⭕ 目指そう、退魔師 2
長話は夕食の後にする事になった。
この≪ 島国 ≫では「 夕食 」じゃなくて「 夕食 」って言うらしい。
朝食は朝食,昼食は昼食って言うんだとか。
弓弦さんが教えてくれた事だから、これからは気を付けようと思う。
夕食の時間になると、宿屋から十分とは言えない程の質素な料理を出された。
どうやら質素な料理は普通の事らしい。
寧ろ、おかずが1品多いのは、妖魔を退治した事に対する感謝の気持ちの現れらしい。
…………オレの心は随分と荒んでしまったようだ…。
質素過ぎるのと量が少ないお蔭で、提供された料理に対して感謝の念を抱けないでいる。
こんな少量じゃ、オレの空腹は満たされないよ!!
良く噛んで、噛み締めて食べないとだ。
まぁね、味は…………悪くはない……かな??
マオ
「 …………食べた気がしないなぁ~~。
幾らなんでも少な過ぎないかな? 」
セロフィート
「 宿泊客が多いのでしょう。
仕方無いです。
明日にでも解体した獣肉を差し入れしてはどうです? 」
マオ
「 そだな~~ 」
厳蒔弓弦
「 それは喜ばれるだろう。
村人達も助かるし、感謝されるな 」
マオ
「 そうなんだ?
まぁ、感謝されたくて差し入れする訳じゃないけど…。
素材も提供したら喜ばれるかな? 」
厳蒔弓弦
「 素材? 」
セロフィート
「 獣を解体して、毛皮,爪,牙,骨,臓物の類いに仕分けます。
路銀を稼ぐ手段として商人に売っています 」
厳蒔弓弦
「 凄いな。
解体が出来るのか 」
マオ
「 まぁね!
セロに叩き込まれて覚えたんだ!
オレよりセロの方が上手いんだよ 」
セロフィート
「 弓弦さんは、この≪ 村 ≫に何日滞在します? 」
厳蒔弓弦
「 明後日の朝には経つ予定でいる。
道中何が起こるか分からないからな。
命日に遅れないよう、早目に行動するようにしている 」
セロフィート
「 そうですか。
弓弦さんの里帰りにマオとワタシも同行させてください 」
厳蒔弓弦
「 ──は?
同行?? 」
マオ
「 はぁぁぁぁん?
何言うんだよ、セロぉ!
オレ達は≪ 平安京 ≫に行くんだろが! 」
セロフィート
「 マオ、≪ 平安京 ≫は逃げません。
到着が遅れても退魔師試験は受けれます。
違いますか? 」
マオ
「 それは……そうだけど…… 」
セロフィート
「 どうでしょう。
マオもワタシも旅には慣れてますし、弓弦さんに迷惑は掛けません。
退魔師試験を受ける前に、退魔師について何も知らないマオには現役退魔師の戦い方を学んでほしいです。
マオの指導役を頼めませんか 」
厳蒔弓弦
「 私は構わないが…。
本当に良いのか?
≪ さちまの里 ≫は遠いぞ。
≪ さちまの里 ≫から≪ 平安京 ≫へ向かうとなると5ヵ月は掛かるんだが… 」
マオ
「 5ヵ月だって!?
マジかよぉ~~~~!! 」
セロフィート
「 構いません。
では、弓弦さんの里帰りに同伴させていただきます 」
厳蒔弓弦
「 あ、あぁ……宜しく頼む 」
セロフィート
「 此方こそ宜しくお願いします、弓弦さん。
良かったですね、マオ。
現役退魔師の弓弦さんから退魔師の指導を受けれますよ 」
マオ
「 報連相の意味ぃ!! 」
セロフィート
「 マオ、男の子は細かい事に拘らないものです。
ドッシリと腰を据えて構えてください 」
マオ
「 また、そうやって最もらしい事をそれっぽく言う~~ 」
セロフィート
「 感謝されても文句を言われる筋合いはないです。
明日はマオとワタシも旅に必要な道具や食材を調達して補充しましょう 」
マオ
「 分かったよ…。
どうせなら周辺の地図が欲しいよな。
弓弦さん、地図って何処で買えるの? 」
厳蒔弓弦
「 まっぷ??
まっぷ……とは何だ? 」
マオ
「 え?
あぁと……地図だよ!
この≪ 村 ≫から妖魔の森までの道が分かると移動し易いから 」
厳蒔弓弦
「 地図は無いな 」
マオ
「 へ?
地図が無い?? 」
厳蒔弓弦
「 旅をしていると道順を覚えてしまうからな。
地図は必要ないんだ。
抑、地図は買う物ではなく、自分で描いて作る物なんだ 」
マオ
「 マジかよ… 」
セロフィート
「 ≪ さちまの里 ≫への道も≪ 平安京 ≫迄の道も弓弦さんに任せましょう。
妖魔の森の奥にある≪ 里 ≫なら、地図があっても役には立たないでしょうし 」
マオ
「 どういう事だよ? 」
セロフィート
「 行ってみれば分かります。
楽しみですね♪ 」
マオ
「 楽しみなのは、セロだけだろ! 」
全くもう!
オレが居るのに何時も勝手に決めるんだから!!
止めてほしいもんだ。
セロフィート
「 時に弓弦さん。
魔具ではない刀で妖魔を攻撃する事が出来ない事は分かりました。
妖魔の攻撃を防ぐ事が有り得ない理由を教えていただけます? 」
マオ
「 そう言えば、そんな事を言ってたような…… 」
厳蒔弓弦
「 あぁ、そうだな。
魔具ではない武器では妖魔に傷を負わせる事は出来ないのは、武器が妖魔をすり抜けてしまうからだ。
武器が妖魔をすり抜けてしまうのだから、妖魔の攻撃を武器で防ぐ事は当然出来ず、攻撃を受けて深傷を負ってしまうのが普通だ 」
マオ
「 そうなんだ?
本来は妖魔の攻撃を防げないのか。
何でオレの刀は妖魔の攻撃を防ぐ事が出来るんだろう? 」
セロフィート
「 ワタシがマオの為に用意した特別な刀だからです。
妖魔を倒せなくても使い道はあります 」
マオ
「 使い道? 」
セロフィート
「 マオには斬り込み隊長をしてもらいます。
マオが囮として妖魔の注意を引きます。
その隙に弓弦さんが魔喰いの弓で妖魔を攻撃して倒します。
名案でしょう? 」
マオ
「 オレに何させるんだよ!
因みにセロは何するんだよ!
応援か、傍観か、高見の見物か!! 」
セロフィート
「 ワタシは後方支援をします。
吟遊大詩人は戦力になりません。
回復や補助に関してはワタシに任せてください♪
吟遊大詩人らしく、詩歌を歌って援護します 」
マオ
「 オレとは正反対で1番楽な役回りだな! 」
セロフィート
「 マオは剣士でワタシは吟遊大詩人ですよ。
最善の役割分担でしょう。
唯一妖魔を倒せるのは弓弦さんです。
弓弦さんの能力を最大限に高め、強化させる事が出来るは吟遊大詩人のワタシだけです 」
マオ
「 ぐぅの音も出ないのが悔しい…… 」
セロフィート
「 弓弦さんも戦闘時は、それで良いですね? 」
厳蒔弓弦
「 あ、あぁ……。
2人が良いなら私は構わない… 」
セロフィート
「 はい♪
マオ、確り活躍出来ますね。
ワタシにマオの勇姿を見せてください♪ 」
マオ
「 …………はぁ…。
セロには敵わないな…… 」
まぁ、惚れた弱味ってヤツかな。
オレはセロを愛しちゃってるんだから、断るなんて出来ないんだ。
それに、セロの提案は何気に合ってると思うしな。
3人で妖魔と戦闘か。
どうなる事やらだな。




