✒ 陰陽師を学ぼう 1
──*──*──*── 寺子屋・門前
マオ
「 此処が寺子屋……。
此処で陰陽師の事を知れるのか… 」
厳蒔弓弦
「 陰陽師の基本を詳しく教えてくれるのは気さくな陰陽師だ。
子供にも分かり易い説明だから、マオにも分かると思う 」
マオ
「 有り難う、弓弦さん!
助かるよ! 」
厳蒔弓弦
「 う、うむ……。
役に立てて何よりだ(////)」
弓弦さぁ~~~~んっ!!
オレを見て顔を赤らめないでよぉ!!
オレが弓弦さんと同じ男だって事は、弓弦さんだって重々に分かってくれてる筈だ。
立派なもんじゃないけど……、オレにも弓弦さんと “ 同じモノ ” が付いてるんだよぉ!!
無くても困らない飾りになっちゃってるけどぉ!!
男だって事を忘れない為に、敢えて残してもらってるんだからぁ!!
セロフィート
「 マオ、何します?
陰陽師の事を知れる機会です。
入りましょう 」
マオ
「 お、おう…… 」
セロに声を掛けられて我に戻ったオレは、セロと弓弦さんと一緒に寺子屋の門を潜った。
──*──*──*── 寺子屋
敷地内に入ると以外にも広くて小綺麗だった。
平民だと思われる子供達が敷地内を元気に走り回っている姿も見られる。
賑やかな笑い声を上げて、はしゃいでいる様子は如何にも楽しそうだ。
マオ
「 へぇ、子供が多いんだ 」
厳蒔弓弦
「 寺子屋だからな。
貧しい子供達にも読み書き,算術が出来るよう、陰陽師が無料で寺子屋を開放しているそうだ。
子供を預かってもらえると親からも有り難がられているんだ 」
マオ
「 無料で?
慈善事業かな? 」
セロフィート
「 違いますよ。
期待以上の利益を得られるからです。
子供は原石と同じです。
どんな原石も磨けばそれなりに使えるようになります。
中には莫大な利益をもたらす宝石の原石も混ざってます。
寺子屋を開放し、無料で平民の子供に読み書き,算術を学ばせているのは、利益を得る為に必要となる “ 磨きの行程 ” に当たります 」
マオ
「 見も蓋もない言い方だな… 」
セロフィート
「 陰陽師の基礎的な知識を教えるのも親切でしている訳ではない筈です。
不可思議な能力を持った子供を探す為の手段の1つに過ぎません。
身寄りがなければ養子にでもして一族に取り込めますし、両親が居ても金銭で解決出来ます 」
マオ
「 親から子供を買うって事か?
そんな人身売買的な事を陰陽師がしてるのかよ? 」
セロフィート
「 仮定の話です 」
マオ
「 本当かよ? 」
セロフィート
「 表向きは平民達に寄り添い、善い行いをしてます。
余程の事がない限り、平民達から敵視される事は無いでしょう 」
マオ
「 そうだな…。
寺子屋を隠れ蓑にして、陰陽師達が裏で “ 何をしてるか ” なんて、平民達には関係無いんだろうな 」
厳蒔弓弦
「 セロ,マオ──、あの小屋で陰陽師の事を学べるそうだ 」
マオ
「 は~~い 」
弓弦さんが教えてくれた小屋に向かって歩く。
他にも数人の子供達が小屋の中へ入って行く姿が見えた。
陰陽師の事を知りたい子供って他にも居るんだな。
──*──*──*── 小屋
小屋の中に入ると、背の低い子供達が前に座っている。
子供達は行儀良く横1列に並んでいて、背の高い子供は背の低い子供達に配慮してか後ろに並んで座っている。
厳蒔弓弦
「 セロと私は立って話を聞くが、マオは座って聞くと良い 」
マオ
「 オレも立って聞くよ。
これでもオレは成人してるからな!
座って聞くのは卒業したいよ 」
セロフィート
「 はいはい。
3人で立ったまま話を聞きましょう 」
暫く待っていると、陰陽師の衣装を着た若い男が入って来た。
随分と若い男だ。
未だ成人したて──かなぁ?
陰陽師
「 皆、今日も来てくれて有り難う。
今日は新しい人も来てくれているね。
初めまして、僕は皆に陰陽師の基本を教えている堡畄川です。
分からない事や知りたい事があったら遠慮なく質問してくださいね。
では──、始めます 」
堡畄川と言う名前の陰陽師は、オレの知らない陰陽師の基本的な知識を子供達に話して聞かせている。
子供にも分かり易く話してくれているから、陰陽師について何にも知らないオレにも分かる内容だと思う。
態々質問しなくてもセロに聞いたら良さそうな内容ばっかりな気がする。
基本的な知識だからだろう。
陰陽師:堡畄川
「 ──はい。
今日は此処迄だよ。
小屋から出たら、蒸かし芋を配っているから並んで貰ってね 」
マオ
「 蒸かし芋?
寺子屋では蒸した芋を配ったりするのか? 」
セロフィート
「 預けられている子供が多いですからね。
おやつも出るのではないです? 」
マオ
「 オレも貰って良いのかな? 」
厳蒔弓弦
「 貰って良いと思うぞ 」
マオ
「 うん(////)
オレ、3つ貰って来る! 」
小屋を出たオレは、蒸かし芋を貰う為に列に並ぶ事にした。
マオ
「 蒸かし芋、美味ぁ~~~い♪
甘味があって、ホクホクしてるぅ~~♪ 」
厳蒔弓弦
「 マオ、私の分も食べると良い 」
セロフィート
「 ワタシは式神( という設定 )ですから食べれません。
マオ、ワタシの分を食べてください 」
マオ
「 弓弦さん、有り難う(////)
セロも有り難な。
弓弦さんは食べてよ。
オレはセロの分を貰うから 」
オレはセロから蒸かし芋を受け取ると、弓弦さんと一緒に蒸かし芋を食べる。
焼いた薩摩芋も好きだけど、蒸した薩摩芋も美味しい。
1番美味しいのは、蒸した薩摩芋を焼いたのだけど!
陰陽師:堡畄川
「 ──あっ、良かった!
未だ居てくれた! 」
マオ
「 ──ほへ? 」
陰陽師:堡畄川
「 君、初めましての子だよね。
えぇと、君は僕と同じ陰陽師だよね? 」
マオ
「 あ──、オレは…… 」
陰陽師:堡畄川
「 うん?
おれ?? 」
マオ
「 あ……えぇとぉ~~~~……オレの故郷では~~、皆自分の事を “ オレ ” って言うんだ……。
田舎だから……はははは…… 」
一寸無理のある言い訳かな??
陰陽師:堡畄川
「 あぁ、そうなんだね。
確かに田舎では良くあるよね!
僕の故郷では “ ワシ ” だったから分かるよ 」
マオ
「 そう、なんだ… 」
デタラメに言ったけど、田舎では良くあるんだ…。
良かったぁ~~~~!
マオ
「 えぇと……オレは…、未だ……陰陽師じゃなくて…… 」
陰陽師:堡畄川
「 えっ、そうなの?
君の格好はどう見ても陰陽師のそれだよね? 」
マオ
「 い──田舎を出る時、故郷の皆が、く──くれたんです!!
陰陽師になる為に≪ 平安京 ≫へ行くって言ったら、用意してくれて──。
『 立派な陰陽師になるんだぞ! 』って応援して送り出してくれたんです!! 」
陰陽師:堡畄川
「 へぇ、そうなんだ?
君の故郷は良い所だね。
村人総出で応援して送り出してくれるなんて、早々ないよ。
恵まれていたんだね 」
マオ
「 そ、そうですよね!
有り難いです。
送り出してくれた皆の期待に応える為にも立派な陰陽師になりたいですっ!! 」
済みませんっ!
全部、真っ赤な嘘の作り話ですっ!!
バレたりしないかな~~。
マオ
「 無事に≪ 平安京 ≫に着けたのは良かったんですけど……。
肝心の陰陽師になる方法が分からなくて……。
途方に暮れながら《 平民地区 》を歩いていたら、寺子屋で陰陽師の事を教えてもらえるって聞いたから……寄ってみたんです。
陰陽師になる為に故郷を出て来たのに、陰陽師の事を知らないなんて……可笑しいですよね?
基本的な事でも陰陽師の事を知れて……助かりました(////)
丁寧に教えてくれて有り難う御座いました! 」
オレは嘘の上に嘘を重ねまくって話を続けた。
然り気無く「 陰陽師になりたい 」「 陰陽師試験を受けたい 」って会話の中に入れてるけど、この人は気付いてくれるかな??
陰陽師試験に申し込んでくれそうな親切な陰陽師を紹介してもらえたら有り難いんだけど…………、難しいかな?
都合が良過ぎるかな??




