✒ 退魔仲介所を下見 2
厳蒔弓弦
「 名簿の記入が済めば、依頼書を見せてもらえるぞ 」
受付人
「 退魔師にも位があってね、位に合った依頼書しか見られないし、受けられないんだよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 位って……ランクみたいなもん? 」
受付人
「 らんく??
退魔師になると10段から始まるよ。
身の丈に合った依頼を受けて、解決させて、達成すると──、依頼人が退魔師の働きに方に対して評価を付けるんだ。
勿論、退魔仲介所も評価を付けるよ。
総合評価が成績になって、甲評価が10件に達すると位が1つ上がって9段になれるんだよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうなんだ。
甲評価を10件か。
中々難しそうだね 」
受付人
「 人当たりの良い依頼人ばかりじゃないからね。
こんな御時世だから、意地の悪い依頼人や厄介な依頼も多いんだ。
依頼人の話だけじゃなくて、周囲の人の話にも耳を傾けて真摯に聞いたり、誠実に接したりしないといけないんだ。
慣れる迄は人間関係で四苦八苦する事にはなるかな。
依頼の数をこなして、色んな人と接して行く中で、色んな気付きや学びがあるよ。
体験や経験,失敗を次に活かせていけるように自分なりに工夫や試行錯誤しながら、自分磨きをして成長していけるよ。
苦労はするけど、厳蒔様と一緒に活動するなら大丈夫だよ!
自信を持って依頼を受けたら良いし、依頼人と接する事だね。
ポイントは依頼人に自分は対等な人間だと思わせる事かな。
足元を見られたり、軽視されない為に、億劫にならず胸を張って堂々と接する事が大事だよ。
磨絽君なら大丈夫そうかな? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 1人だったら難しいかも知れないけど、セロと兄さんが居てくれるから大丈夫そうかな 」
受付人
「 心強いね!
厳蒔様は退魔師の4段だから、4段用の依頼書を読めるんだよ。
今回は特別に10段の依頼書も見せようね。
磨絽君が退魔師になれたら受けれる依頼内容だよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 有り難う、お兄さん(////)」
受付人が棚に入っている依頼書を出してくれる。
受付人
「 奥に机と椅子があるから座って依頼書を見ると良いよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん 」
厳蒔弓弦
「 マオ、此方だ 」
弓弦さんが奥の机と椅子がある場所に案内してくれる。
奥に入るには暖簾を潜らないと入れないみたいだ。
──*──*──*── 暖簾の間
厳蒔弓弦
「 此処は “ 暖簾の間 ” と呼ばれている。
暖簾の先にある室内だからだ。
座ろうか 」
弓弦さんに促されて机の上に依頼書を置いたら、椅子に腰を下ろして座る。
依頼書── というより、どう見ても依頼帳だよな ──を開いて中身を見てみる。
マオ
「 へぇ──、これが依頼内容か。
クエストと変わらない内容だな。
山菜の採取,茸の採取,野草の採取,動物を狩る依頼もあるじゃん。
何で自分達でしないのかな? 」
セロフィート
「 採取場所や狩り場所の問題でしょう。
妖魔退治の依頼が無くとも、森や山へ入れば否応無しに妖魔と遭遇します。
魔具を持たない者は妖魔と戦えません。
退魔師や陰陽師に依頼するしか方法がないのでしょう。
採取に同行する護衛の依頼もあります 」
マオ
「 本当だな。
本格的な妖魔退治の依頼を受けれるのは何段からだろう? 」
厳蒔弓弦
「 8段からだな。
10段の依頼内容は≪ 集落 ≫≪ 村落 ≫周辺の依頼が集められているんだ。
9段の依頼内容は、遠距離の護衛依頼が集められている。
≪ 集落 ≫ ←→ ≪ 集落 ≫,≪ 集落 ≫ ←→ ≪ 村落 ≫,≪ 村落 ≫ ←→ ≪ 村落 ≫,≪ 集落 ≫ ←→ ≪ 平安京 ≫,≪ 村落 ≫ ←→ ≪ 村落 ≫と具合だ。
道中には妖魔が出るし、野盗も出る。
道に依って野犬の群れや狼の群れ,獰猛な獣に襲われる事もある。
護衛の依頼は大変だが、報酬はそれなりに高くなっている 」
マオ
「 そうなんだ。
依頼書を見る限りは出来そうかも 」
厳蒔弓弦
「 10段の依頼は個人で受けるのが可能な内容が殆んどだが、9段の護衛依頼を受ける場合は個人では無理だ。
最低でも5人組で受ける必要があるんだ。
セロとマオなら2人で受けても問題ないだろう 」
マオ
「 10段,9段の依頼で、妖魔退治の経験をして腕を磨くわけだね。
妖魔退治に慣れて自信が付いて来たら、8段目から本格的な妖魔退治の依頼が受けられるんだ?
ちゃんと考えられてるんだな~~ 」
厳蒔弓弦
「 4段の依頼書も見てみると良い。
中々見られる物ではないからな 」
マオ
「 有り難う、弓弦さん 」
オレは4段の退魔師しか見られない依頼書の中身を見せてもらう。
マオ
「 ………………結構ハードな依頼が多いように感じるんだけど……、弓弦さんは1人で受けてたの? 」
厳蒔弓弦
「 そうだが?
法力が使えるお蔭で依頼を達成する事が出来るんだ。
法力が使えない唯の弓使いだったら、どんなに頑張っても7段止まりだっただろうな 」
マオ
「 えっ、そんなに?!
法力が使えるのと使えないとでは、そんなに差が出るの?! 」
厳蒔弓弦
「 そうだな。
6段には陰陽師も居れば、私のように法力を使える退魔師も居るんだ。
生き仙人と呼ばれている退魔師の霤導童は唯一の1段だ。
舷懣と祝愾は2段だな 」
マオ
「 後の1人は? 」
厳蒔弓弦
「 3段の藺彩だな。
藺彩は退魔師に珍しい女性だ 」
マオ
「 5人目が弓弦さんなんだ。
弓弦さんの法術って強力なんだね 」
厳蒔弓弦
「 そうみたいだな…。
成長するに従って法術の質も上がっているみたいだしな… 」
マオ
「 法術に質とか有るの? 」
厳蒔弓弦
「 どうやら有るみたいだ。
法術の質が上がると法力の消費が軽減されるみたいだし、疲労も軽くなるみたいで助かっている 」
マオ
「 じゃあ、疲れ難くなって沢山使えるようになるんだ?
良い事だよね 」
厳蒔弓弦
「 そう…だな。
喜ばしい事……だとは思ってはいるんだがな… 」
マオ
「 弓弦さん? 」
厳蒔弓弦
「 私の事より、依頼書を見ないとな 」
マオ
「 あっ、そうだよね!
滅多に見れない依頼書だもんね! 」
オレとセロは弓弦さんの説明を受けながら4段の依頼書を見せてもらった。
──*──*──*── 受付
厳蒔弓弦
「 ──読み終わった依頼書は受付人に渡すんだ。
受けたい依頼がある時は、机の上に置かれていた栞を挟んだまま渡せば良い 」
マオ:厳蒔磨絽
「 あぁ~~、その為の栞だったんだね 」
受付人
「 依頼書の返却を確認しました。
そうそう、4段の厳蒔様の場合、3段以上の依頼書は見られないけど、4段の依頼書 ~ 10段迄の依頼書を見れるし、受ける事が出来るんだよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうなんだ 」
受付人
「 指名制度もあってね、依頼人が退魔師や陰陽師を指名を出来るんだ。
指名料が掛かるから報酬額も上がるんだよ。
名前が売れて有名になると指名で依頼が入るようになるよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 指名依頼か。
有名になると忙しくなるね 」
受付人
「 指名依頼は断る事も出来るんだよ。
厳蒔様は指名依頼を受けないように退魔仲介所に申請しているよ。
指名依頼しか受けない退魔師も居てね、自分で決められるようになっているんだよ。
指名依頼の内容を聞いて自分では力不足だと感じれば、断る事も出来るし、依頼人に別の退魔師を紹介したり、依頼を別の退魔師へ引き継ぎをしたり、権利を譲る事も出来るんだ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 へぇ……。
ちゃんと選択肢が用意されてるんだね 」
厳蒔弓弦
「 退魔仲介所の下見をしてみてどうだ?
少しは役に立てたか? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん!
早く退魔師試験を受けて合格したい!
オレ、兄さんみたいな売れっ子の退魔師しなって、1段になるんだ!! 」
受付人
「 はははっ、お兄さんを越えるとは大きな目標だね!
若さがあるって良いね 」
厳蒔弓弦
「 直ぐに追い越されてしまうな。
そろそろ遊廓亭へ向かった方が良い頃合いかな? 」
セロフィート
「 予約時間には十分間に合います。
慌てず急がず向かいましょう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 お兄さん、仲介所の事を色々教えてくれて有り難う!
籍を置くのは本部になると思うけど、陰陽師試験に合格したら顔出しに来るね! 」
受付人
「 そうかい。
会えるか分からないけど、報告を楽しみにしてるよ 」
厳蒔弓弦
「 息災でな 」
受付人
「 有り難う御座います(////)」
親切な受付人に御礼を言って、手を振りながら退魔仲介所を出たら、遊廓亭を目指して歩き出した。




