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✒ 陰陽師試験 2


 鳥女(式神)の羽根の雨攻撃は、容赦なくセロに降り注ぐけど、セロには吹く風だ。

 羽根攻撃が効かないと分かると、鳥女(式神)は高く舞い上がると急降下して、セロに近付いてた!!

 鳥女(式神)はセロへ向けて左右の翼を力強くなんも羽ばたかせる。


 風起こしかな?

 凄い強さの強風がセロを襲うけど、肝心のセロは涼しいそうなのか微笑んでいる。

 セロの全身を覆っている〈 (原質)(みなもと) 〉の膜が、強力な風を無効化しているんだ!


 セロに強風も効かないと分かった鳥女(式神)は左右の翼でセロを打つけど、セロにはまったく効いていない。

 次は浮遊している事をかして、2本の足を使ってセロへ激しい蹴り攻撃を始めた!!

 2段蹴りとか連続キックとか、ほうりきを込めた鋭いかぎづめでセロに襲い掛かる。

 だけど、セロは一向に動じないし、平然と立っている。


 鳥女(式神)に指示を出しながらいんを切っている審査官補佐も、なんの反応も示さないセロに戸惑っているみたいだ。

 陰陽師はいんを切りながら、ことだまを発して使役している式神に指示を出している。

 それが陰陽師達の戦い方であって、けっして自分から武器を持って戦おうとはしない。

 陰陽師が唯一使う武器と言えば、専用のふだで、ふだほうりきを込めて使うぐらいらしい。


 ──で、どうやら審査官補佐はあらかじめ隠し持っていたのだろうふだからか取り出すと、ほうりきを込めている。

 そのあいだも片手でいんを切って鳥女(式神)に指示を出して戦わせているんだから、大した二刀流使いだと思う。


 オレはだ陰陽師じゃないから、ふだなんか持ってない。

 仮に持っていたとしてもほうりきを使えないから使い道のない紙切れでしかない。

 オレもいんを切るフリをして魔法マジックを使った方がいのかな?


 いや、駄目だ。

 めておこう。

 試験者はコートがいから指示を出す事しか許可されていなかった筈だ。

 ほうりきは式神に指示を出す為だけに使わないと失格にされてしまうかも知れない。

 試験者は許可されてないだけで、審査官補佐だけがふだの使用を許可がされてるだけかも知れない。

 余計な事はしない方がいのかも…。


マオ:厳蒔磨絽

「 セロ──、審査官補佐がなにか仕掛けてるかも知れない!

  気を付けるんだ! 」


セロ:式神

「 問題ないです 」


 セロは「 ふふっ 」と笑うと右手を前に出して、野球ボールサイズのかみなりボールを3つ出現させる。

 セロが右手を振り下げるとかみなりボールは鳥女(式神)に向かって飛んで行く。

 3つのかみなりボールは逃げる鳥女(式神)を逃がす事なく、迄も追跡して動いている。


セロ:式神

「 蠅みたいですね 」


 なんて呟いたセロは、右手を上に上げると、下へ振り下げた。

 その瞬間、鳥女(式神)は見えない “ なにか ” にのかバランスを崩したと同時に地面へ叩き付けられたぁぁぁあああああ!!!!


 物凄い音がした。

 鳥女(式神)は懸命に起き上がろうとしているけど、目に見えない “なにか ” に押さえ付けられているのか身動きが取れないみたいだ。

 ジタバタと瞬間を見逃す事なく、3つのかみなりボールが鳥女(式神)へ目掛けて落ちてた!!


 動けない鳥女(式神)から3本取る事が出来ると、かみなりボールは消えて、鳥女(式神)を押さえ付けていた目に見えない “ なにか ” も消えて無くなったみたいだ。


セロ:式神

「 審判さん、判定をしてください 」


審判:陰陽師

「 あっ──、しょ…勝負、あり!

  勝者は試験者のげんじのまお~~~!! 」


マオ:厳蒔磨絽

「 やったぁ!

  2勝目ぇ!! 」






審判:陰陽師

「 審査官補佐は速やかに交代してください! 」


 審判に言われて審査官補佐が3人目と入れ代わった。

 2人目の審査官補佐は悔しそうな顔をしてバトルコートから離れて行く。


審判:陰陽師

「 審査官補佐は式神を呼び出してください 」


 審判が言うと、審査官補佐はゆびとういんを作ると五字切りをした。

 バトルコート内に式神が姿をあらわす。

 審査官補佐に呼び出された式神の姿は、金色の尻尾を4本も生やしている。

 左右に生えた金色のけもの耳と金色に輝く長いストレート髪を風になびかせている。


 人型なんだけど、顔は人間じゃなくて狐っぽい。

 身体からだには金色の毛が生えていて、左右の胸の下から陰部まで真っ白いモフモフした毛が生えている。

 まるでタンポポのフワフワな綿毛みたいだ。


マオ:厳蒔磨絽

「 …………綺麗だ…。

  おさまみたいに輝いてる… 」


セロ:式神

「 2体の式神より手強そうですね。

  ワタシの相手ではないですけど 」


マオ:厳蒔磨絽

「 セロ、最後の1人だ!

  この式神から3本取れたら、陰陽師試験は合格したも当然だ!

  頼むぞ!! 」


セロ:式神

「 はいはい。

  おおせのままに── 」


審判:陰陽師

「 先程の式神バトルは、審査官補佐がフライングをして始まった為、無効となりました! 」


マオ:厳蒔磨絽

「 は──?

  2回戦目の式神バトルが無効??

  えっ──、じゃあ、3本取れたのに無しって事?? 」


審判:陰陽師

「 そうなります。

  審査官補佐がふだを使い、式神の素早さを上げるという反則技も見られましたので、取れた3本も無効となります! 」


マオ:厳蒔磨絽

「 酷っ!!

  此方こっちなんの違反もしてないのに!

  相手のフライングと反則技の所為で、折角取れた3本が無しになるなんて……酷っ!!

  最低過ぎるぅ~~~~!! 」


審判:陰陽師

「 3回戦目の式神バトルを開始します!

  式神ぃ~~~~ファイト!! 」


マオ:厳蒔磨絽

「 なんて理不尽なんだよ、陰陽師試験ってのはぁ!! 」

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