだ? 」


セロフィート

「 この壁は木製に見えているだけで、木製ではないです。

  不法侵入が出来ないよう、防犯魔法を掛けてます。

  敷地内を囲む壁です。

  壁の中はすべて敷地内です 」


マオ

「 マジかよ…… 」


セロフィート

「 敷地内の雑務はすべて〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉に一任してます。

  屋敷の裏口から出れば、荒れている敷地を開墾しているキノコンに会えます 」


マオ

でもキノコンは大活躍なんだな 」


絲腥玄武

「 表から見れば普通の平安貴族の屋敷に見えるな 」


厳蒔弓弦

「 鬼門や霊道がまじわり、敬遠されていた土地が──、こうも見違えるとは…… 」


セロフィート

「 敷地内全体に結界を張ってますから、妖魔,妖怪,あやかし,怪異,異形のたぐいは弾くようにしてます。

  安心して暮らせます 」


天女:ミカト

「 …………信じられない…。

  あの不浄にちていた土地を買い取って開墾するなんて……。

  しょうとは思えないわね!

  …………でも、いやな感じが一切しないわ…。

  外道式神……アンタ、ほんに式神なの?? 」


セロフィート

「 そういう事にしてください 」


天女:ミカト

「 『 そういう事 』って、どういう事よ! 」


セロフィート

「 立ち話は終えて屋敷へ入りましょう 」


 セロは立派なせいもんを開けず、右隣の壁に手を当てると、木製のドアが開いた。


マオ

「 セロ──、立派なせいもんがあるのになんで開けないんだ? 」


セロフィート

せいもんは飾り門です。

  が屋敷への正式な出入り口です 」


マオ

「 そうなんだぁ~~ 」


 木製のドアをとおって屋敷の敷地内へ入ると解放感のある美しい日本庭園風の中庭が広がっていた。


──*──*──*── 中庭


マオ

「 わぁ~~!

  凄いなぁ~~。

  まるで別世界に迷い込んだみたいだ…… 」


絲腥玄武

「 これは…息を飲む程の美しさだな…… 」


厳蒔弓弦

「 ……心が洗われる美しい庭だ…。

  こんなに美しい庭は初めてだ… 」


セロフィート

「 癒されますね 」


マオ

「 手入れされた小さな森林って感じかな~~。

  妖精でも住んでそうだよ。

  今にもと出てきそうだな 」


セロフィート

「 ふふふ。

  中庭の管理を任せている責任者も喜びますね 」


マオ

「 責任者?

  誰だろう?? 」






キノコン

「 セロ様,マオ様ぁ~~!

  お久し振りですエリ~~ 」


マオ

「 ──セノコン?! 」


セノコン

「 はいですエリ。

  セロ様の専属御世話係りのセノコンですエリ。

  今回は御屋敷の中庭の御世話をお任せして頂いてますエリ 」


マオ

「 元気そうだな。

  マオキノもるのか? 」


セノコン

「 勿論、ますエリ。

  御屋敷内のお掃除担当の責任者をおおせつかってますエリ 」


マオ

「 お掃除担当の責任者? 」


セノコン

は “ 四季の中庭 ” ですエリ。

  季節によって違う中庭を楽しんで頂けますエリ 」


マオ

「 手が込んでる中庭だな 」


セノコン

「 マオ様が御好きな滝も作ってますエリ 」


マオ

「 中庭に滝があるの?

  セノコン、あとで中庭を案内してよ 」


セノコン

「 お任せくださいませエリ。

  御屋敷の玄関は此方こちらですエリ。

  中庭は彼方あちらの縁側から入れるようになってますエリ 」


絲腥玄武

「 縁側から入るのか 」


厳蒔弓弦

「 私も中庭を見て回りたいな 」


セノコン

みなさまの中庭ですエリ。

  ご自由に散策されてくださいませエリ。

  中庭で迷いましたらボクの分身体に声を掛けてくださいませエリ。

  縁側まで御案内させて頂きますエリ 」


セロフィート

「 玄関へ行きましょう 」


マオ

「 うん。

  またあとでな、セノコン 」


 オレは久し振りに会ったセノコンに手を振って分かれた。

 見事な中庭を眺めながら屋敷の玄関を向かって歩く。


天女:ミカト

「 ……みかどでもに綺麗な中庭は見た事ないわよ 」


絲腥玄武

たしかにな。

  みかどの屋敷でで暮らしていたわれも生前は見た事はないな 」


天女:ミカト

「 は?

  アンタ、人間じゃないの? 」


絲腥玄武

「 式神だ。

  今のわれづるが使うらいの弓をしろにして実体化している状態だ 」


厳蒔弓弦

「 弓を持ち歩く必要がなくなり、助かっている 」


 づるさん……、いくらミカトさんが苦手でも距離を取り過ぎぃ~~!!

 ミカトさんがづるさんにグイグイ迫らなくなったから、づるさんは少し案してるみたいだ。

 ミカトさんと話すのは別に構わないみたいだな。


セロフィート

が玄関です。

  屋敷はすべて神聖なしんぼくを加工した木材を使い建てさせました。

  てんにょのミカトさんにも住み心地はい筈です 」


天女:ミカト

「 アタシの為にしんぼくを使ったの? 」


セロフィート

「 屋敷内にる限りはしゅてんどうもミカトさんに手出しは出来ません。

  ミカトさんには妖魔を倒せるキノコンを御世話係りけん護衛に付けます。

  ともに行動してください 」


天女:ミカト

「 分かったわ 」


マオ

「 ミカトさん、しゅてんどうじに襲われるかも知れないのか? 」


セロフィート

「 念の為です。

  ミカトさんもしゅてんどうの元へは戻りたくないでしょうし 」


天女:ミカト

「 当然じゃないのよ!

  ずぇっっったいに戻りたくないわ!! 」


 玄関は≪ にっぽんこく ≫のテレビで見た事のある玄関になっている。

 木製のスライド式の開きになっていて、開けると中の土間が広い作りになっている。


──*──*──*── 屋敷の中


 座って履き物を脱げるように段差になっている。

 当然だけど、屋敷の中は土足厳禁みたいだ。


セロフィート

「 床が冷たければ、を穿いてください。

  足首で固定する必要はないです 」


 履き物を脱いで廊下を歩くと見事な襖が目を楽しませてくれる。

 畳の部屋が沢山ある。


セロフィート

居間リビング此方こちらです。

  真ん中は囲炉裏,周りは掘りたつになっています。

  居間リビングからは中庭が見れます。

  縁側もありますから、日向ぼっこをしながら中庭を眺める事も出来ます 」


マオ

居間リビングの縁側から中庭に入れるんだったよな 」


セロフィート

「 屋敷内の管理を任せている責任者──キノコンを紹介します 」


キノコン

みなさま、初めましてエリ。

  マオ様の専属御世話係りのマオキノですエリ。

  御屋敷内の事で分からない事はボクに御聞きくださいませエリ 」


マオ

「 マオキノぉ~~!

  久し振りだな!

  元気にしてたか? 」


マオキノ

「 マオ様ぁ~~!

  元気りんりん丸でしたエリ。

  マオ様も御元気そうでなによりですエリ 」


絲腥玄武

「 キノコンは見分けが付かないな…… 」


厳蒔弓弦

「 胸元に付けている物の色が違うな 」


マオキノ

「 これは専属御世話の区別を付ける為の勲章ですエリ。

  セロ様の御世話係りのセノコンは白い勲章を──、マオ様の御世話係りのボクは蒼い勲章を頂いてますエリ 」


天女:ミカト

「 ふぅん?

  じゃあ、アタシの御世話係りと護衛をしてくれるキノコンとやらの勲章の色は綺麗な赤色にして欲しいわ! 」


セロフィート

「 分かりました。

  用意します 」


マオキノ

此方こちらが御屋敷内の間取り図ですエリ。

  みなさまられる居間リビングですエリ。

  あとの部屋はき部屋ですエリ。

  御好きなき部屋を自室にお使いくださいませエリ 」


マオ

「 マオキノ、間取り図は居間リビングの壁に貼っといてくれないかな。

  広いからさ迷子になっちゃうよ 」


マオキノ

かしこまりましたエリ。

  立ち話もなんですし、座って部屋を御決めくださいませエリ 」


 掘りたつはドーナツがたになっていて、真ん中に囲炉裏がある状態だ。

 だ囲炉裏に火を着ける時期じゃないけど、囲炉裏を囲んで料理を食べる形になるんだよな。


マオ

「 マオキノ、この机は取りはずせたり出来るのか? 」


マオキノ

「 出来ますエリ。

  囲炉裏の掃除をする時には取りはずしますエリ。

  取りはずせないと掘りたつの中を掃除が出来ませんエリ 」


マオ

「 だ、だよな~~ 」


マオキノ

「 座布団の上にお座りくださいエリ。

  飲み物を御持ちしますエリ 」


 マオキノはペコリと頭を下げると居間リビングから出て行った。

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