✒ 退魔仲介所を下見 1
マオ
「 それで──、その御馳走が食べれる遊廓亭ってのは何処にあるんだ? 」
セロフィート
「 《 南地区 》にあります 」
マオ
「 《 南地区 》って何処だよ? 」
厳蒔弓弦
「 此処から遠くない場所だ。
通り道に退魔仲介所がある。
寄って行こう 」
マオ
「 退魔仲介所?
《 南地区 》に支部があるんだっけ? 」
セロフィート
「 折角ですし、下見しましょう。
夕食の時間には未だ早いですし 」
マオ
「 寄り道して部屋は取れるのか? 」
セロフィート
「 事前予約は済ませてます。
合格は確実ですし 」
マオ
「 用意が良いなぁ…… 」
厳蒔弓弦
「 退魔仲介所へは私が案内しよう 」
セロフィート
「 お願いします 」
弓弦さんの案内で《 南地区 》にある退魔仲介所へ行く事になった。
──*──*──*── 南地区
──*──*──*── 退魔仲介所前
厳蒔弓弦
「 ──此処が退魔仲介所南地区支部だ 」
マオ
「 …………へぇ?
支部なのに随分とこじんまりとしてるんだね…。
銀箔が貼られてないのに銀閣寺って呼ばれてる名前詐欺の木造の寺みたいだ…… 」
厳蒔弓弦
「 名前詐欺??
退魔仲介所の外装が派手である必要はないからな 」
セロフィート
「 落ち着きと風情を感じる建物には好感を持てます 」
マオ
「 まぁな……。
ケバくて派手な建物よりかはマシかも? 」
厳蒔弓弦
「 支部長は忙しくて留守にしがちだが、副支部長が居る。
簡単な挨拶をして行こう。
顔と名前を覚えてもらえば、困った時に依頼を回してもらえるだろう 」
マオ
「 うん 」
弓弦さんの提案で退魔仲介所の中へ入る事になった。
──*──*──*── 退魔仲介所
弓弦さんを先頭にして退魔仲所へ入ると、仲介所内が一斉にざわめき出した。
マオ
「 急にどうしたんだろう? 」
退魔師:A
「{ ──おい、厳蒔弓弦だぞ! }」
退魔師:B
「{ マジかよ!
本物かぁ? }」
退魔師:C
「{ ──やっべ、マジで弓使いじゃん! }」
退魔師:D
「{ 噂じゃ、凄腕の弓使いらしいぞ }」
退魔師:A
「{ 仲介所本部に籍を置いてから、2年で退魔師の5本の指に入る実力者ってのは事実なのか? }」
退魔師:B
「{ 全然、強そうに見えないんだがな~~ }」
コソコソ話をしているつもりらしいけど、丸聞こえだよ~~!
弓弦さんって5本の指に入るぐらい退魔師として有名なんだ…。
法力が使えるから??
厳蒔弓弦
「 ──副支部長は居るか? 」
受付人
「 厳蒔様!
お久し振りですね。
副支部長なら生憎と留守ですよ 」
厳蒔弓弦
「 そうか。
弟を紹介したかったんだが……、残念だな 」
受付人
「 弟さんですか? 」
厳蒔弓弦
「 あぁ、2歳下のな。
厳蒔磨絽だ。
陰陽師試験を受ける為に故郷から≪ 平安京 ≫へ来たんだ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 初めまして、こんにちは 」
受付人
「 はい、こんにちは。
──そうでしたか。
陰陽師試験を受けるのに何故退魔仲介所へ? 」
厳蒔弓弦
「 陰陽師試験に合格したら、退魔師試験を受ける予定なんだ。
退魔師になったら、兄弟で依頼を受けようと思っているんだ 」
受付人
「 そうなんですね。
退魔師が増えるのは喜ばしい事です。
最近は妖魔が手強くなったと良く耳にします。
退魔師の皆さんも妖魔退治に苦労してますからね。
先日も退魔師が大怪我をしましてね、大変な騒ぎになりました 」
厳蒔弓弦
「 妖魔が手強くなっている事は立ち寄った先の仲介所でも聞いていた。
怪我人が出るのは当たり前だが、大怪我とは穏やかな話ではないな 」
受付人
「 陰陽師も依頼を受けてくれたら良いんですけど、『 報酬が少ない! 』とか言って受けてくれないんですよね…。
ほんに金に汚なくて、がめつい奴等ですよ! 」
マオ:厳蒔磨絽
「 退魔所の依頼って報酬料が安いの? 」
受付人
「 そうだね。
何せ、依頼を出す相手が貧しい人達だからね。
生活もあるし、そんなに出せないんだよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 ふぅん……。
タダで受ける訳にはいかないもんな。
依頼書って見れるの? 」
受付人
「 あぁ、退魔師になったら見れるよ。
厳蒔様も居るし、一緒に見てみるかい? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 良いの?
お兄さん、太っ腹だね!
有り難う♪ 」
受付人
「 今回は特別だよ。
依頼書は綴って棚に入れてあるんだよ。
先ずは受け付けで名簿に名前を書いて、立ち寄った理由を簡単に書くんだ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 名簿を書かないと駄目なんだね 」
厳蒔弓弦
「 私が見本を書こう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん 」
弓弦さんが名簿に名前と理由を書いてくれる。
理由は本当に簡単で良いみたいだ。
弓弦さん……年齢に似合わず達筆だな。
達筆過ぎて何て書いたのか読めないよ……。
セロフィート
「 マオも弓弦さんぐらい達筆に書けるように練習しましょう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 無謀な努力させんな!
読める程度で精一杯だっての! 」
受付人
「 いやぁ~~、厳蒔様は達筆ですね!
こんなに丁寧な文字を書ける人なんて退魔師にもそう居ませんよ。
舷懣様や祝愾様も達筆ですけど、達筆過ぎて読めませんからね… 」
厳蒔弓弦
「 字を崩して書かれているからな。
師匠になら読めるかも知れないが、私にも解読は難しいな… 」
マオ:厳蒔磨絽
「 オレには兄さんの字も達筆過ぎて読めないけど… 」
受付人
「 あぁ、厳蒔様の書かれる字は、中級文字だからね。
初級文字しか習ってない人には読み難いね。
下級文字を習えば、中級文字も読み易くはなるよ。
中級文字を習えば上級文字が分かるようになるんだよ。
上級文字を書ける人なんて少ないし、個性的な字になるから、余程の人じゃないと読めないかも知れないね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 字には初級,下級,中級,上級があるんだ?
オレは初級でいいや… 」
受付人
「 陰陽師になるなら、せめて中級文字は書けるようになった方が良いよ。
中級文字を書けない陰陽師は出世の見込みが無いって判断されるし、馬鹿にされるからね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうなの?? 」
受付人
「 此処にも陰陽師は来るからね。
依頼は受けてくれないけど、愚痴を溢しには来るんだよ。
陰陽院では愚痴は御法度だからね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 陰陽院?? 」
厳蒔弓弦
「{ 陰陽師試験が行われた場所だ }
陰陽院の敷地内で陰陽師試験は行われるんだ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そ、そうなんだ…… 」
受付人
「 陰陽師試験に合格すると、優秀な陰陽師は陰陽院にスカウトされるって話だよ。
エリート街道まっしぐらだね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 エリートねぇ…。
陰陽師になれたら、陰陽師は皆エリートなんじゃないの? 」
受付人
「 勿論エリートさ。
陰陽院にスカウトされて、陰陽院で働いている陰陽師は、エリート中のエリートだよ。
何せ、帝の補佐をして≪ 平安京 ≫の政に関わるんだからね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 …………国会議員…みたいなもんかな? 」
受付人
「 陰陽院にスカウトされなくてもエリートには代わりないから、最低でも中級文字が書けて、読めるようになっとかないとだね。
厳蒔様に教えてもらえば大丈夫だよ! 」
マオ:厳蒔磨絽
「 う、うん…。
努力はしてみるよ……ははは… 」
初級文字を覚えて、読んで書けるようになっただけでも大変だったのに、下級文字と中級文字までマスターしないといけないのかよぉ~~~~。
(;つ Д`)トホホだよ……。




