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✒ 寺子屋が大変だぁ 4


セロフィート

「 マオ──、随分と御機嫌ですね。

  なにか嬉しい事でもありました? 」


 炊き出しを貰いに行って、嬉しそうに戻ってたオレに対して、セロは手を振りながら笑顔で迎えてくれて、優しい声で話し掛けてくれる。

 セロに抱き付きたいけど、両手が塞がっているから無理だ。

 残念!!


マオ

「 えへへ(////)

  キノコンが握り飯をしてくれたんだぁ♥️ 」


セロフィート

かったですね。

  かで座って食べましょうか 」


マオ

「 うん♪

  ──っていうか、ミカトさん……どうしたんだ?

  地面に座り込んでアワアワしてるけど…。

  なんかあったのか?? 」


セロフィート

づるさんに避けられた事がこたえているようです 」


マオ

「 あぁ……。

  づるさん、積極的に猛アタックしてる人とか苦手そうだもんな。

  づるさんってさ、人の都合に合わせて動ける優しい人に見えるけど──、じつは誰よりも自分のペースを大事にしてる人だから、“ 待て ” が出来て、“ お預け ” に耐えれる辛抱づよさと忍耐りょくを持ってる人じゃないとづるさんと付き合うのはむずかしいかも知れないよ?

  相当気に入られないと、ペースを合わせてはもらえないよ 」


セロフィート

「 随分とづるさんについて詳しいですね、マオ 」


マオ

さん(ざん)セロに振り回されて鍛えられたからな!

  煙や霧みたいに掴めないセロよりは付き合い易い人だよ、づるさんはな 」


セロフィート

「 ワタシが煙や霧なら、づるさんなんです? 」


マオ

「 細くて目に見えない蜘蛛の糸かな~。

  きょうふうが吹いても切れないんだけど、気に入られないと簡単に切られちゃう主導権を持ってる糸! 」


セロフィート

「 掴むのは大変そうですね 」


マオ

「 だろ?

  ミカトさんがづるさんにしてる事は、蜘蛛の糸を払いけて掃除してる感じかな… 」


セロフィート

「 蜘蛛の糸を掴もうとすらしていない──という事ですね 」


マオ

「 そだな~~。

 ( …………女装させられてる今のオレは、づるさんから随分と気に入られてる気がするんだよぉ~~~~。

   づるさんはマーフィよりもとしが近いし、手の掛かったマーフィよりも “ 兄さんみたい ” に接し易い人でもあるから──、好意をいだかれても別にいやではないけど……。

   セロに気付かれでもしたら、づるさんは確実に〈 (原質)(みなもと) 〉に変換され兼ねない!!

   セロなら絶対にする!!

   例外なくする!!

   セロを愛しちゃってるオレが、づるさんと両想いになるような事はないし──、づるさんだって、男だって分かってるオレにわざ(わざ)自分の想いを伝えてるような事はしないと思う。

   普段どおりに接していれば大丈夫な筈だ!! )」


セロフィート

「 マオ──、で食べましょう 」


マオ

「 うん 」


 移動した先でセロが〈 (原質)(みなもと) 〉を構成して丸太椅子を出してくれる。

 セロと一緒に丸太椅子に腰を下ろして座ったら、早目のひるを始める。

 オレが食べ易いように、炊き出しで貰った握り飯とスープをセロが持ってくれる。

 大好きな人の隣でキノコン達が作ってくれたしい炊き込み御飯のオニギリを食べる。

 幸せな時間だ~~♥️♥️♥️

 視界にチラチラと入ってるミカトさんの背中は見えないフリをしよう。


 炊き込み御飯のオニギリと五穀米のオニギリと肉の角煮入りオニギリと、野菜たっぷりホクホクスープのほかに、キノコンがオレの為に卵焼き入りオニギリを用意してくれた。

 キノコンの作ってくれる卵焼きも絶品で、大好きなんだよなぁ~~♥️

 炊き出しは平民達からも大人気みたいで、誰もが幸せそうな顔をして食べている。

 「 式神です 」効果は抜群みたいだな。

 キノコンの可愛さも合わさってるだろうし、避難民には「 ほわぁ~~~~ん 」ってなれる癒しも必要だよな!!






マオ

「 はぁ~~~~♪

  オニギリもスープもかったぁ♥️

  満腹ぅ~~ 」


セロフィート

「 キノコンにづるさんへも持って行かせましょう。

  オニギリは食べれなくてもスープなら飲めるでしょうし 」


マオ

「 そうだな!

  づるさんもキノコンのオニギリとスープを食べたら元気になれるよ! 」


セロフィート

かわさん探しを再開しましょうか 」


マオ

「 そだな! 」


 丸太椅子から腰を浮かせて立ち上がったら、大好きなセロと手を繋いで、かわさんを探す事にする。


マオ 

「 セロ、ミカトさんは? 」


セロフィート

「 放っときましょう。

  そっとしていた方がいです 」


マオ

「 あぁ~~…………かもな? 」


 放心状態のミカトさんを残したまま、寺子屋の敷地内を歩く事にした。






──*──*──*── とある小屋


マオ

「 ……に……かわさんがるのか… 」


 敷地内にた陰陽師の人にかわさんの居場所を聞いたら、とある小屋の中にる事を教えられたから足を運んでみたんだだけど……。


マオ

ほんるのかな? 」


セロフィート

「 『 かわさんの苗字は珍しい。この寺子屋には1人しかない 』と言われてましたし、嘘をかれている様子も無かったです。

  先ずは入ってたしかめてみましょう 」


マオ

「 うん…… 」


 オレは半信半疑のまま、セロと一緒に小屋の中へ入った。


──*──*──*── 小屋の中


 中へ入ると陰陽師や平民達が仰向けの状態で床の上に寝かされていた。


マオ

なに………。

  この人達はどうしたんだ? 」


陰陽師

「 ──は臨時の死体安置所だよ。

  知り合いの顔を見にたのかい? 」


マオ

「 死体安置所??

  えっ…………で寝かされているのは死体ばかりなの?! 」


陰陽師

「 そうだよ。

  腐敗を防いで、においを消す為に結界を張って管理してるんだ。

  は当番制になっているよ。

  きみは誰に会いにたんだい? 」


マオ

「 あ……陰陽師のかわさんを探してて…。

  この小屋の中にるって教えてもらったから…… 」


陰陽師

かわか。

  彼なら此方こっちに安置してるよ。

  ──手前に平民達の死体が並んでいて、奥に陰陽師の遺体が並んでいるんだ。

  かわの遺体は……これだな 」


 陰陽師は顔の上に乗せている白い布を捲って、顔を見せてくれた。


陰陽師

「 ──彼がかわだよ 」


マオ

「 この人がかわさ──えっ?!

  ね、ねぇ──、ほんに、この人がかわさんで間違いないの?? 」


陰陽師

「 そうだよ 」


マオ

「 …………同性同名とか似たような名前の人とかじゃ…… 」


陰陽師

「 いや、かわなんて珍しい苗字の陰陽師は、彼だけだよ。

  同性同名や似たような苗字の陰陽師は、この寺子屋にはないよ。

  彼じゃないのかい? 」


マオ

「 う、うん……。

  顔付きが全然違うし……、体型も違うんだ。

  もっと人懐っこい顔をしてたよ…… 」


陰陽師

「 ………………なら、に安置してる陰陽師達の顔を全部てみるかい? 」


マオ

いの? 」


陰陽師

「 構わないよ。

  安置されてない事を祈ろう。

  なければ別の寺子屋にるか、陰陽院にるかも知れないよ 」


マオ

「 うん… 」


 陰陽師の厚意で安置されている陰陽師達の顔を確信させてもらえる事になった。

 陰陽師は白い布を丁寧に捲っては、顔を見せてくれた。

 全員分の顔を確認したけど、オレの知っているかわさんの顔は無かった。


陰陽師

「 無くてかったと言うべきだね。

  生きてる彼に会える事を心から祈ってるよ 」


マオ

「 …………がとう! 」


陰陽師

「 この寺子屋の地図は持ってるかい? 」


マオ

「 持ってないかな… 」


陰陽師

「 それなら、訓練場にるキノコンっていうキノコ姿の式神から地図を貰うといよ。

  分かり易い敷地内の地図を作ってくれて、避難民達に配ってくれてるんだ。

  出来た式神だよね!

  なんでも “ げんじのまお ” っていう陰陽師の式神だって言うじゃないか。

  どんな陰陽師なんだろうね!

  会ってみたいもんだよ 」


マオ

「 ははは……。

  会えるといですね……。

  じゃあ、オレはこれで!

  訓練場へ行ってみます 」


陰陽師

かったら、炊き出しも貰いなよ。

  いからね! 」


マオ

「 う、うん!

  がとう! 」


 人当たりのい陰陽師に御礼を言って、セロと一緒に小屋──臨時の死体安置所から出た。

◎ 訂正しました。

  訓練所 ─→ 訓練場

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