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✒ 騒ぎの原因 3


──*──*──*── 寺子屋


 寺子屋の敷地内にある訓練場に転移召喚されたのは、宮司の格好をした男性姿の〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉が10体,巫女の格好をした女性姿の〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉が10体,キノコンが1体だ。

 キノコンが1体と少ないのは、分裂して分身体が増えるからだ。

 実験大好きなセロフィートの改良によって、キノコンは分身体を100体に増やす事が出来るようになっていた。


 ちなみにキノコンは分裂をすると、キノコン砲を放つ事が出来なくなり、強さも100分の1に分かれてしまう為、本来よりも弱くなってしまい戦闘には不向きとなる。

 キノコンの分身体1体の強さは、1体の戦闘用〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉の攻撃力と防御力を下回ってしまう。


 10体に分裂するキノコン,50体に分裂するキノコンよりも、100体と多く分裂が出来るようになったキノコンの方が攻撃力も防御力も低くなるのである。

 以下の事情もあり、きょうみやないに転移召喚されたキノコン達の種類は異なっていた。

 井戸周辺で上空の妖魔を倒しているキノコン達は、10体分裂するキノコン達であり──、民家周辺でたみの避難誘導に奮闘しているキノコン達は、50体分裂するキノコン達である。


 寺子屋の敷地内をメインで動くのは、宮司姿の〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉と巫女姿の〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉である。

 キノコンは〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉達のサポート役をする事になっている。

 

 幼い子供達の子守りをしたり、炊き出しの準備をしたり、必要物資や食材の管理や調達をしたりする事だ。

 広い訓練場の中に仮設テントを張ったり、寺子屋を借りて救護小屋を用意したり、不安がるたみ達に寄り添い話し相手になったり、心のケアをしたりと、あらゆる雑用を分裂した100体でのだ。


 ちなみに仮設テントにはさま(ざま)な種類が用意されており、仮設トイレのテントや仮設浴場のテントがあったりする。

 仮設テントは1人用テントの大きさで、場所を取らずに張る事が出来て便利だった。


キノコン:I

「 ──ふぅ~~。

  テントを張り終えたエリ~~ 」 


キノコン:J

「 セロ様が用意してくださったテントは凄いエリ~~ 」


キノコン:K

「 1人用の小さなテントの中は8畳あるエリ。

  広いだけじゃなくて、つねに適度な温度が保たれているエリ 」


キノコン:J

「 温度調節は大事エリね。

  寒さに震えないで過ごせるだけでも心身の負担が減るエリ 」


キノコン:I

「 沢山のテントを張れるから、沢山の避難民を迎えられるエリ 」


キノコン:L

「 必要最低限の物資もテントの中へ運び終えれたエリ 」


キノコン:I

「 仮設トイレのテントと仮設浴場のテントも張り終えてたみたいエリ 」


キノコン:J

「 仮設トイレと仮設浴場は子供用と大人用を分けた方がいと思うエリ 」


キノコン:L

身体からだの構造が違う男と女も別にした方がいと思うエリ 」


キノコン:I

「 仮設テントを増やすエリ 」


キノコン:L

「 仮設テントの横に見張りのキノコンを付けるエリ。

  覗き見は厳禁エリ 」


 ──などと、キノコン達が訓練場を避難民用の避難場所に変えているあいだ、寺子屋に待機している陰陽師達は〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉達と避難してたみを受け入れる為のはなしをしていた。

 寺子屋内のもろ(もろ)の事は()(ニン)()()(ニン)()に任される事になり、戦えない陰陽師達は寺子屋内を分散し、妖魔の被害を受けないように結界を張り、結界が破られないように見張りに徹する事になった。

 を持っている陰陽師や戦い慣れた陰陽師達は、寺子屋周辺で警備に当たり、寺子屋に近付く妖魔を撃退する事になった。


 おの(おの)役割が決まったあとは行動も早く、おのれに与えられた役目をまっとうするべく陰陽師達は持ち場へ向かった。


 急遽、たみの避難場所として白羽の矢が立った寺子屋の陰陽師達は、案外にもはなしが分かる者達が多く、たみ達を受け入れる事を承諾し、こころよく協力をしてくれる事になっているが、陰陽院では少し違っていた。


──*──*──*── 陰陽院


 陰陽院は陰陽師達の巣窟である。

 なにかとたみとのいや付き合いが多い寺子屋で働いている陰陽師達とは違い、陰陽院で働いている陰陽師達はエリート中のエリートである為、たみとの関わりが限り無く薄かった。

 そんな陰陽院の中にある広い試験場に突如あらわれた()(ニン)()10体,()(ニン)()10体,キノコン1体に対して、敵意を剥き出しにしていた。

 当然と言えば当然の事ではあった。


 陰陽院で働く陰陽師達は、陰陽院の敷地内をたみの一時避難場所として使用する事を断固として拒否し、()(ニン)()()(ニン)()の申し出をけるとろうぜきものの侵入者達を追い出そうとやっになり抵抗した。


 しかし、相手が悪かった。

 ()(ニン)()()(ニン)()は戦闘用〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉であり、非力な人間が真面目に武力で歯向かってもかなう相手ではなかった。

 陰陽師達はいんを切り、使役している式神を呼び出し、()(ニン)()()(ニン)()を陰陽院から追い出そうとしたが、召喚され式神も馬鹿ではなかった。


 式神は対峙する()(ニン)()()(ニン)(),キノコンに対して、激しい恐れを抱いており、いんを切って指示を出す陰陽師達に抵抗していた。

 ()(ニン)()()(ニン)()も危険だが、1体のキノコに似ている姿をした奇妙な黄色い生物に対しては、特に恐怖を抱いており、警戒すらしていた。

 一撃でも攻撃を食らえば、消滅する事をいやでも悟ってしまっていたのだ。

 その為、式神達はの1歩ですら踏み出せずに身動きが出来ずにいた。

 

キノコン:M

「 賢明な判断が出来るなんて式神は意外と賢いエリね。

  後ろで指示を出すしかのうのない臆病な陰陽師とは違うエリ。

  ボクはセロ様が用意してくださった仮設テントを試験場に張りに掛かるエリ。

  陰陽師とは式神の始末は〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉に任せるエリ 」


 キノコンは100体に分裂すると転送された必要物資や食材を手分けして運び始めたり、仮設テントを取り出して試験場に張り始めた。

 ()(ニン)()()(ニン)()は避難所として使用する事を反対して邪魔をしようとする陰陽師達を優先的に迅速にとらえ始めた。

 抵抗が出来ないように縄で縛り、さるぐつわをしてことだまを使えないようにする。

 見事な手際のさで、陰陽院は()(ニン)()()(ニン)()達に制圧された。


 戦う事を拒否した式神達は姿を消し、縛られずに済んでいる陰陽師達は、避難民の受け入れに協力する事を了承した者達だけが残された。

 残った陰陽師達は、()(ニン)()()(ニン)()の指示に従い、戦いが不向きな陰陽師達は、避難してたみが妖魔に襲われないように手分けをして結界を張り始めた。

 戦え慣れた陰陽師達は、陰陽院にちかく妖魔を撃退する為に手分けをして陰陽院の周辺を巡回し始めた。


 暫くすると、多くのたみが陰陽院へ避難誘導をされて、やってた。

 陰陽院はたみの受け入れをする為に両門を開いてたみを招き入れ始めた。


──*──*──*── 井戸周辺


キノコン:N

「 伝令エリ!

  井戸の中に入って、から妖魔がるのか突きめるエリ! 」


キノコン:O

「 責任重大エリ~~ 」


キノコン:P

「 井戸に飛び込むのはキノコン1体だけエリ? 」


キノコン:N

「 井戸は沢山あるエリ。

  かく井戸に1体だけ入って進むみたいエリ 」


キノコン:O

「 妖魔の発生地にキノコンが集結する事になるエリね 」


キノコン:P

「 妖魔を見付けたら、一斉にキノコン砲をはなつエリ? 」


キノコン:Q

「 ボクが行くエリ! 」


キノコン:N

「 任せたエリ!

  蓋が届いたら井戸に蓋をしちゃうエリ… 」


キノコン:P

「 転移魔法で戻ってれるみたいエリ 」


キノコン:O

「 行ってらっしゃいエリ~~ 」


 1体のキノコンはほかのキノコン達に見送られながら、妖魔が出てる井戸の中へ飛び込んだ。

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