✒ 陰陽師試験 3
狐の式神には豊満な胸が付いてるから雌なんだろう。
女狐は法術を放って来る。
どうやら光属性の法術みたいだ。
金色に輝いて神々しい女狐に似合っている。
光属性の法術を容赦なく放って来るけど、やっぱりセロには全く効かない。
沢山の光の玉や巨大な光の玉,レーザービームのような光が降り注いでもセロにダメージを与える事は出来ない。
どんな反則技もセロの前では無駄な努力だし、水の泡だな。
それにしたって、女狐の法術攻撃はえげつない範囲力と威力を誇っている。
強力な光属性の法術攻撃を前にしたら、妖魔にも妖怪にも大打撃を与えられるだろう。
それを無効化してしまえるセロって、やっぱり凄い存在なんだな。
女狐は分身をして10体に増えた。
ド派手な光属性の法術攻撃は止まない。
光が弾けてパチパチと鳴り響く派手な法術は綺麗だけど、おっかないな。
こんな凄い式神を使役している陰陽師と式神バトルをして3本取らないといけないとか、無理ゲーが過ぎるんじゃ……。
堡畄川さんが言っていたように、審査官達がオレ──厳蒔磨絽を潰して失格にさせんが為に抜擢された選り選りの陰陽師達だったりするのかな?
だけど、何で審査官達は凄い実力を持ってる試験者を落として、大した事のない試験者を合格させるような阿呆な事をするんだろう??
優秀で有能な陰陽師が居た方が帝も安心するんじゃないかな?
やっぱり地位や財力,権力を優秀で有能な陰陽師に奪われて、立場を追われるのが嫌なのかな?
贅沢三昧の好き勝手放題が許される裕福な生活を失いたくないから、優秀で有能な実力のある試験者を落として、陰陽師界を牛耳ってるのかな。
腐ってるんだな、陰陽師の社会は……。
最低な陰陽師達が巣食って牛耳っている陰陽師社会を帝は承知してるのかな?
セロにもオレにも心底どうでも良い事だ。
陰陽師社会が救いようのないぐらい腐敗してたって知ったこっちゃないんだ!
マオ:厳蒔磨絽
「 セロ──、さっさと3本取って終わらせよう! 」
セロ:式神
「 はいはい。
仰せのままに── 」
セロが言うと、晴天だった空が曇天に変わる。
雲の中では雷鳴が聞こえる。
雷雲だ。
セロは雷雲を作ったのか……。
一体何をする気なんだろう??
セロ:式神
「 消滅しない程度に痛め付けてあげましょう。
格の違いをその身を持って思い知りなさい 」
とんでもない言葉を発したセロが、前に出している右手の指をパチン…と鳴らすと、雷雲から大量の雷撃の雨が降り注いで来たぁぁぁあああああ!!!!
物凄い雷音を鳴らしながら電光が周囲を照らす。
凄まじい威力の電撃が容赦なく女狐を襲う。
まさに死角無しの無慈悲な蜂の巣攻撃!!
逃げ場を雷撃で塞がれているから女狐は身動きが取れない。
電撃が3発、女狐に当たり、セロは見事に相手の式神から3本を取ってくれた。
用がなくなった雷雲は水に溶ける綿菓子のように消えていった。
空は晴天に戻った。
女狐は全身を震わせて、セロを恐がっているみたいだ。
戦意を喪失させただけじゃなくて、恐怖心まで植え付けてしまったようだ。
式神に恐怖心があるのか分からないけど、雷がトラウマになってなければ良いなぁ……。
セロ:式神
「 3本取れました。
審判さん、判定をしてください 」
審判:陰陽師
「 しょ……勝者は厳蒔磨絽~~!!
これにて式神バトルは終了です!
式神バトルは2勝,引き分けで──、厳蒔磨絽の勝利です!! 」
マオ:厳蒔磨絽
「 はぁぁぁぁあ!?
引き分けなんかしてないだろ!!
ちゃんと3勝してたじゃんかよぉ!! 」
審判:陰陽師
「 2回戦目の試合は無効となりましたので、“ 引き分け ” となります 」
マオ:厳蒔磨絽
「 何だよ、それぇ~~!
ズッコいよ!!
大人気なくて卑怯だと思わないのかよ! 」
審判:陰陽師
「 審査官である御三家の陰陽師方が決められた事ですので、覆りません 」
マオ:厳蒔磨絽
「 …………腐ってやがるぅ~~~~!! 」
セロ:式神
「 マオ──、2勝は出来ました。
これで不合格にされるなら、御三家の審査官達を丸焦げにしましょう。
今夜から10年間は床に伏せる事になります 」
マオ:厳蒔磨絽
「 セロ……丸焦げにしたら死んじゃうよ… 」
セロ:式神
「 不誠実な審査官達の身上等、知った事ですか 」
マオ:厳蒔磨絽
「 それもそうだな。
喧嘩は売る相手を間違えたら駄目だよな! 」
進行係:陰陽師
「 えぇ~~、それでは結果を発表します。
厳蒔磨絽の陰陽師試験、実技は文句無しの合格とします! 」
マオ:厳蒔磨絽
「 やったぁ!!
実技合格ぅ~~~~!!
…………は?
実技試験は??
どゆこと…… 」
進行係:陰陽師
「 陰陽師試験には、実技試験と筆記試験があります。
筆記試験で合格が出来れば、正式に陰陽師となれます。
筆記試験は1週間後、この会場で行われます。
確りと陰陽師と式神について学んでください。
近所にある寺子屋に通い学ぶように!
──これにて解散してください 」
こうして、オレ──厳蒔磨絽の陰陽師になる為の実技試験は無事に幕を閉じた。
マオ
「 筆記試験があるなんて聞いてねぇよぉ!!
どういう事だよぉ!!
オレ、筆記試験なんて自信ないよ! 」
厳蒔弓弦
「 筆記試験か。
確かにマオには難題だな 」
マオ
「 実技試験には合格出来たのに…… 」
陰陽師:堡畄川
「 筆記試験か。
今迄は筆記試験なんてしなかったのにな…。
やっぱり……磨絽君を陰陽師にしない為に審査官達が仕組んだのかも知れないね。
陰陽師は幼少時から陰陽師や式神の事を学ばせられるから、筆記試験を受ける必要なんて初めからないんだけど……。
磨絽君は陰陽師の家系じゃないからね。
実技試験で不合格には出来なかったけれど、筆記試験をすれば間違いなく落とせると考えたのかも知れないよ 」
マオ
「 そんなぁ~~~~ 」
陰陽師:堡畄川
「 筆記試験に向けて、僕も協力するよ!
筆記試験に合格出来るように泊まり込みで教えるからね! 」
マオ
「 え゛っ……泊まり込みで?? 」
陰陽師:堡畄川
「 そうだよ。
1週間しかないから、時間は足りないぐらいだよ。
今日は実技試験で疲れたと思うから、筆記試験に向けた勉強は明日からにしようか。
今日は、お疲れ様だったね。
実技試験、合格おめでとう!」
マオ
「 有り難う御座います(////)
明日から寺子屋に寝泊まりかぁ~~。
トホホぉ~~~~ 」
厳蒔弓弦
「 私も陰陽師から聞いた事は、全て教えよう。
筆記試験に役立つかは分からないが、知っていて損はしない知識だからな 」
マオ
「 弓弦さんも有り難う(////)」
セロフィート
「 今夜の夕食は奮発しましょう。
遊廓亭の料理は豪華で美味しいですよ 」
マオ
「 遊廓亭~~?
如何わしい店じゃないよなぁ? 」
セロフィート
「 行けば分かります♪
行きましょう 」
マオ
「 名前からして不安だぁ~~~ 」
堡畄川さんの案内で陰陽師試験会場を出たオレ達は、寺子屋へ戻る堡畄川さんと別れて、セロの案内で如何わしい名前をしている遊廓亭へ向かうのだった。
◎ 訂正しました。
視角無し ─→ 死角無し




