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✒ 寺子屋が大変だぁ 1


──*──*──*── 寺子屋


 宿屋をチェックアウトしたら、セロ,づるさん,げんさん,ミカトさんと一緒に《 平民地区 》を歩いて寺子屋へ向かった。

  寺子屋の門をとおって、寺子屋の中へ入ると、寺子屋の敷地内はなんか大変な事になっていた。


 寺子屋でなにがあったのかオレには分からないし、まったく検討が付かないけど、か宮司姿の〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉と巫女姿の〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉とキノコン達がせわしなく動いていた。

 「 寺子屋でなにしてんの?? 」って感じだ。


 寺子屋の敷地内には、陰陽師じゃない大勢の人達の姿がある。

 えぇ~~と…………なんで、こんなに沢山の人達が……。

 〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉やキノコンが関わってる──って事は、十中八九セロが絡んでるんだろうな。

 セロに聞いたら素直に教えてくれるかな?

 こんなにもだい(だい)てきに〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉とキノコンが動いてるんだし、誤魔化されたりはしないと思う。


厳蒔弓弦

「 ──随分と平民が多いな。

  なにか起きたのか?

  向こうでキノコンが炊き出しをしているが… 」


マオ

づるさんも気になるんだ? 」


厳蒔弓弦

「 あぁ……、流石に大勢の平民が寺子屋にればな…。

 ( ──私も事情は知っているが、マオだけが事情を知らないのはな… )」


絲腥玄武

「 ふむ……それもそうだな。

  づるも疲れていたのか、宿やどに着いたらぐに眠ってしまったからな。

  なにが遭ったかは知らぬのは当然か 」


セロフィート

「 折角ですし、寺子屋の現状と理由を話しましょうか。

  隠している必要もないですし 」


天女:ミカト

「 ──外道式神ぃ!

  ばなしいやだからね! 」


セロフィート

「 はいはい。

  かで座って話すとしましょう 」


 セロはオレの頭を優しく撫でながら、笑顔で微笑みながら言う。

 オレの頭を撫でる必要あるかな??

 ねぇだろ!!


マオ

「 ──なに当然みたいにオレの頭を撫でてんだよ!? 」


セロフィート

「 丁度い高さにありますし♪ 」


マオ

「 ──子供扱いすんな!

  オレは成人してるんだからな! 」


セロフィート

「 はいはい♪ 」


天女:ミカト

「 アンタって、なかいのか悪いのかよ? 」


セロフィート

「 ワタシはマオの式神です。

  仲良しに決まってます♪

  ですね、マオ 」


マオ

「 ははは…… 」


天女:ミカト

なんか立場が逆転してない?

  まおが使役者なんでしょ?

  ちゃんと外道式神のづなを握れてんのぉ? 」


マオ

「 ははは……。

  ( ほんは式神じゃないんだけどなぁ~~。

   陰陽師じゃないから、使役者の陰陽師と使役されてる式神との距離感や関係性も分からないし…… )」


絲腥玄武

「 別にいだろう。

  陰陽師と式神の関係はそれ(ぞれ)だ。

  われの生前には使役者の陰陽師をアゴでコキ使う式神もたからな。

  マオとセロは良好な方だ 」


マオ

あるじの陰陽師をアゴでコキ使う式神がたの??

  マジかよぉ~~。

  想像が付かないよ 」


天女:ミカト

たしかに……。

  想像は付かないわね… 」


 座って話せそうな場所を探して、寺子屋の敷地内を歩いていると、こじんまりとしているけど、いてるスペースがあった。


厳蒔弓弦

「 ──ひとも無いし、さそうだ 」


セロフィート

「 椅子を出します。

  丸太椅子でいですね 」


 セロは〈 (原質)(みなもと) 〉を構成して丸太椅子を出してくれる。

 丸太椅子はドーナツ型をしている。

 またいで座るヤツだな。


マオ

「 どうでもいけどさ──、頭を撫でてる手を退けろぉ!! 」


セロフィート

「 マオはワタシの隣に座ってください 」


マオ

「 オレは座る場所も自分で決めれないのかよ~~ 」


セロフィート

「 マオの隣はワタシと決まってます♪」


マオ

「 初耳だよ! 」


セロフィート

いやならワタシの膝の上に座ってください♪ 」


マオ

「 と……隣でい…(////)」


 づるさんもげんさんもる前で──、セロの膝の上に座れるかよ!!

 座りたいけど、「 は~~~~い♥️ 」って座れない!!

 オレにも男としてのプライドが有るんだ!!


 オレはセロの左側に腰を下ろして座る事にした。

 オレの右横に腰を下ろして座るのは、当然セロだ。

 オレの左隣にはけんさんが腰を下ろして座った。


 げんさんの左隣に座るのはづるさん──ではなくて、ばくにゅてんにょのミカトさんだった。

 ミカトさんはづるさんとげんさんのあいだに割り込むようにして丸太椅子の上に腰を下ろして座った。


マオ

「 …………なんづるさんとげんさんのあいだに割って入ってんの? 」


天女:ミカト

「 はぁ゛っ?

  アタシがに座ろうとアタシの勝ってでしょ!

  アタシはに座りたいのよ!

  外道式神の膝の上じゃなくて感謝しなさい! 」


セロフィート

「 ワタシの膝の上はマオ専用です。

  誰にも座らせません。

  マオ、安心してください 」


マオ

「 別に心配はしてないけどな… 」


天女:ミカト

「 アタシはづるの妻なんだから、しゅうとげんには負けないわ! 」


厳蒔弓弦

「 は?

  私の妻だと?

  から私の妻になった?

  勝手に “ 妻 ” を名乗らないでくれ… 」


天女:ミカト

いやよ!

  アタシはづるの妻なの!

  アタシ以外の女なんて近付けさせないからね!

  てんにょじき(じき)に妻になってんだから、がたく思いなさいよ! 」


厳蒔弓弦

「 思えるか!

  私に妻などらない! 」


天女:ミカト

「 い…らない……??

  男は胸が大きくて柔らかくて──、若くて可愛い女の子が大好きじゃないのよぉ!!

  アタシはてんにょだから、としは取ってもけないし、迄も若くて可愛い容姿でそばられるのよ!

  づるが望めば、毎晩だってよろこばせれる寝技も知ってるんだからぁ!!

  子作りだって拒んだりしないし、づるが満足出来る迄、アタシは奉仕するわ!

  子供だって沢山産んであげるし、大家族だって夢じゃないのよ! 」


厳蒔弓弦

「 ………………セロ、コイツの暴走をめてくれ… 」


 づるさん──、てんにょのミカトさんを “ コイツ ” 呼ばわりするなんて、物凄く迷惑そうだ…。

 グイグイ迫って自分を売り込んでるような女の人は苦手なのかな?

 まぁ……たしかに、ミカトさんが若くて可愛いのは間違いないよな。

 口調はすこぶる悪いけどな~~。


厳蒔弓弦

「 …………頼むから胸で私の腕を挟まないでくれ… 」


 づるさん……。

 妖魔と激戦苦闘したわけでもないのに、ほうりきを使い果たして戦い終えたあとみたいにゲッソリしてるよ……。


マオ

づるさん……。

  セロぉ~~、づるさんが困ってるし、なんとかしてあげれないのか? 」


セロフィート

「 ミカトさんが誰の妻になろうとワタシには関係無いです 」


マオ

「 セロ! 」


セロフィート

「 とは言え、づるさんはワタシのマオを助けてくれた恩人です。

  助け船ぐらいは出しましょう 」


マオ

「 セロぉ!

  がとな! 」


セロフィート

「 ミカトさん、“ 妻 ” となるなら内助の功も身に付けてください。

  内助の功なくして、弓弦さんのしんしんを癒し,ねぎらい,なごませる事は出来はしません。

  づるさんに “ 妻 ” と認められたいなら、慎みを知り,慎みを身に付ける事です 」


天女:ミカト

「 内助の功ぉ~~?

  慎みぃ~~?

  づる

  “ そんなのらない! ” って言って!!

  アタシには “ 必要ない! ” って言って!! 」


厳蒔弓弦

「 …………必要に決まっている…。

  頼むから──、私にれないでくれ… 」


天女:ミカト

「 ──っ、そんな連れない事、言わないでよお!!

  づるぅ~~~~ 」


厳蒔弓弦

「 はぁ……。

  ……りにって私なんだ… 」


 づるさんは右手でひたいを押さえながら頭を左右に振る。

 ふか(ぶか)と溜め息をきながら丸太椅子から腰を浮かせて立ち上がると、オレとげんさんのあいだに割って入ってた。

 丸太椅子に腰を下ろして座ると、両肩を落として疲れきった表情をしている。

 苦悶に満ちた表情と言ってもいかもしれない。

 ミカトさんからの謎の妻攻撃に辟易しているみたいだ。


絲腥玄武

「 …………づる…… 」


 げんさんもづるさんが心配みたい────ではない??

 げんさんは手に持ってる扇子で口元を隠している。

 ………………もしかしてげんさん、面白がってる??


マオ

「 ──えぇ~~と……そろそろさ、本題に入ったりしない? 」


セロフィート

「 そうですね。

  寺子屋に平民が多い理由を話すとしましょう 」


 セロは「 ふふふ 」と静かに笑いながら、寺子屋が置かれている現状を話してくれた。

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