表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/169

✒ 遊廓亭で合格祝い 2


マオ

「 ………………………… 」


厳蒔弓弦

「 ………………………… 」


マオ

「 …………………………なぁ、セロさん… 」


セロフィート

「 どうしました? 」


マオ

「 ……………………これが……御馳走??

  これが…………とっておきのしい御馳走?? 」


セロフィート

「 そのようですね 」


厳蒔弓弦

「 …………………………御馳走か…。

  これは…………随分と質素な御馳走……だな? 」


マオ

「 ~~~~~~~~違うっ!!

  こんなのが御馳走なわけないっ!!

  こんな……こんな……こんなっっっ………………、白米と焼きメザシ1匹なんて──!!

  こんなの出されて、喜べるかぁぁぁぁああああああああーーーーーーーーっっっ!!!! 」


厳蒔弓弦

「 …………白米と焼きメザシも “ ある意味 ” では御馳走だがな… 」


マオ

「 セロぉ!!

  こりゃ、どういう事だよ!

  ちゃんと食材は渡してるんだよな?

  米とメザシを渡した訳じゃないよな?? 」


セロフィート

「 ワタシがそんな事をすると思います?

  そうですね? 」


器人形

「 はい!

  セロフィート様に言われましたとおり、たしかに食材をお渡し致しました。

  此方こちらは遊廓亭が食材を受け取った事を認めた証明書になります。

  偽物ではなく、正真正銘の本物です 」


セロフィート

「 座敷を横取りしただけではなく、御馳走の食材までも横取りされるとは予想外ですね 」


マオ

「 …………御祝いの御馳走だって言われるから、ウキウキして待ってたのにぃ!!

  出されたのは白米と焼きメザシ1匹……。

  御祝いの席で食べる料理じゃないのは明らかだよ!!

  これはぁっ、遊廓亭からのいやがらせなのか?

  なぁ、セロ、どうなんだよ!! 」


セロフィート

「 ワタシに聞かないでください。

  たしかな事は、遊廓亭がみずから信頼を放棄した事です。

  1度ならず2度迄も、です。

  御灸を据えるだけでは足りません 」


マオ

「 責任者を呼んで事情を聞こう! 」


セロフィート

「 正直に話すと思えませんけど? 」


マオ

「 だって、事情が分からないんじゃ徹底的に責めれないじゃんかよ! 」


厳蒔弓弦

「 責めるつもりなのか?

  陰陽師試験はだ終わっていない。

  筆記試験が無事に終わる迄は騒ぎを起こさない方が得策だと思うが… 」


マオ

「 それは……そうかも知れないけど……。

  だけど……づるさんっ!! 」


厳蒔弓弦

「 マオ、く考えるんだ。

  今回の陰陽師試験に合格が出来なければ、1年待たなければいけないんだぞ。

  1年間、退魔師試験も受けられないし、目的のも手に入れられなくなる。

  らぬ騒ぎを起こし、陰陽院の審査官達の耳に入れば、1年間のおあずけを食らうことになるんだぞ。

  それでも構わないのだな? 」


マオ

「 ……………………1年……おあずけ……。

  それは……いやだよ……。

  だけど……こんな酷い侮辱を受けるような扱いをされないといけない理由も知りたいんだ…… 」


セロフィート

「 マオはなにもしなくていです。

  すべてワタシに任せてください。

  ワタシに一任してくれますね? 」


マオ

「 セロぉ~~~~。

  …………一寸ちょっと待て、一体なにする気だよ? 」


セロフィート

「 秘密です♪

  御馳走は用意させます。

  小1時間ほど時間をください。

  それ迄は──、そうですね。

  にある碁盤でづるさんと遊んでいてください 」


マオ

「 碁盤?

  …………4つの足の付いてる? 」


セロフィート

「 それしか無い筈です 」


マオ

「 随分とふるぎたない碁盤だけど……。

  そもそも、使っていのかよ?

  く見たら黒いシミが付いてるっぽいし…… 」


セロフィート

「 多少ぎたなくてもシミが付いていても使えます。

  碁石もありますし 」


マオ

「 えぇ~~~~。

  黒と白しかないじゃん。

  オレ、オセロしか出来ないよ…… 」


厳蒔弓弦

「 囲碁なら師匠に付き合わされて打たされた事がなんもある。

  い機会だ、囲碁を教えよう。

  寺子屋では囲碁は習わないだろうが、陰陽院では囲碁を習うそうだからな。

  打てて損はない。

  陰陽師のたしなみだと思って気楽に覚えればい 」


マオ

「 マジかよ……。

  …………頭は使わない? 」


厳蒔弓弦

「 いや、使うな。

  “ ボケ防止になる ” と師匠の口癖だったぐらいだ 」


セロフィート

「 マオ、オセロも頭を使います。

  頭を使わない遊びは無いですよ 」


マオ

「 分かってるしぃ!!

  言ってみただけだよ! 」


セロフィート

づるさん、マオをお願いします。

  お前は御座敷のそとで見張りをなさい。

  ワタシが戻る迄、なんぴとりとも座敷には入れぬように。

  殺さず、気絶させるだけでいです 」


器人形

かしこまりました。

  お任せくださいませ 」


マオ

「 セロはへ行くんだ? 」


セロフィート

「 厨房です。

  御馳走を作るには厨房が必要でしょう? 」


マオ

「 それはそうだけど…… 」


セロフィート

「 囲碁でも打ちながら待っていてください 」


 そう言うとセロは玄武のを出て行った。


器人形

「 マオ様、アチは御座敷のそとで見張りを致します 」


 オレに一礼をした〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉も玄武のを出て行った。

 座敷内に残ったオレは、づるさんから囲碁を教わる事になった。


 なにが悲しくて、シミが付いてるぎたない碁盤で囲碁を打たなきゃならないんだか。

 陰陽師のたしなみぃ??

 陰陽師っていろ(いろ)と面倒なんだな……。

 退魔師試験に合格して退魔師になれたら、陰陽師の格好なんかぐにめてやるんだからなっ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ