✒ 寺子屋が大変だぁ 2
天女のミカトさんが何で急に弓弦さんの “ 妻発言 ” をしたのか分からないけど──、それは一旦、横に置いときたいと思う。
弓弦さんは精神的に相当まいってるみたいで、話を聞くどころじゃなさそうだけど、オレは寺子屋に何が起きたのか知りたい。
セロはオレの為に寺子屋で起きている事に関して詳しく話してくれた。
掻い摘まんで纏めると──、弓弦さんとオレが布団に入って寝むった後に、≪ 平安京 ≫に妖魔が出現したらしい。
陰陽師達だけで対処が出来ないだろう──って事で、セロが大量の〈 器人形 〉とキノコン達を転移召喚をして、妖魔退治を手伝わせたり、平民達を避難誘導の手伝いをさせたみたいだ。
大量の〈 器人形 〉とキノコン達を投入して手伝わせた事で、被害は最小限に留める事が出来たらしい。
被害者──、怪我人や死人は当然出たけど、人数は少なかったみたいだ。
キノコン達には “ 厳蒔磨絽の式神だ ” て言うように指示したらしい。
式神だって言えば、陰陽師達から敵視されたり、平民達から恐がられたりしないと思ったからみたいだ。
平民達の避難場所に選ばれたのは、広い試験場を所有している陰陽院や広い訓練場を所有している寺子屋らしい。
寺子屋の敷地内に大勢の平民が居るのは、妖魔の襲撃から逃れる為に避難誘導されて避難して来たからみたいだ。
そんな事が弓弦さんとオレの睡眠中に起きていたなんて知らなかった。
セロが≪ 平安京 ≫の平民達を助ける為に大量の〈 器人形 〉やキノコン達を召喚してくれた──なんて、それこそ “ 夢なんじゃないか ” って思ってしまう。
なんてったって、“ あの ” セロだからなぁ~~~~。
だけど──、寺子屋で避難民達の為に忙しく走り回っている〈 器人形 〉達や炊き出しをしたり、子供達の遊び相手をしているキノコン達は本物だ。
楽しんで動いているようにすら見える。
マオ
「 セロ……有り難な。
妖魔から平民達を助ける為に〈 器人形 〉達とキノコン達を動かしてくれてさ!
平民達に向けてくれたセロの優しさが嬉しいよ!(////)」
セロフィート
「 はい?
何時ワタシが平民に優しくしました? 」
マオ
「 へ??
何を言ってるんだよ。
だって── 」
セロフィート
「 ワタシは平民の為に〈 器人形 〉やキノコンを動かしたりしません 」
マオ
「 だけど、現に── 」
セロフィート
「 全て “ マオの為に ” した事です。
間違えないでください 」
マオ
「 オレの為…??
何で?
オレは布団の中で寝てたじゃんか!
もしかして──、オレの安眠を守る為に?? 」
セロフィート
「 それも違います。
マオが “ 陰陽師の筆記試験に合格出来るように ” です。
多大な被害を受ければ、1週間後に控えた筆記試験が中止になってしまう可能性があります。
そんな事になっては、マオの努力が台無しでしょう?
被害が最小限で済めば、筆記試験も受けれる可能性があります。
“ マオの為 ” です 」
マオ
「 セロ……(////)
オレの為に……(////)
理由は兎も角、それでも平民達を助ける事になった事実は変わらないよ!
オレは嬉しい!!
セロの為にも、筆記試験には1発で合格するからな!! 」
セロフィート
「 ふふふ。
期待はしないで応援するとします 」
マオ
「 いや──、この流れで『 期待はしない 』ってのは無いだろぉ~~!
ちゃんと “ 期待もして ” 応援してくれよ!!
頑張れないだろ~~が! 」
セロフィート
「 はいはい。
では期待するとしましょう 」
マオ
「 それで良し!
そんじゃあ──、堡畄川さんを探そうか!
…………弓弦さん、大丈夫??
気分が悪そうだし、此処で休んでる? 」
絲腥玄武
「 弓弦には我が付いていよう。
マオとセロはミカトを連れて行ってくれ 」
マオ
「 そだね。
元凶を弓弦さんの傍には置いとけないもんな 」
天女:ミカト
「 はぁ゛?!
アタシが元凶だって言うの!
馬鹿な事、言わないでよ!!
アタシが元凶な筈ないでしょ!!
アタシはぁー、弓弦のぉー、妻なのよ!! 」
厳蒔弓弦
「 大きな声を出さないでくれ… 」
天女:ミカト
「 弓弦……。
アタシの柔らかい胸の膨らみで抱きしめてあげるから、元気になりなさいよ!
男はパフパフが好きでしょ? 」
マオ
「 何で天女が “ パフパフ ” を知ってんだよ… 」
厳蒔弓弦
「 頼むから止めてくれ…。
私に胸を押し当てないでくれ… 」
弓弦さんが──、今にも死にそうな顔をしてるぅ~~~~!!
なんか今にもリバースしちゃいそうに辛そうだ。
意地でもミカトさんを弓弦さんから離さないと!!
強引でも力付くで引き離さないと弓弦さんがピンチだぁぁぁぁあああああああっ!!!!
セロフィート
「 ミカトさん、行きましょう。
弓弦さんの妻を気取るなら、弓弦さんの体調を気遣い、思いを汲める優しさを身に付けてください 」
天女:ミカト
「 弓弦……。
弓弦が望むなら、アタシは何時でもパフパフするからね!!
遠慮しないで、言いなさいよ!
アタシの身も心も弓弦にあげるんだからぁ!! 」
ミカトさん……何か怖いな…。
天女ってのは、皆こんなんなのかな??
まるで獲物に噛み付かんとするゲダモノ──じゃなくて、質の悪い狼みたいだよ……。
ミカトさんは両目から何故か涙を流しながら、今生の別れみたいなノリで弓弦さんに手を振っている。
大袈裟過ぎるだろぉ……。
堡畄川さんを探しながらでも、何で急に弓弦さんにアプローチを始めたのか聞いてみようかな。
セロフィート
「 ミカトさん、大袈裟です。
弓弦さんがミカトさんを遠ざける理由を教えます 」
天女:ミカト
「 えっ?!
弓弦がアタシを遠ざける理由があるの!? 」
マオ
「 グイグイ攻めてウザいからじゃないのか? 」
天女:ミカト
「 黙れよ、ガキぃ!
テメェの大事な●●●●を潰して使用不能にすっぞ、ゴぉラァァァァ!!!! 」
マオ
「 非処女のアバズレビッチが弓弦さんに馴れ馴れしくすんな!! 」
天女:ミカト
「 はぁぁぁぁあん?!
天女様に向かってぇー、なんて暴言を吐きやがんだ、こんガキゃあ!! 」
セロフィート
「 マオ、買い言葉に売り言葉は止めなさい。
ミカトさんもです。
ワタシのマオに暴言を吐いて侮辱しないでください 」
天女:ミカト
「 はぁぁぁぁあん!?
何ふざけた事を言ってやがる!!
暴言吐いて、侮辱したのはコイツだろうがぁぁぁぁ!! 」
セロフィート
「 羽衣を消し炭にしても良いのですよ 」
天女:ミカト
「 ぐっ──、こんのぉ~~~~腐れ外道式神がぁぁぁぁ!! 」
セロフィート
「 マオを罵倒するのも侮辱するのも──、世界中でワタシだけです。
ですよね、マオ♪ 」
マオ
「 真顔で言うな!
『 ですよね、マオ♪ 』じゃ、ないだろぉ!! 」
セロフィート
「 ワタシ “ だけ ” の特権です 」
マオ
「 勝手に特権にすんな!! 」
絲腥玄武
「 …………言い合いは他所でしてくれないか?
弓弦が限界そうなんだが… 」
マオ
「 ──ご、御免なさい!!
ミカトさん──、ほら、行くよ!! 」
天女:ミカト
「 …………チッ!
仕方無いわね。
分かったわよ… 」
ミカトさんは渋々だけど、セロとオレと一緒に弓弦さんと玄武さんから離れて、移動してくれた。
弓弦さん……真っ青な顔をしてたな。
大丈夫かなぁ……。
弓弦さんの体調が心配だけど、玄武さんに任せる事にして、オレはセロと一緒に堡畄川さんを探す事にした。




